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2006.06.24

索道種別の通称

種別毎の説明の前に、索道種別の通称について整理しておこう。

索道を指す通称としては、前回の記事でも触れたように「ロープウェイ」「ゴンドラ」「リフト」がよく使われる。「ロープウェー」や「ゴンドラリフト」と呼ばれることもある。稀な例では「テレキャビン」「ケーブル」という名称もある。

○ケーブルカーは索道か?
世間には索道を「ケーブルカー」と呼ぶ人もおり、一部の国語辞典でも「索道」の説明として「ケーブルカー」をあげているが、筆者はこれは誤用だと思う。前述のように「空中ケーブル」「ケーブル」を名乗った事業者はある(あった)が、索道をケーブルカーと自称する事業者を筆者は知らない。なお、非常に微妙な例として、晴遊閣大和屋ホテルの「空中ケーブルカー」という表現がある。

やはり、ケーブルカーといえば鋼索鉄道・・・レールの上を、ロープ(ケーブル)に引っ張られた車両が移動する鉄道= cable railway を指すのが一般的だと思う。なお鋼索鉄道を意味する英語には funicular もある。

戦前には「男山索道」「別府遊園地索道」という「索道」を会社名一部に入れた鋼索鉄道事業者が2社あったが、両社とも開業後1~2年で「男山鉄道」「別府遊園鋼索鉄道」と社名を変更しており、これは索道と鋼索鉄道は別物という認識が一般的であったことの傍証といえよう。

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ケーブルカーの例:京阪男山ケーブル(開業時は男山索道)

ちなみにロープウェイの英文表記は ropeway だが、cableway という単語もあるようだ。さらに tramway とも呼ばれるらしい。架空索道と同様に、空中にあることを強調する表現としては、aerial ropeway とか aerial cableway がある。

ケーブルカーとロープウェイの違いなど、通称の話なので目くじらをたてるような事ではないが、本ブログにどういうキーワードで検索して来られたのかアクセス解析を見ていると、ときどきケーブルカーとロープウェイを混同し、適切なキーワードを設定されずに検索している例が見受けられるので触れておく。

○ロープウェイとゴンドラの微妙な関係
あと難しいのが「ロープウェイ」と「ゴンドラ」の違いだ。索道の種別としてのゴンドラは「ゴンドラリフト」の短縮形だ。しかしゴンドラには、搬器自体や搬器の客車部分の通称でもある。スキー場ではゴンドラリフトをゴンドラと呼ぶのが一般的なので、索道の種別としての“ゴンドラ”という呼び名がすんなり受け入れられているが、スノースポーツに縁遠い人には、“ゴンドラ”とは乗客を乗る箱という認識が一般的なようで「ロープウェイのゴンドラが新しくなった」というようなマスコミ報道を目にすることも多い。筆者としては、箱を差す場合には「キャビン」とでも表現したほうが違和感を感じる人が少なくなると考える。

それはさておき、ゴンドラとロープウェイの使い分けだ。前述のように、索道の種別としてのゴンドラは、単線自動循環式普通索道いわゆるゴンドラリフトに対する呼称として使われ、交走式普通索道をゴンドラと呼ぶことはまずない。前述の晴遊閣大和屋ホテルの往復式普通索道「空中ケーブルカー」が“夢のゴンドラ”とも称しているのが例外だと思う。単線自動循環式が登場する以前の類似の形式複線自動循環式ではロープウェイと称するのが一般的であった。

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ゴンドラの例:安比ゴンドラ

このような状況から、広義の「ロープウェイ」は普通索道を指し、狭義の「ロープウェイ」は交走式(ないしは支索と曳索を用いる方式)を指すと考えるのが妥当と思われる。

プリンスホテル(旧コクド)系では、狭義のでの分類をしっかりと守っており、交走式の苗場ロープウェーを自動循環式に架け替えた際には苗場第2ゴンドラと名称を変更しており、逆に八海山ゴンドラや富良野ゴンドラを交走式に架け替えた際にはロープウェーと名称変更している。

このような状況から、広義の「ロープウェイ」は普通索道を指し、狭義の「ロープウェイ」は交走式(ないしは支索と曳索を用いる方式)を指すと考えるのが妥当と思われる。

プリンスホテル(旧コクド)系では、狭義のでの分類をしっかりと守っており、交走式の苗場ロープウェーを自動循環式に架け替えた際には苗場第2ゴンドラと名称を変更しており、逆に八海山ゴンドラや富良野ゴンドラを交走式に架け替えた際にはロープウェーと名称変更している。

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ゴンドラからロープウェイに架替の例:八海山ロープウェー

一方、ロープウェイやケーブルという名称で営業していた複線自動循環式の単線自動循環式への架け替えにあたっては、名称をゴンドラと改めたケース(東館山ゴンドラなど)とロープウェイやケーブルという名称を継承しているケース(かつらぎ山ロープウェイや蔵王スカイケーブルなど)の双方の例がある。
さらには、まったくの新設の単線自動循環式ながらロープウェイを名乗る(った)内海フォレストパークロープウェイ御岳ロープウェイという例もある。また、草津の白根火山ロープウェイは単線自動循環式に架替時には、白根火山ゴンドラリフトで申請しているが、営業上はロープウェイを使い続けている。

執筆日:2006年6月24日

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