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2006.05.26

舘山寺ロープウェイ ~湖上横断路線

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舘山寺ロープウェイ
事業者名:遠鉄観光開発株式会社
公式サイト:http://palpal.entetsu.co.jp/rope/
所在地:静岡県浜松市舘山寺町
キロ程:723.75m
高低差:94.41m
支柱基数:1基
最急勾配:不明
輸送能力:899人/時
搬器台数:2台
速度:7.0m/s
動力:電気 150kw
許可年月日:1998年11月24日
運輸開始年月日:1999年4月24日
種別:普通索道
方式:三線交走式(2支索1えい索)
搬器定員:61人
山麓(遊園地):原動
山頂(大草山):
索道メーカー:日本ケーブル
搬器メーカー:CWA社
鋼索メーカー:不明

観察日:2006年4月16日

浜名湖の庄内半島の付け根の入り江「内浦」の南側にある舘山寺温泉から内浦を横断して対岸の大草山を結ぶロープウェイ。1960年に旧線が架設されたが、1999年に起点位置を移設して、若干長くした現在線が開業した。同社公式サイトには、この初代舘山寺ロープウェイを「湖上を渡る日本初のロープウェイとして」と書かれているが、レールファンの間で長期休業路線として知られていた(?)鹿児島交通のさつま湖ロープウェイ(2004年度廃止)は1956年開業でさつま湖を横断していたはずで、こちらの方が先だ。さらに、日本で2番目のロープウェイである大正博空中ケーブルは、上野公園不忍池を横断する路線であったので、不忍池も湖の一種とするならば元祖はこちらとなる。

舘山寺温泉は観光開発を目的として温泉を掘削し、1958年に開湯した新しい温泉地であるので、おそらくはロープウェイも開発計画の一環だったと思われる。筆者は旧線も何回か乗車している。旧線のスペックは以下の通り。

 キロ程:628m
 支柱基数:なし
 高低差:75m
 最急勾配:16度
 輸送能力:不明
 搬器台数:2台
 速度:3.6m/s
 動力:電気 55kw
 許可年月日:1960年4月1日
 運輸開始年月日:1960年12月15日
 種別:普通索道
 方式:三線交走式(1支索2えい索)
 搬器定員:61人
 山麓(舘山寺遊園地):
 山頂(大草山):
 索道メーカー:大和索道
 搬器メーカー:不明
 鋼索メーカー:不明

メーカーが大和索道というのが珍しい。同社は、現在でも大和索道建設として営業をしており、九州ではリフトの建設を続けているが、九州外では六甲有馬ロープウェイ裏六甲線(1970年製)が最後と思われる。

旧線の山麓停留場は、遊園地「パルパル」内にある丘の山頂付近にあり、ワンスパンで湖面を横断していた。そのため遊園地来園者以外の利用が見込みにくい状況であったので、新線では道路に面した場所に山麓停留場を設けた。

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ホーム上にあるガラス張りの部屋は運転室。これより山麓原動である事がわかる。
この右手が遊園地、奥側が県道であり、遠鉄バスの「浜名湖パルパル」バス停も近い。浜松駅と舘山寺を結ぶ路線は頻発路線で、これだけバスの便が良いロープウェイは珍しい。ロープウェイ及び遊園地に付帯の駐車場は有料だが、300mほど離れた場所に短時間利用のみの無料駐車場があるので、ロープウェイのみが目的ならこちらが利用できる。筆者ももちろんこちらを利用し、徒歩で停留場に向った。ロープウェイの運賃もJAF割で1割引なので、合わせればけっこうな節約になった。

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山麓停留場通路に掲示されていた諸元表。通路の幅が狭いので、真正面からは撮れなかった。

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湖畔近くに建てられている支柱を通過する搬器。旧線は支柱無しのワンスパンだったが、山麓駅の位置が地表に近くなったために支柱が必要となった。山形鋼の組み合わせでなく、丸パイプ鋼管の組み合わせである点が現代的に感じる。トラス支柱かと思ったが、よく見たらブレース併用のラーメン構造のようだ。

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搬器内の座席配置が独特だ。壁に沿ったベンチシートで、着席者は窓を背にして座るのが一般的だと思うが、このように外を向いて座る構造だ。観光ロープウェイらしい構造で、他所でも見習って欲しい。

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搬器内に設置されている運転制御装置。無線を介しての制御になる点がネックなのか、国内では営業運転での使用は認められていないようだ。保守作業には重宝するものと思われる。強風時の支柱通過には有効な装置だと思うので、実用化が望まれる装置だ。

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CWA社製である事を示すメーカースプレート。

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搬器銘板。

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2支索1えい索方式がはっきりと判る走行機のアップ。えい索との接合がソケットでない事もかろうじてわかるだろう。ただ、この角度では握索機の構造は良く判らなかった。上部にあるのは停留場内での集電装置と思われる。

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本線中から見た山頂停留場。左手の石造り風の建物はオルゴールミュージアムで屋上は無料展望台になっている。こちらまで車で来る事もできるが、国民宿舎の駐車場しかないため、ミュージアムや展望台に行くにはロープウェイでアクセスするしかない。国民宿舎の駐車場に停めて、こちらに行こうとすると、係員に呼びとめられて車の移動を指示されるそうだ。

すぐ近くの支索に付けられているのは懸垂索受。これが使えることが2支索方式のメリットだ。

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ミュージアム屋上の展望台から見た支索の引き止め。ドラムに巻きつけての引き留めに見える。正直言って、ロックドコイルの扱いは難しくてよく判らないので、これが一般的なやり方か、珍しいのか判断がつかない。平衡索は停留場内で垂直にホーム下に伸びていたので、地下に緊張装置があるものと思われるが、もしかしたら終端装置で山麓が原動緊張かもしれない。なお、交走式の山麓原動方式では、原動装置で駆動されない側も平衡索ではなくえい索と呼ぶと聞いたことがあり、実際、上で示した諸元表にも平衡索のスペックは書かれていないので、ここで書いた平衡索は間違いで、えい索になるのかもしれない。

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これは展望台から見た旧線の山麓停留場。現在でも遊園地のアトラクションに転用されて建物は現役のようだ。左下に遊戯鉄道「トマトーナのグルメトレイン」が走っているのが写ってる。

おまけ画像。
白鳥型ボートがロープウェイの下に並べられているのを見たときに、ある単行本の裏表紙のイラストが思い浮かんだ。それでつい撮ってしまった。雰囲気が似てると思うが・・・<どうでしょう。本を持ってる人

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執筆日:2006年5月26日

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