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2006.07.28

索道の種類~単線固定循環式特殊索道(1)

特殊索道とは椅子式搬器の索道・・つまりいわゆるリフトで、単線固定循環式とは椅子が一定の間隔でロープに固定されているシステムである。つまり、たいていのスキー場に存在する一般的なリフトの法令上の正式名称が単線固定循環式特殊索道である。

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単線固定循環式特殊索道:ヘブンスそのはら第6ペアリフト(国内最短索道)

本方式では椅子式の搬器が、握索機により搬器の重量を支えつつ回転するエンドレスのロープ(支曳索)に、一定の間隔で固定されている。古いリフトでは様々な形式の握索機があったが、現在ではバネによって握索力(ロープを掴む力)を得るものが一般的である。使われるバネは、コイルバネか皿バネが多い。
定員が3名以上のリフトではセフティーバーが標準装備され、ペアリフトでも非常制動時に揺れが大きい比較的速いリフトなどでもセフティーバーが付けられる事がある。さらに長時間乗車の長大路線ではフットレストも付けられる事がある。余談になるが、ペアリフトではフットレストを付けるとセフティーバーも付属するが、シングルリフトではフットレスト付きはあったが、セフティーバー付きは無かった。

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単線固定循環式特殊索道搬器:阿寒湖畔スキー場ペアリフト

停留場は動力源(ほとんどがモーターである)がある原動停留場とロープに張力を与える緊張停留場がある。原動停留場の原動滑車をモーターで回しロープを回転させる一方、緊張停留場の緊張滑車を引っ張る事でロープにテンションを与え、原動滑車でロープが滑ったり、必要以上にロープが弛んで地面に接触したり、支柱の索輪から外れることを防止する。現在のリフトでは、原動装置と緊張装置を兼ねるケースが多く、この場合、反対側の停留場はロープが折り返すだけになるので、終端停留場とか折返停留場と呼ばれ、滑車も終端滑車とか折返滑車と呼ばれる。

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原動緊張装置(停留場):五ケ瀬ハイランド第2ペアリフト

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原動装置(停留場):箱館山第5リフト

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緊張装置(停留場):しゃくなげリフト

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終端装置(停留場):大山 上の原ハイペアリフト

循環式索道のエンドレスロープは、工場でエンドレスロープとして製作されるわけではなく、長いロープの端をつないで輪にする。以前はつなぎ目は1箇所しか認められなかったので1本のロープの両端をつなぐしかなかったが、現在では法令が改定され、複数のつなぎ目が認められるので2本以上のロープをつないで、より大きなエンドレスロープが可能となった。ロープの接続は、ロープをいったん解いて、ストランド(ロープを構成する細いロープ状の部材)を1本ずつ相当の長さで撚り込む「ロングスプライス」という技法を用いて行われる。この技法では、つなぎ目の強度低下は認められず、特に熟練した技術者によるロングスプライスは、よほど注意深くストランドを1本ずつ見ないと見つけられない。ただし、並みの技術者による場合は、ストランドの撚り込み位置でわずかにロープの径が大きくなっている。そのため、搬器取付位置は、このストランドの撚り込み位置を避ける。

固定循環式では、ロングスプライスの付近に1号搬器を取り付けるのが一般的であるので、ロープのつなぎ目に興味がある人は、1号搬器付近(リフトによって違うが3~4号搬器ぐらいまで)に乗ることがあればその前後を見ればストランドの撚り込みを見つけられるだろう。

執筆日:2006年7月28日

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コメント

2003年5月にNSAA(National Ski Areas Asociations)の年次総会に出席の際、さよならパーティで同じテーブルに座った人の名刺には、
「CSO(スプライス責任者)」
って書いてありました(爆)
ちなみにワイヤの価格(スプライス込み)は、東京製鋼の半額(米国内作業の場合です(笑))、「ストランドの撚り込み位置でわずかにロープの径が大きくなった」
場合は、返品可(当然やり直しもする)と言ってました。
岩原のかつての同僚(脳内出血で一時60度くらいの範囲の視認識を失い、岩原退職。回復した現在は不定期にNC社下請け企業でアルバイト。鈴木のとっちゃんの弟子でもある)が作った「スプライス専用工具(青銅器時代のドンコのような形状)の話をしたら、
「是非一度、日本で鈴木のとっちゃんとその弟子と、スプライス合戦したい(爆)」
と言ってました(笑)

投稿: ぐでん2 | 2006.07.28 23:38

ぐでん2さん、コメントありがとうございます。

職人気質は洋の東西を問わないわけですね。私がロングスプライスの現場をまともに見た事があるのはゴンドラとクワッドだけで、どこも綺麗に仕上がってました。しかし、ときどき少々離れていてもスプライスがはっきり判ることがありますね。ゴンドラはスプライスを握索しない規制装置がありますが、これの無いデタッチャブルリフトでは、スプライスの出来が悪いとスプライス部を掴んで不完全握索検知に引っかかり停止することがあるみたいですね。上越地方の某スキー場でしょっちゅう止まるので原因を聞いたら、スプライスの出来が悪かったと言ってました。

投稿: こぶ | 2006.07.29 14:58

こんにちわ。
突然のコメントで失礼致します。
この度、新規に旅行・観光専門のブログサイトを立ち上げました。
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投稿: kashi:gi-taスタッフ | 2006.08.02 13:30

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