« チャオ御岳スノーリゾート フライングチャオ ~JR東海系のゴンドラ | トップページ | チャオ御岳スノーリゾート 第1デュオ »

2006.06.07

奈良ドリームランド スカイウェイ ~夢の国はもう目覚めない

Naradreamrw01

奈良ドリームランド スカイウェイ
事業者名:株式会社ドリームパーク
公式サイト:http://www.nara-dreamland.co.jp/
所在地:奈良市法蓮佐保山二丁目
キロ程:452m
支柱基数:4基
高低差:0m
最急勾配:不明
輸送能力:240人/時
搬器台数:57台
速度:1.5m/s
回転方向:時計
動力:電気 15kw
許可年月日:1961年6月30日
運輸開始年月日:1961年7月1日
種別:普通索道
方式:1支索2曳索三線自動循環式
搬器定員:4人
奈良坂駅:原動停留場 車庫線
法蓮町駅:緊張停留場 車庫線
索道メーカー:安全索道
搬器メーカー:不明
鋼索メーカー:不明

観察日:2006年5月31日

2002年春のスキー場巡りのレポートの途中だが、緊急?レポートをお送りする。

右側の「索道ニュース」に掲載したとおり奈良ドリームランドの閉園が決まった。ここには三線自動循環式普通索道の「スカイウェイ」があったが、ひっそりと3月頃に運休しており、実質的に一足先に永眠してしまったようだ。昨年頃から悪い予感がしていたので、行こうとは思っていたのだが、雪がある間はスキー場を優先していたのがあだとなった。こうなる事が判っていれば、奥美濃への行き帰りの途中にでも寄ればよかった。

悔いていても始らないので、ホームページで配布している入園無料チケットの最終日である5月31日に出かけてみた。この入園無料チケット、閉鎖が発表されたのでもう配布を止めるかと思っていたら、現在、7月2日まで有効のバージョンが配布中である。週末のみの営業であるがお手軽にお名残り入場のチャンスだ。

今回は筆者にしては珍しく電車で向った。このところ寝不足気味だったので、寝ていこうという魂胆があったのと、駐車料金が1200円と効果なのが車を敬遠した理由。JR奈良駅から近鉄奈良を経由するバスは複数の系統がドリームランド前を通るので、本数はそこそこあるが、どうも時間帯に偏りがあるので、バスで行かれる方は調べておいた方がよいだろう。

トップ画像の岩山をトンネルで抜ける線路は、カリフォルニアのディズニーランドを意識していたのは誰の目にも明らか。下のモノレールも2~3年前に運休してしまい、復活する事無く閉園になる。

Naradreamrw05

これが衝撃的な告知だ。しかし、筆者の注目は最下段の1行“索道ドリームランドロープウェイ”だ。一般利用者向けの呼称で「索道」を使うのは珍しい。

Naradreamrw02

高低差が無いので、山麓停留場・山頂停留場とも呼べずどちらが起点でどちらが終点かもわからずどう表現するか迷っていたら、『日本近代の旅客索道』(コロナ社)の巻末資料に、区間を「法蓮町~奈良坂」と記載されているのを発見。園外の地名から類推して、北側に位置するこちらが奈良坂駅と思われる。原動装置はここにある。右側にあるのは木造ローラーコースターの「飛鳥」。

このように複線自動循環式では1号柱・最終柱にあたる構造物が停留場機械と一体化されており、出枠と呼ばれる。この出枠に不自然な勾配がある構造が見て取れるが、これは試験勾配と呼ばれ、握索機がロープを確実に握索したかどうかを確認するために設置されていた。不確実だと、ここで滑って出発できないという仕組みだが、乗り心地の上ではあまりよい構造とはいえない。単線自動循環式にはあまりない構造であるが、この名残で1号柱・最終柱を出枠と呼ぶ関係者も少なくない。

Naradreamrw021

さて、奈良坂駅では乗り場入口・出口はともに階段下でロープが張れているので、停留場内部の様子はよく見えないが、外周列車から見ると、このようによく見えた。スカイウェイ見学のために外周列車に乗ることをお勧めする。

Naradreamrw03

支柱銘板が地上近くにあるのも珍しい。奈良坂駅~1号柱~人工岩山~4号柱~法蓮町駅という並びなので、起点は奈良坂で、人工岩山内に支柱が2本ある事がわかる。支柱は、コンクリート製。日本ケーブルのゴンドラ・クワッドに使われていた鋼板製角錐形支柱によく似たシルエットの角錐形だ。

Naradreamrw04

こちらが法蓮町駅。左側に見える出口に通じる階段は、やはりロープが張られて入れないが、右側にある(画像では写っていない)階段は、上に出した「営業終了」の看板は掲出されているが閉鎖はされていない。ここの上にある乗り場前の広場には、比較的新しいテーブルと椅子が置かれており、休憩している人もいたので立ち入り禁止ではないと判断して上がってみた。どうもこの広場は、外周列車の廃駅「幻想の国ステーション」の跡地&駅前広場跡のようだ。つまりスカイウェイは駅前ロープウェイだったのだ。

Naradreamrw06

乗り場はこういう感じ。これぐらい離れて見ると、デザイン的に少々古く臭いものの搬器は綺麗で、窓も大きく、快適そうに見える。

Naradreamrw07

ただ、アップで見るとちょっとくたびれて見える。

Naradreamrw08

これが握索機部分のアップ。握索装置は重力式とねじ(スプロケット)式なので、左側がねじ式と思われる。

Naradreamrw09_1

興味深かったのが、この概念図。交走式ロープウェイでは見たことがあったが、三線自動循環式では初めて見た。・・・といっても、筆者が実際に乗った三線自動循環式は伊豆長岡かつらぎ山と宮島だけなので、サンプル数が少なすぎるのだが。

入園料を払ってまで休止ロープウェイを見るのに抵抗がある人は、前述の無料チケットが使える期間がラストチャンスだ。

執筆日:2006年6月7日

« チャオ御岳スノーリゾート フライングチャオ ~JR東海系のゴンドラ | トップページ | チャオ御岳スノーリゾート 第1デュオ »

コメント

スカイウェイの詳細なレポートありがとうございます。近々に私も訪問したいと思います。
表現は変ですが、握索機に三線循環の特徴が良く出ていますね。

投稿: CSSSB | 2006.06.12 01:13

CSSSBさん、コメントありがとうございます。

おっしゃるとおり、「方式の違う握索機を備えなければならない」という索道規則時代の三線自動循環式普通索道の特徴が分かりやすいハンガー部分だと思います。

投稿: こぶ | 2006.06.12 18:44

30年前にスカイウェイで、アルバイトをしていました。懐かしいです。

投稿: みやちゃん | 2010.10.14 23:57

奈良ドリームランド 特別番組:
http://abandonedkansai.wordpress.com/special-nara-dreamland/

投稿: 浩治 | 2011.01.22 23:14

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)




トラックバック


この記事へのトラックバック一覧です: 奈良ドリームランド スカイウェイ ~夢の国はもう目覚めない:

« チャオ御岳スノーリゾート フライングチャオ ~JR東海系のゴンドラ | トップページ | チャオ御岳スノーリゾート 第1デュオ »