« 索道メーカー 日本ケーブル ~機械について(2) | トップページ | 索道メーカー 日本ケーブル ~機械について(4) »

2006.08.22

索道メーカー 日本ケーブル ~機械について(3)

◎趣味的な見地から見た機械の特徴(3)

○停留場機械

索道で搬器の次に目に付くのは、停留場機械だろう。交走式は特徴が見出しにくいので、ここでは循環式に絞る。

■単線固定循環式特殊索道

固定循環式特殊索道・・いわゆるリフトの停留場機械は、現在ではオーバーヘッドドライブ形原動緊張装置と終端(折返)装置という組み合わせが、どのメーカーでも一般的だ。

□原動緊張装置
日本ケーブルのオーバーヘッドドライブ形原動緊張装置は、その脚の数により2コラム形・3コラム形・4コラム形があり、それぞれ対応する最大出力が異なる。最大勢力の2コラム形及び3コラム形には、モーターと減速機を覆う最低限の機械カバーのタイプと、中で人が作業できるスペースを持つ機械室タイプがあり、後者を「DX(デラックス)カバー」と呼んでいる。新しいリフトではこちらしか見ないような気がするので、今ではこちらが標準タイプかもしれない。

Nc2cdrive_1
2コラム標準カバー:猪苗代リゾート第2ペア
初期のタイプは、これよりも小さなカバーだった。(参考記事

Nc2cdxdrive_1
2コラムDXカバー:ダイナランド第6ペア
2/3コラム形の緊張方式はこれらの油圧式のほか重錘式もあり、その場合は後ろ側の脚に沿う形で重錘室が設置される。
日ケの特徴は、他社では1輪が多い原動滑車手前の受索輪が2輪であること。(矢印部)
さらに初期のタイプを除き、2輪の内1輪の輪心を赤色に塗装した鉄製としており、これでロープ速度を検知し、乗車規制装置の信号を切り替えるタイミングを変えてる。速度検知を行わないタイプでは、搬器の接近検知だけで切り替えるので、減速運転では必ずしも良いタイミングではなかった。

Nc3cdrive_1
3コラムDXカバー:ダイナランド第1ペア
これは山頂停留場に設置された例だが、山麓に配置のほうが一般的だ。むろん2コラム形を山頂に設置することも可能である。(参考記事

新形1コラム原動緊張装置
3コラム(トリプル用):スキージャム勝山イリュージョントリプル
上述のペア用に比べ機械カバーが大型で前脚の構造も異なる。トリプル用の仕様なのか、ペア用も含めてのモデルチェンジか不明。

Nc4cdrive_1
4コラム形:ニセコアンヌプリファミリーペア
この4コラム形も重錘式緊張が可能らしいが、筆者は見たことがなく、どの位置に重錘室が置かれるのか判らない。

Nc4cpdrive_1
4コラム形パラレルリフト用:テイネオリンピア白樺第1リフトA/B線
通常のパラレルリフトでは、支柱は共用でも原動緊張装置は別個(連絡通路があるケースはある)であるが、4コラム形では内側の脚が競合するので2台を合体させ6本脚で2台の原動緊張装置としている。同様の方式で5本脚となる3コラム形がベースのパラレル用原動緊張装置があっても良いように思うが、筆者は見たことがなく、実存するかどうかはわからない。

Ncpdrive_1
ポータルドライブ:トマムLIFT1
4コラム形と良く似ているが脚とフレームが一体のラーメン構造になっており、ポータルドライブという名称らしい。こちらの方が古いタイプなので、これのモデルチェンジが4コラム形と思われる。

近年はリフトの新設数が少ないので、完全にモデルチェンジをしたのか、新タイプの追加や特殊仕様なのかよくわからないが、1コラム形のオーバーヘッドドライブ形原動緊張装置を大山豪円山第2ペアリフトで発見した。
さらに同第3ペアリフトB線はペデスタル形の小型の原動緊張装置で、これも近年登場したタイプである。(8月24日追記)

□固定原動装置
原動緊張装置が開発されるまでは、固定原動が一般的だったため、いろいろなタイプがあり、古いタイプでは筆者もメーカーの違いがはっきりわからない。
原動緊張装置が一般化した現在では、受電しやすい位置において地形的な問題などで十分な停留場長が取れず原動緊張装置とする事が難しい場合などに、固定原動装置が用いられる。

Ncpfdrive_1
ペデスタル形原動装置:柳津温泉第1リフト
コンクリートの架台の上にモーターや減速機が置かれ、減速機の直上に原動滑車を配置する構造。他社も似たような構造であり、メーカースプレートなしで見分ける自信は筆者にない。

Nc1cfdrive_1
オーバーヘッドドライブ1コラム形原動装置:蔵王菖蒲沼第1トリプル・第2ペア
標準カバーとDXカバーの同タイプの固定原動装置が並ぶ。固定原動装置の設置事例はそれ程多くはないので、けっこう珍しい事例と思われる。

Nc3cfdrive_1
オーバーヘッドドライブ3コラム形原動装置:カムイスキーリンクス第5リフト
1コラム形に門形の後脚を付けたような構造。

□終端(折返)装置
原動緊張装置と対で用いる。初期のタイプは、安索の終端装置にやや似ているA-マスト形であったが、比較的早い時期に現行のポストフレーム形にモデルチェンジした。

Ncnrt_1
ポストフレーム形:稚内公園第1リフト
山頂停留場で用いるケースが多いが、山麓に設備される場合もある。その場合は、索輪を利用した乗車規制装置の制御も行われる。年代によって、振れ止めの形状など細かな点での違いはあるが、長い間モデルチェンジをしていない。

□緊張装置
固定原動装置と対で用いられる。原動緊張装置が開発されるまでは、固定原動が一般的だったため、いろいろなタイプの緊張装置があり、古いタイプでは筆者もメーカーの違いがはっきりわからない。

ペデスタル形緊張装置
ペデスタル形:伊吹山三合目リフトA・B線
原動緊張装置が登場してからも使われた比較的新しいタイプの緊張装置。重錘室が前後の脚の間にあり(画像のタイプでは壁があるので前後の脚と一体化して見える)機械の全長が押さえられている。

Ncntentiont
新形緊張装置:カムイスキーリンクス第5リフト
ペデスタル形緊張装置を1本脚にしたような構造で斜めになった脚のすぐ後・・緊張滑車の直下が重錘室になっている。この例では山麓停留場で使われているが、山頂停留場の直進降車により適した緊張装置として設計したものと思われる。

■単線自動循環式特殊索道(デタッチャブルリフト)
停留場機械の内部構造は、メーカーによる差異は大きいのだろうが、ゆっくり観察する機会も少なく、はっきり行って特徴が分類できるほどよくわからない。そこで基本的に、外観にポイントを絞る。

以前に書いたように、日ケと安索のデタッチャブルトリプルの第1号は同時に建設された。この時点では、両社の仕様は対照的だった。

日本ケーブル
 建屋式 車庫線あり

安全索道
 機械カバー式 車庫線なし

しかし、建設基数が増え、メーカーも事業者もデタッチャブルリフトに慣れると、似通った仕様の設備も現れ、両社でよく似たデザインの機械カバーも登場した。

アルツ第7クワッド
デタッチャブル機械カバー式停留場:アルツ第7クワッド
細かい点で差異はあるが、1990年代初期までの機械カバー方式は、このデザインが一般的だった。

木島平池の平第1クワッド
ETタイプ機械カバー式停留場:木島平池の平第1クワッド
1990年ごろに登場したETタイプの機械カバー。しばらくは旧形と併用されていたが、90年代中にはこちらが標準になったようだ。原動機などが納まっていると思われる中央部のドームの形状や大きさでいくつかのバリエーションがあり、その解明は目下筆者個人の研究テーマだ。

ホワイトピアたかす第2クワッド
新形機械カバー式停留場:ホワイトピアたかす第2クワッド
近年、登場した新形の機械カバー。目下のところ、2002年建設が筆者の確認できた最も早い登場事例だが、いつの登場か正確にはわからない。

■単線自動循環式普通索道(ゴンドラ)
ほとんどが建屋方式の停留場で外観での分類はほとんど不可能だ。リフトに比べると、重錘緊張方式が比較的多く見られるが油圧緊張も少なくない。古いタイプでは原動緊張方式が多く、巨大なモーターや減速機が台車状の枠に乗せられている様子が見られるが、これは他社でも似たようなシステムでメーカー間の差異はあまり感じられない。

(つづく)
執筆日:2006年8月22日
追記:2006年8月24日(新形原動緊張装置に関して)

« 索道メーカー 日本ケーブル ~機械について(2) | トップページ | 索道メーカー 日本ケーブル ~機械について(4) »

コメント

油圧緊張器のメモリのはかり方教えてしださい。

投稿: 中村正 | 2019.01.16 21:21

油圧緊張器のメモリのはかり方教えてください。

投稿: 中村正 | 2019.01.16 21:25

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)




トラックバック


この記事へのトラックバック一覧です: 索道メーカー 日本ケーブル ~機械について(3):

« 索道メーカー 日本ケーブル ~機械について(2) | トップページ | 索道メーカー 日本ケーブル ~機械について(4) »