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2006.07.08

索道の種類~複線交走式普通索道(2)

さて、先日分の続き。

◎複線交走式の各部名称
○搬器
索道において、旅客・貨物を載せる部分を「搬器」と呼ぶ。リフトなら椅子、ロープウェイなら箱の部分だが、それだけではなくロープからぶら下がる腕の部分や交走式ロープウェイでは、鉄道車両の台車に相当する走行装置を含む。

Jigbackcabin
交走式搬器の例(田代ロープウェー:新潟県)
 A:走行装置(走行機)
 B:懸垂機(サスペンダー)
 C:客車

走行装置は、支索の上を走るための車輪である走行輪やそれを固定するビームなどで構成され、ロープと固定するための握索機かロープソケットの固定装置もここに組み込まれる。

走行装置と懸垂機はピンにより接続されているため、ロープ勾配が変わっても客車は常に水平に保たれる。長すぎる懸垂機は動揺の原因になるため、できる限り短いほうが好ましいが、客車が大きければ大きいほど、またロープ勾配が急であればあるほど、ロープと客車の距離を大きく取らないと両者が接触する可能性が高いため、長い懸垂機となる。つまり、一見、単純な部材に見えるが、実は線路条件によって異なった設計の部材なのだ。

客車は乗客に接する部分だけに、デザインなどにも気を使う部材で、索道メーカーではなく、専門メーカー(国内では鉄道か特殊自動車の車体メーカー)が製作するのが一般的だ。最近ではスイスなどヨーロッパの索道搬器や鋼索鉄道車両の専門メーカーの製品を輸入して採用する例が増えている。

○支柱

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湯田中ロープウェイ

大きな荷重がかかり、また支柱高も高いことが多い交走式の支柱本体は、この画像のような山形鋼などの鋼材を組み上げたトラス構造が一般的だ。

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有珠山ロープウェイ

複線交走式の支柱では、この緑色の矢印で示したような部材・・上面が緩い曲線となった支索サドルで支索を支えている。支索サドルには、支索を載せる溝が切ってある支索シューが取り付けられている。以前の支索シューは鋼材の削りだしだったそうだが、最近ではナイロン製が多いようだ。支索は曳索のように回すことはないが、ロープ自体が経年変化や温度変化で伸縮したり、搬器の位置によって動くため、支柱に固定してるわけではなく、シューの上を滑る。

左右の赤い矢印の位置をみれば、搬器のある側で支索は支索サドルに密着しており、ない側で浮いているのがわかるだろう。

このため支索サドルの長さや曲率は、ロープウェイの乗り心地に影響がある。支柱通過時に減速や加速を感じるのは、主に支索サドルの形状による。したがって、複線式索道では、支柱通過速度に応じた支索サドルの設計が必要である。国内で、最初に最高速度を10m/sとしたのは雲辺寺ロープウェイであるが、ここは10m/s対応の支柱ではないために支柱通過時は減速が必要であり、最高速度で運行できるのは、上下の搬器が支柱を通過しない中央部のみにとどまっている。八海山ロープウェー富良野ロープウェー10m/sで支柱を通過できる設計になっている。

執筆日:2006年7月8日

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