索道メーカー 日本ケーブル ~索道関連分野での実績
日本ケーブルの特徴として、スキー場を中心とする索道経営など関連事業にも力を入れている事が上げられる。
会社創設期から縁がある岩原スキー場の運営は、今では直接に関わっていないようだが、石打丸山スキー場のリフトの一部を関連会社である大生総業(株)が経営する。同社は、関温泉スキー場も運営している。索道関係以外では、東京都内などで駐車場やオフィスビルの経営も行っており、日本ケーブルの多角経営の要となっているようだ。ちなみに読み方は「たいせいそうぎょう」であって、けっして「おおなま」でも「だいなま」でもない。
※関温泉スキー場のリフトは、2005年9月22日付で(株)妙高に譲渡 (株)妙高と日本ケーブルの関係は不明。後述の通り、2007年10月にスプリングバレー泉高原を引き継ぎ。
他にスキー場運営を行う関連会社として、泉高原スプリングバレースキー場を経営する仙台市との第3セクターである泉高原(株)、八幡平リゾートスキー場を運営する東北リゾートサービス(株)、サンメドウズ大泉清里スキー場を運営する清里ハイランドパーク(株)を持つ。今年の春ごろまでは、ヤナバスキー場を経営する(株)ヤナバが日ケのサイトに掲載されていたが、いつの間にか掲載がなくなった。日ケの傘下を離れたのか、大生総業などの他の関連会社と合併したのか不明である。
※泉高原(株)の仙台市出資は2002年に解消。2007年10月にスキー場を大生総業に譲渡し、11月30日までに仙台地裁に特別精算を申し立てた。
※(株)ヤナバは、平成18年版鉄道要覧では日本ケーブル社長が代表者を務めているが、平成19年版では、会社所在地が現地に移り、代表者が交代している。したがって、日本ケーブルの傘下を離れた可能性が強い。
スキー場以外の索道経営は、伊豆長岡でかつらぎ山ロープウェイやドライブインなどを経営する大日(株)を持つほか、前述の清里ハイランドパーク(株)は神戸市の新神戸ロープウェイの指定管理者となっている。指定管理者といえば、湯沢温泉ロープウェイも日本ケーブルを指定管理者とする方向で調整中のようだ。
※2006年12月議会で、湯沢温泉ロープウェイ・布場・湯沢高原スキー場共々、日本ケーブルの関連会社であるスノーリゾートサービス(2001年9月16日設立)に2007年4月1日から、賃貸する議案が可決され、2007年3月27日付で索道事業許可が譲受された。
あと、つくば科学万博で世界初の8人乗りゴンドラを出展運営を行い好成績を収めたのをきっかけにしてか、博覧会での自社運営での出展に熱心であり、安索と共同企業体を組んだ大阪花博、和歌山リゾート博、うつくしま博、山口きらら博、愛知万博のモリゾーゴンドラ・同キッコロゴンドラで出展運営している。
他に関連する副業としては、山岳リゾートのコンサルタントとして多くの実績を残すカナダのエコサイン・マウンテン・リゾートプランナーズ社と提携関係を持ち、合弁でスキープランインターナショナル社を1980年代後半に設立し、多くの大規模リゾートの開発に立案段階から関わってきた。ホイチョイプロダクションの「見栄スキー」で取り上げられ、「スキーマップル」でも紹介されたスキーヤーの満足度を数値化したV.T.M.という概念を広く紹介したのは同社の功績であり、総合的な提案力の重要性にはやくから着目したことが、バブル期の躍進につながったのかもしれない。
さて、日本ケーブルの記事はこれで終わり。次回からは安全索道を取り上げたい。
執筆日:2006年8月28日
加筆修正:2007年12月15日
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コメント
関温泉は、運営に関して何か動きがあるみたいですよ。
投稿: ぐでん2 | 2006.09.01 10:23
ぐでんさん、コメントありがとうございます。
関・燕といえば、豪雪のスキー場として名が知られていましたが、燕はコクドに見放され、関もなにかの動きがあるのですか・・
注視するようにします。
投稿: こぶ | 2006.09.02 13:02
スキー場経営関連のブログ記事書いたので、トラッバらしていただきました。
投稿: ぐでん2 | 2006.09.26 16:22
ぐでん2さん、トラバありがとうございました。記事は興味深く拝見しました。戦術はあっても戦略がないリゾートが多いのが実態なのでしょうね。あと、スキーリゾートに限りませんが、入り込み客数や売り上げ金額にこだわりすぎて、採算性を軽視するというのが、リゾートのみならず日本の多くの企業で見られる問題点だと思います。
投稿: こぶ | 2006.10.04 23:28