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2006.02.21

嵐山スキーリフト ~安索屈曲リフトの唯一の生き残り(廃止)

ARASHIYAMA01

嵐山スキーリフト
事業者名:(株)旭川振興公社
スキー場名:嵐山市民スキー場
公式サイト:http://www.asahikawa-dpc.co.jp/ski03.html
所在地:北海道上川郡鷹栖町9線西4号
キロ程:604m
支柱基数:13基
高低差:123.6m
最急勾配:不明
中間屈曲:115度10分
輸送能力:720人/時
搬器台数:135台
速度:1.8m/s
回転方向:反時計
動力:電気 40kw
許可年月日:1984年8月8日
運輸開始年月日:1984年12月22日
建設年:昭和59年12月
種別:特殊索道
方式:単線固定循環式
搬器定員:1人
山麓:原動油圧緊張
山頂:終端
索道メーカー:安全索道
鋼索メーカー:不明

観察日:2006年1月30日

別に圧雪車観察日記になった訳ではない。タイトルにあるように屈曲リフトであるわけだが、その理由を説明できる画像を選んだらピステンが主役のようになってしまった。よく見るとピステンではないかもって、それこそどうでもよいか。

ARASHIYAMA02

このように仕様表にも屈曲リフトである事が明記されている。

屈曲リフトとは、途中で曲がるリフトだ。箱根ロープウェイとか野沢温泉スキー場長坂ゴンドラとか中間停留場の場内で進行方向を変える自動循環式索道なら、コストを別とすれば技術的にはそれほど困難はないが、固定循環式ではなかなか難しい。一つの解が、1月初めに紹介した柳津温泉第2リフト(シュレップ)で採用したループによる立体交差式だが、チェアリフトでこれを行なうと、搬器高をクリアするためかなり大がかりになる上に、ロープの折り返し回数が増えて保守上好ましくなく、国内大手メーカーでは採用しなかった。

内側屈曲は折り返し滑車と同様なので特に問題はないが外側屈曲をどうするかが課題で、国内二大メーカーである安全索道と日本ケーブルでは、それぞれ独自の方法を開発した。

ARASHIYAMA03

これが中間屈曲所の外観で、前述の柳津温泉第2リフトと比べると、一見シンプルな構造に見える。

ARASHIYAMA04

乗車中に撮った上り線の屈曲滑車。基本的には折り返し滑車と同様だが、乗車状態で回るために外側に大きく振れる。そのため布ベルトによる触れ止めがあるのが判る。搬器サスペンダーも、このベルトに接触する部分に保護材が巻かれている。

ARASHIYAMA05こちらが外側屈曲する下り線の屈曲滑車。滑車の外延部に溝の付いた青色の部材がありロープと接触する寸前で上に持ち上げられているのがわかる。搬器の非通過時は、下がったこの部材の溝にロープが当たるわけだが、搬器の通過時にはこの青い部材は握索機の上に乗る形になり、握索機と滑車の干渉を避けるわけだ。

単純そうに見えるが可動部分が多いわけで、メンテの泣き所ではないかと思われる。実際、十数年前に富山県営ゴンドラ(現 らいちょうバレー)スキー場にあった屈曲リフトに乗りに行った際は故障で運休しており、部品の手配に時間がかかっていると説明を受けた覚えがある。

私が知る限り安全索道の屈曲リフトは、野沢温泉・戸狩・富山県営ゴンドラにもあったが他はすべて廃線となっており、ここが最後の1本のはずだ。

ちなみに日本ケーブルの屈曲リフトは、屈曲滑車と握索機が干渉しない位置までガイドによって搬器を傾け、上下の搬器がぶつからないようにサスペンダーの途中に蝶番を入れる構造だったと聞いているが、残念ながら実見する機会がなかったので詳細は不明だ。これは湯沢高原にあったそうだ。

屈曲リフトは前述のように特殊なリフトとなる上にロープの曲げ回数も増えるためためメンテの手間がかかりランニングコストが高く、さらに屈曲部での振れ防止のために高速化が困難であり、同様の理由で2人乗り以上とする事も困難と思われるので普及しなかった。本リフトの建設時には、これは明らかになっていたはずで、野沢温泉の屈曲リフトは同じ頃には廃止されていた。それでも屈曲としたのは、トップ画像にあるようにベースとゲレンデトップを直線で結ぶと2基並んでいるシャンツェが支障となるため。しかし、今では画像でもわかるようにシャンツェのランディングバーンには草か雑木が生えており、少なくとも今シーズンは整備された形跡がない。このままシャンツェが廃止されリフトがリニューアルされる事になれば、屈曲式を採用する理由はなくなる。貴重なリフトを残すためにも、このシャンツェは長く現役でいて欲しい。

ARASHIYAMA06

山麓の原動緊張装置は安索の標準タイプだが、この終端装置は標準タイプと異なっている。

ARASHIYAMATICKET

当日は1回券で滑った。本格的な印刷で、光沢のある上質紙を使っている。伊ノ沢市民スキー場と共通券だ。

執筆日:2006年2月21日

ついに恐れていた事がおこりました。利用の低迷とリフトの老朽化により、2006年2月26日限りで嵐山市民スキー場の営業が廃止されました。もう、この屈曲式リフトに乗ることはできません。合掌
2006年3月7日追記

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コメント

屈曲乗りたい!」屈曲乗りたい!と駄々をこねたくなるほど屈曲良いですね。
今シーズンでいきなり廃止になったら末代まで後悔しそうです。

ちなみにらいちょうバレーの屈曲はどのコース沿いにあったのでしょうか?極楽坂スキー場には古いシングルの廃線が2本も残っていましたが、らいちょうバレー側には廃線跡らしき所は不明でした。

投稿: CSSSB | 2006.02.23 23:07

そうですよ、後悔しますよって、私は和賀スキー場屈曲シュレップの廃止でめげてます。茜も近くまで何回か行きながら行かなかった内に無くなりましたし。
カムイスキーリンクスが、実質的に市の関連設備になったわけですから、ここはリフトの寿命=スキー場の寿命になるような気がします。シャンツェに使った形跡がないのも気になります。さあ、今のうちですよ。
らいちょうバレーの屈曲は、現在の第5ペアの前身でした。ふと国土地理院の地形図閲覧システムを見ると、なんと未だに屈曲の線路が描かれてますね。URLはこちらです。
http://watchizu.gsi.go.jp/watchizu.aspx?b=363342&l=1372548

極楽坂も古いリフトがたくさん載ってるし、ええかげんな地形図ですなぁ。

投稿: こぶ | 2006.02.24 02:25

“ブン”と搬器ごと振り回される体験がしたいのですね。来年も残っていることを信じて・・・。

国土地理院の地図を掲載していただきありがとうございます。
第5ペアの途中からゴンドラ山頂駅に向けて林間コースが伸び、更に無駄なくらい広い平地もあったので、そこが屈曲とリフト降り場だったのかもしれませんね。
お答えありがとうございます。

投稿: CSSSB | 2006.02.24 22:04

ブンと搬器ごと振り回される体験なら、終点で乗り越せば・・ってダメか。夏山リフトや夏冬兼用の乗り越し検出は1/4周の位置にありますが、冬専用は回りきってからありますから体験できるはず。まっとうな係員がいればその前に止められてしまう可能性もありますが・・・以下自粛
ちなみに私は小学1年の時に鳥取砂丘リフトでやらかしました。
らいちょうバレーの山頂は、屈曲が無くなってから行ってない事に気が付きました。もう何年だろう(汗)

投稿: こぶ | 2006.02.24 22:45

CSSSBさん、残念でした。
@nifty鉄道フォーラム「鉄道の仲間たち」掲示板(会員制)の書きこみ(http://bbs.com.nifty.com/mes_s/cf_wrentT_m/FCTRAIN_B043/wr_sq=FCTRAIN_B043_0000000971)によれば、2月26日限りでスキー場が廃止されたそうです。最終日の様子は、旭川嵐山ビジターセンターのサイトに出てました。(http://www.h3.dion.ne.jp/~a.v.c.1/)
今シーズンいっておいてよかった

投稿: こぶ | 2006.03.07 03:10

(T T)/~

投稿: CSSSB | 2006.03.11 23:56

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