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2006.05.28

芦峅寺ペアリフト ~廃スキー場の廃線

Ashikurajipl01

芦峅寺ペアリフト
事業者名:立山町
公式サイト:http://www.town.tateyama.toyama.jp/gotate/gotate_ski.html
所在地:富山県中新川郡立山町
キロ程:351m
支柱基数:8基
高低差:71m
最急勾配:不明
輸送能力:1200人/時
搬器台数:不明
速度:1.8m/s
回転方向:反時計
動力:電気 37kw
許可年月日:1989年10月11日
運輸開始年月日:1989年12月25日
廃止年月日:2004年3月
種別:特殊索道
方式:単線固定循環式
搬器定員:2人 モデルE
山麓:原動緊張(油圧)
山頂:終端
索道メーカー:日本ケーブル
鋼索メーカー:不明

観察日:2006年4月18日

富山県立山町の町営芦峅寺スキー場のリフト。立山山麓三スキー場とは常願寺川の対岸という位置関係にあり、その規模から純然たる町民スキー場だったと思われる。2004年3月でスキー場が廃止され『平成16年版 鉄道要覧』には早くも記載がない。

現在、営業継続を協議中のらいちょうバレーゴンドラの様子を見に行った帰りにふと思い出して寄った。廃止後2年となるが、まだちょっとした整備で使えそうに見える。しかし、すっかり油圧シリンダーの圧力が抜けており、ロープが弛緩しているありさまは廃線である事を感じさせた。

建設時の正式名称は芦峅寺第2ペアリフト。といっても、第1ペアリフトがあったわけではなく、第1リフトというシングルリフトが1本架かっていたため。

Ashikurajipl02

営業中ではなかかアップが撮りづらいホームの運転スタンドを撮ってみた。日本ケーブルの可変速仕様の固定循環式リフトでは標準的なタイプ。製作年次によってモデルチェンジがあるのか、ランプの配置などで違いが見られるが機能などには大きな違いはないようだ。

上に上下2列に5つ並ぶパイロットランプは運転速度を表し、このリフトの場合、上段は左から「速度1 1.8m/s」「速度2 1.6m/s」「速度3 1.3m/s」、下段は左が「可変速」右の黄色のランプが「減速 1.0m/s」となっている。リフトによって、割り当ての速度は違うが、「速度1」がこのリフトの許可上の最高速度になっているので、リフト乗車の際にこのスタンドを読み取れば、設計速度がわかるわけだ。残念ながら他社ではここまで詳細な情報がスタンドで得られない。この速度1~3は、運転室内の運転盤のボタンで速度設定をする。「可変速」というのは運転盤のダイヤルで無段階で設定した速度で運転している状態で、営業中にはあまり見ない。保守などの際に、微速運転をするときに使うようだ。「減速」は運転盤でも設定できるが、このスタンドのスイッチでも減速運転に移行できる。

真ん中の大きな赤い円が非常停止ボタン、その下の小さなボタンが常用停止ボタン、最下部で2つ並ぶのは、左側の緑のボタンが「信号」で、確か停留場でブザーかベルを鳴らす。右側の黒いレバー状のスイッチが、減速と高速の切換で、高速側にすると運転盤で設定してある速度1~3のいずれかで動くという仕組みだ。

Ashikurajipl03

これがゲレンデの全景で、このリフトで行けるのは左側の低い位置までだった。右側のピークには前述の第1リフトが架設されており、その線路跡はこのように今でもはっきり判る。『鉄道要覧』には平成14年版まで第1リフトが掲載されていたが、スキー場ガイドでは、実業之日本社版では2002年シーズンから、山と渓谷社版では2003年シーズンからシングルリフトの記載が無くなっており、この頃からシングルの営業を取りやめたものと思われる。

このスキー場は、以前からシーズン以外は立山に物輸するヘリの基地としても使われており、現在でもヘリの発着が行なわれることがあるようだった。


執筆日:2006年5月28日


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コメント

富山地方鉄道からはっきりゲレンデが見えますね。植林などの復元が行われていないのは、ヘリの離発着場の関係もあるのでしょうか。廃止になると聞き最後のシーズンに訪問したいと思っていましたが叶いませんでした。ただ、訪問してもピークまではハイクアップだったんですね・・・。行けなかったスキー場が画像で見ることが出来ありがとうございます。

明淡高速船のコメントして頂いていたのですが、気付くのが遅れました。回答を自ブログにしておりますのでご笑覧下さい。

投稿: CSSSB | 2006.05.28 19:12

CSSSBさん、コメントありがとうございます。

自然公園法の縛りや国有林の借地などの条件がなければ、原状復帰は必ずしも義務付けられていないはずですので、放置されているのかもしれませんね。
ヘリの発着は、最後の画像の右側にあるセンターハウス前の平地で行なわれていますので、少なくとも第1リフトで滑っていた急斜面部やペアリフトの山頂付近は植林しても問題ないはずです。
町有地なら意外と長い間、このままかもしれませんね。

しかし、最後のシーズンに行こうとされていたとはさすがですね。私は、このリフトの建設中に様子をのぞきに行き、その後も1回か2回近くに行った時に寄ってますが、いずれもシーズンの前か後でした。その時にシングルの写真を撮っておけばよかった・・

投稿: こぶ | 2006.05.28 22:21

この記事とは関係ないですが、シャルマン火打スキー場のフードクワッドはどこのメーカーか分かりますか?

投稿: 索道趣味 | 2006.05.29 10:30

索道趣味さん、こんにちは。

リンクを掲載しているさいとーさんの「スキー場四方山話」によれば、クワッドはガラベンタ、ペアは太平だそうです。
ガラベンタは三菱重工の提携先ですが、太平が技術提携していたスタデリーがガラベンタと提携したようで、アサヒテングストンゴンドラは、太平-スタデリー-ガラベンタになっていましたので、もしかしたら太平経由で入ったガラベンタかもしれません。

投稿: こぶ | 2006.05.29 15:16

私は画像を見る限り、安索かとも思いましたが違いましたね。しかし、ガラベンダなんて聞いたこともない名前です。私が知っているのは

日本ケーブル:石打丸山で知った。
東京索道:須原で知った。
安全索道:かぐら(みつまた)で知った。
太平索道:かぐらで知った
川崎鉄工業:索道観察日記で知った。
三菱重工業:索道観察日記で知った。

投稿: 索道趣味 | 2006.05.29 16:01

索道趣味さん、こんばんは。

スキー場ブームが始った時代に国内に存在したメーカーは、以下の6社がありました。

・日本ケーブル(ドッペルマイヤー)
・安全索道(ポマガルスキー)
・東京索道(フォンロール)
・太平索道(ミューラー、スタデリー)
・小島製作所
・九州大和索道
  ※( )内は提携先、社名は当時

スキー場ブームにより以下の3社が参入してます。(参入時の社名)

・三菱重工業(ガラベンタ、リフトエンジニアリング)
・川鉄鉄構工業(ギラク)
・樫山工業(ライトナー)

メーカーについては、いずれまとめて記事にしたいと思ってます。

投稿: こぶ | 2006.05.29 20:23

そういえば、日本ケーブルの看板(リフトの乗り場・降り場についてるの)は
C Nippon ceble

の下になんか書いてありましたよね。

投稿: 索道趣味 | 2006.05.29 20:29

索道趣味さん、こんばんは。

そこには「system Doppelmayr」と書かれています。安索もゴンドラやクワッドでは「ANSAKU POMA」と書かれてる事がありますね。太平の例はこちらを、東索はこちらをどうそ。

投稿: こぶ | 2006.05.29 21:18

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