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2005.12.20

ドラゴンドラ ~世界最長&日本最速ゴンドラ

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ドラゴンドラ(苗場・田代ゴンドラ)
事業者名:株式会社コクド
スキー場名:苗場/かぐらスキー場
公式サイト:http://www.princehotels.co.jp/ski/naeba/dragondola/
所在地:新潟県南魚沼郡湯沢町三国
キロ程:5481m
支柱基数:35基
高低差:426m
最急勾配:不明
輸送能力:1600人/時
搬器台数:107台
速度:6.0m/s
回転方向:時計
動力:電気 1300kw
許可年月日:2000年6月29日
運輸開始年月日:2001年12月21日
種別:普通索道
方式:単線自動循環式
搬器定員:8人(背中合せ着席)
山麓:原動
山頂:油圧緊張
索道メーカー:日本ケーブル
鋼索メーカー:東京製綱

観察日:2002年3月24日

苗場スキー場とかぐらスキー場田代エリアを結ぶゴンドラ。正式名称は「苗場・田代ゴンドラ」だがユーミンが命名者とされる「ドラゴンドラ」があっという間に浸透した。構想自体はかなり昔からあったが、さまざまな障壁があり、実現までにかなりの時間を要した。

筆者が住む関西から行きにくい湯沢エリアに足を伸ばした最大の動機がこのドラゴンドラの開業。2番目は八海山ロープウェイの開業だったが、インパクトは桁違いだった。

スキー旅行を題材としたサイトやスキー場紹介を題材としたサイトは無数にあるが、索道をテーマとするサイトはほとんどない中、このドラゴンドラ乗車を題材としたサイトが多数生まれたのも、筆者のようなマニアだけでなく、一般にもインパクトがあるゴンドラであったことを物語る。

正直言って、ゴンドラからの景観自体はそれほど大した事はない。それなりに綺麗だが、山越えの国道からちょっと外れて林道にでも入れば、似たような風景を探すのは難しくないだろう。しかし、ゴンドラ・ロープウェイの景観としては、他に類を見ない。絶叫マシンまでの迫力はないが、それに近い「乗り物」としての迫力も加わり、単に乗るだけでも楽しいドラゴンドラならではの魅力を生み出した。

1本のロープウェイ/ゴンドラとしては世界最長であり、運転速度6.0m/sは世界的にみてもトップクラス、国内では最速(同速度は他にもあり)である。これまで国内の循環式索道では、法令上の制約から1本のロープを1ヶ所でつないで1つの輪にしていたが、この方法では約11キロのワイヤーロープを準備しなくてはならず、ロープの製作が可能でも運搬が非常に困難で、本ゴンドラの実現の難関の一つだった。そのため、2本のロープを2ヶ所でつないで1つの輪を作るというやり方が国内で初めて認められた。

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これが山麓停留場。苗場スキー場の北端火打ゲレンデにある。第3ロマンスの乗場付近まで伸ばしてもらえると、非常に便利だったと思われるが、長さ的に限界だったのだろう。ホテル前からのアプローチはちょっと面倒だが、筆者は筍平から大斜面を経由してチャレンジコースに入り、火打の上部に出て滑り込んだ。チャレンジコースは上級者コースになっているが、おそらく狭いためで斜度としてはそれほどではない。ボードはともかくスキーヤーならば中級者でも十分に滑走可能で、しっかりボーゲンで制動ができれば初級者でも大丈夫だろう。

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山麓原動停留場内部。原動滑車が2段になっており、前方に置かれた遊滑車でロープが折り返す形で2回巻かれる。おそらく、通常の原動滑車では耐滑動力が不足するためと思われ、超長大ゴンドラならではの設計だといえる。モーターと減速機は地下に置かれ、原動軸が床下から原動滑車に伸びる。1300kwという原動機出力の大きさと異常時の対応を考えると、主原動機はおそらくタンデムだと思われるが確証はない。

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山麓停留場の車庫線。車庫線押送があるので、自動車庫だと思われる。山頂停留場にも車庫線があり、これは出入庫時間の短縮を考慮したためだろう。

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これは山頂緊張停留場内部。緊張滑車が原動滑車同様に2段となっているのがわかる。2巻きとする事により摺動距離を2倍とするのと同等の効果が期待できるためと思われる。

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これが線路中の光景。山を登るというよりは、山裾を横切りながら登るという線路のために、小さな尾根越え・谷越えや、渓谷内を川と平行して通るような箇所が随所に見られる。

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搬器は、コクドの8人乗りでは標準的な背中合せに座るCWA製。このタイプは、どうもCWAの標準設計ではないらしく、以前CWAのサイトに掲載されていた時もコクドでの採用事例しか画像が収録されず、今ではタイプ別の紹介ページから外れている。

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これが搬器内。

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搬器内のメーカースプレート。このタイプの第2号機と思われる妙高杉ノ原ゴンドラでは「Type BB 8」となっていた。「evo」はエボリューションの略だと思われるが、どこがエボリューションか不明。

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停留場に掲示されていた仕様表。輸送力が1600人/時に抑えられているのは、需要を考えて建設費節減のためか、超長大であるが故の技術的な問題からかは不明だが、苗場という場所を考えると後者のような気がする。

とにかく魅力的なゴンドラなので、話のネタに一度は乗ることをお勧めしたい。筆者も、初訪問時は田代での乗り潰しに気をとられて、観察が不十分であったので再訪したいと思っている。

執筆日:2005年12月20日

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コメント

ドラゴンドラは本当は現在の苗場のワールドカップロッジ(7号館)が始発駅になるはずだったようです。
といいますのは、毎年、松任谷由実のコンサートに行っているのですが、90年にワールドカップロッジレストランでの最後のコンサートのときに、ここは取り壊されて田代スキー場とつながるゴンドラ駅になりますと関係者の方に聞きました、というmcがあったからです。
結局は、予算の関係か許認可の関係かはわかりませんが、現在の形に落ち着いたようです。
ドラゴンドラは世界最長という名目ですが、中間駅の無いゴンドラとしては最長のような気がします。
アメリカのブリッケンリッジの今シーズン完成運行したゴンドラも、カナダのサンシャインビレッジのゴンドラも感覚的にはもっともっと長い気がしているからです。
これらは屈曲ゴンドラです。
また調べてみます。

投稿: | 2007.03.03 20:56

鷹さん、コメントありがとうございます。
苗場・田代ゴンドラの計画は、実はかなり以前からありまして、いろいろな計画があったようですので、ワールドカップロッジからの計画というのも十分に考えられますね。ただ、これは1990年の時点では、法的規制の関係で無理でした。本文中に触れたロープの問題です。この時点で特別構造の認可を運輸省(当時)に働きかけてはいましたが、まったく目処が立っていませんでしたので、コンサートのmcの方のお話しは、計画の全貌を理解したうえでの事ではなく、一部を聞きかじっての話だったのでしょう。これ以上は、昔の仕事の守秘義務に関わってきますのでご容赦ください。
中間駅があるゴンドラでは、ロープを分けることができますので、ドラゴンドラが最長というのは、仰るとおり、中間駅の無いタイプという話だと私も理解しております。

投稿: こぶ | 2007.03.03 21:57

90年ですから、10周年記念でした。MCはユーミン自身のハナシでした。
今年は27年目です。関係者=苗場プリンスの当時の支配人の方だったはずです。オールナイトニッポンの当時の番組内にも登場されていた方です。今はボードしかしないユーミンの当時のスキーのコーチをされていました。名前は失念してしまいましたが。
この翌年から、ブリザーディウム(これもユーミンが命名)というコンサートホールがオープンして、ワールドカップロッジにてコンサートが開催されることは無くなりました。ワクワクして待つ事数年、なかなかできないゴンドラがドラゴンドラとして実現されたことは感無量でした。
規模が大きな工事は計画だけは何年もかかるのだと痛切に感じましたねぇ。

投稿: | 2007.03.06 10:33

鷹さん、コメントありがとうございました。
コクドはオーナーが現場に直々の指令を出すこともあり、それが故に困難性を無視したユーザーの視線による施設ができたりするわけですから、苗場田代ゴンドラが元々はもっと使い易い位置に架ける計画であった可能性は十分ありますね。
ただ現状の施設でも技術的にはかなりの無理をしていることは、部外者からも明白ですから、先日書いた法令上の問題がなくとも、今の位置が限界だったのかもしれません。
本文に書いたとおり、原動滑車も緊張滑車も二重滑車でロープを2回巻く形になってます。原動滑車がこうなっているのは、おそらく対滑動力を確保するためと思われ、また輸送能力が1600人に抑えられているのも、その関係かもしれません。索道では対滑動力の不足で死亡事故を起こしたことがあるだけに、メーカーも国もこの点でかなり気を使っていますから、こちらの面からも現状の設備以上に伸ばすのは技術的な困難があったのかもしれません。

ドラゴンドラに限らずコクドの開発計画は、以前からかなり壮大な構想の下に進められてる事がありますね。(コクドだけに限りませんが)新規開発スキー場に、なぜか地元出身の中堅社員が最初からいらしており、話を聞くと、なぜかその時期に求人があったので入社した・・なんて体験談を聞けたりします。現地調査を何度しながらも消えた計画も・・・

投稿: こぶ | 2007.03.06 14:32

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