索道メーカー 日本ケーブル ~会社の概要
日本ケーブル(株)は、現在、国内最大の索道メーカーである。
日本ケーブル・システムというよく似た名前の上場会社が兵庫県宝塚市にあり、ときどき混同している人があったが、縁も所縁もない会社で、そちらは2006年5月1日付でハイレックスコーポレーションと改称したので、これからは間違われることはないだろう。
2005年3月期決算の売上高は193億円で、業界全体が縮小しているなか善戦している。主力の索道事業の復調の見通しが立たない中、機械式立体駐車場を主力とする索道以外の機械製品にも力を入れているようだ。
創業の地は東京都中央区日本橋だが、後に東京都江戸川区に本社工場を建て本社も同地に移転した。1980年代後半に1981年12月に本社工場を千葉県習志野市に移転、江戸川区には本社のみ残ったが、その本社も1990年代に東京都千代田区へ移転した。習志野の本社工場は京葉線新習志野駅の海側で、以前は電車からよく見えたが、今では千葉県国際総合水泳場やハイパーモールメルクス新習志野などの影で駅付近からは見えにくくなった。余談だが「江戸川区 日本ケーブル」で検索するとダイエーが入居するNCビルというのが出てくるので、旧工場の跡地はダイエー西葛西店として賃貸していたようだが、同店はダイエーリストラのために閉店されており、今後は不明だ。(この段、8月19日修正)
地方の営業拠点は、札幌・山形・越後湯沢・大阪に支店を、新潟・福岡に営業所を、長野・高山にサービスセンターを置く。
索道が好景気な頃は、札幌・仙台・新潟・長野が支店で、大阪・福岡が営業所、山形・越後湯沢・高山がサービスセンターという体制であったので、立体駐車場の比重が高まっているものと思われる。
このような業績を背景に、親会社であったトーメンが手を引いた東京索道を傘下に収め、さらに長年のライバルであった安全索道も創業時からの出資者であった三井物産に代わり日ケのオーナーである大久保家関連の企業が出資、旧来の索道専業メーカーは全て日ケ系と言われるような状況になっている。
◎沿革
索道専業として発足した業界大手メーカーでは最も後発で、1953年1月4日に創業した。
当初は工事用索道で実績を重ね、1954年可搬式貨物索道「S.P.ケーブル」(斎藤式ポータブルケーブル、斎藤氏は同社創業メンバーで技術担当者)の開発で地盤を築くと共に新潟県岩原スキー場に直営でスキー用リフト(複線自動循環式)を架設・運営して旅客索道の研究・開発を開始した。当時の索道業界は、鉱山等の大型貨物索道が主力で、これらは戦前・戦中からの実績をもつ先発メーカーのガードが固く、後発の同社では参入機会が少なく、その一方、旅客索道に将来性を見出したためと言われる。
1956年には世界初の三線自動循環式普通索道を蔵王に架設した。(蔵王高原ケーブル)世界初と言っても、これは欧州では先行して登場していた二線自動循環式が国内では法令の規制で難しかったために曳索を2本に増やしたもので、言わば世界標準をローカライズした結果、世界初となったものである。そうはいっても、先行他社に先駆けての実用化は特筆すべきもので、最終的に16本架設された三線自動循環式普通索道の内8本が同社製で、発展の礎を築いた。
1960年代には多角化を図り、立体駐車場や大型遊戯器具にも進出するが、こちらは大手メーカーの進出や専門メーカーの台頭で大きなシェアを占めるに至っていない。
1973年に国内索道メーカーで唯一、単線自動循環式普通索道を独力で開発・架設するが、路線免許の関係で開業に至らず、同方式国内第1号の栄誉を国外からの技術導入により同年に架設した安全索道に奪われた。その後、自社開発タイプを2本開業したが、1981年開業の蔵王スカイケーブル(三線自動循環式第一号のリプレース)からは、1977年に技術提携したドッペルマイヤー社(オーストリア)の開発した単線自動循環式に変更している。
1983年には、国内初となる自動循環式3人乗りリフトを志賀高原に架設した。(高天ヶ原トリプル)ただし、同時に安全索道は北海道で同方式を架設しており、営業開始は安索が先だった。1984年には自動循環式4人乗り仕様のリフトを妙高高原に架設し(チャンピオン第7トリプル)、トリプルリフトとして営業を行いながらクワッドの搬器を使っての試験を行い、1985年の自動循環式4人乗り認可の道を開いた。

独自開発の単線自動循環式普通索道:御荘湾ロープウェイ
1985年に単線自動循環式では世界初となる8人乗りゴンドラをつくば科学博会場に架設運営を行った。1986年には香川県で国内初の10m/sの交走式普通索道を架設(雲辺寺ロープウェイ)した。
同社が弱小メーカーからシェアを上げ、いつ業界トップに立ったかはっきり判らないが、1980年代にはトップメーカーとしての地位を固めたようだ。
1991年には、当時世界最大の定員だった166人乗り交走式ロープウェイを2本架設(湯沢高原・竜王)、1994年には国内初の固定循環式4人乗りリフトを白馬五竜に架設(ミルキーフォー)、1995年には国内初のゴンドラ用制振装置(石川島播磨重工業と共同開発)をキロロゴンドラに装着、1997年には国内初の自動循環式6人乗りリフトを芸北国際に架設した。
その後も国内で唯一、フニテル方式の実績を持つなど名実共にトップメーカーとして君臨している。
次の記事では、趣味的な観点から見た日本ケーブル製の機械の特徴を解説してみる。
執筆日:2006年8月13日(8月19日修正)
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コメント
ヤマケイのゲレンデガイドを見ますと、高天ヶ原マンモスには自動循環式トリプルリフトがないみたいですね。撤去してしまったのでしょうかね?
今はクワッドが架けられています。トーションバー+角型支柱で作業アームは新しいのです。こう見ると、こぶさんが珍しいとおっしゃっていた形が結構ありますね。
投稿: 索道趣味 | 2006.08.13 09:26
索道趣味さん、コメントありがとうございます。
高天ヶ原トリプルは、96年か97年にクワッドにリプレースされています。これに気づいて、同時にできた(こちらが本当の日本初デタッチャブルトリプルである)テイネハイランド北かべトリプルの架け替えも近いかと思って、98年2月に北海道初スキーを敢行しました。ところがこっちはまだ健在です(^^;
トーションバーで旧形の作業アームが珍しいとは書きましたけど「トーションバー+角型支柱で作業アームは新しいの」が珍しいって書きましたっけ? ダイナランドγライナーで「いかにも過渡期の製品である印象」とは書いてますけど。珍しいと書いていたなら、それは書きすぎですね。失礼しました。
投稿: こぶ | 2006.08.13 10:53
私の見間違えでした・・。すいません・・・。
岩原には第1ロマンスというのがありますが、あれは他から外れてますよね。何ででしょうか?
リフト自体は固定循環式なのでしょうか?自動循環であれば、高速ロマンスとつけたほうがいいと思いました・・・・。
投稿: 索道趣味 | 2006.08.13 11:02
索道趣味さん、コメントありがとうございます。
岩原第1ロマンスってゴンドラ山頂から滑り込む位置のペアリフトですね。ゴンドラとこの第1ロマンス、さらにその北側で休止中の第2ロマンスは、元々はコクドが開発したエリアで、後に岩原観光に譲渡されています。さらにこの北側を某社が開発し、最終的には舞子後楽園の奥添地ボウルとつながる予定でした。このへんは岩原か舞子後楽園に行く機会があれば、そのレポートの中でもう少し詳しく触れましょう。
ロマンスという名称なのは、コクドでは2人乗りリフトには「ロマンス」と名付ける事になっており、その名称を引き継いだからです。むろん固定循環式ですが、メーカーは未調査です。
投稿: こぶ | 2006.08.13 13:16
元々コクドの所有地というのは初めて知りました。
コクドはペアリフトのことをロマンスリフトと名付けているのは知っていましたが・・・・。
舞子後楽園の奥添地とつながる予定だったというのも初めて知りました。つながればもっと楽しくなるのですがね~・・・。
投稿: 索道趣味 | 2006.08.13 21:01
索道趣味さん、コメントありがとうございます。
コクドの所有地というわけではなく、町有地か地元民の共有地のはずです。元々は牧場として使われており、冬季にゲレンデとして借用する権利を3社で分けたらしいです。
投稿: こぶ | 2006.08.14 00:54
スキー場側でも色々あるみたいですね・・・。
私も越後湯沢方面はよく行きますが、そのへんは知りませんでした。
最近、地元の方から聞いたのですが、湯沢中里は撤退するらしいですって・・・・・。まだどうなるかは知りませんが・・・・。
投稿: 索道趣味 | 2006.08.14 08:13
索道趣味さん、コメントありがとうございます。
越後中里は昨年の段階で見直し対象として報じられていましたから、比較的、冷静に受け止められているのではないでしょうか? プリンスから切り離されるスキー場の中では実績が上のほうで、湯沢地区内では神立よりも多いですから、どこか引き受け手が現れるのではないかと私は楽観してます。それよりも、山本山とか群馬になりますが水上や表万座のほうが心配・・
投稿: こぶ | 2006.08.14 20:33
山本山はも地震でやられてもうダメと判断したのかコクドが土地を売っているとニュースで流れました。
表万座はどうなのでしょうかね~?なんかちょいちょい客の数が減ってる模様ですが・・・・。
湯沢中里、とっか引き受け手が現れるといいですよね。オフシーズンはあこはゴルフ場で、ここがつぶれてしまうと湯沢周辺のゴルフ場がなくなるんですよね・・・・。
投稿: 索道趣味 | 2006.08.14 22:35
索道趣味さん、コメントありがとうございます。
山本山も表万座も水上も全て、プリンスホテルが地元に売却の方針を伝えたと新聞等で報じられているところですよ。この手の報道は気が付いたら、右側の「索道ニュース」でフォローしているのですが・・・ 山本山は8月5日、水上と表万座は7月3日(こちらは古くなったので下のほうの「索道ニュース・バックナンバー」に移動済み)に掲載してます。
索道ニュースは今の形では読みにくいのは私も承知しており、改善の計画はあるのですが、メインの記事の更新も思うようにできていない状況なので、今暫くはこの形で行く予定です。
投稿: こぶ | 2006.08.15 00:44
昨日新潟市に行ってきました。所要で・・・。
万代シティのレインボータワーは日ケ製ですね。あの近くに日本ケーブル新潟営業所があるのでしょうかね~?
投稿: 索道趣味 | 2006.08.15 08:12
索道趣味さん、コメントありがとうございます。
湯沢にある北陸信越支店が新潟サービスセンターで、新潟市の拠点が新潟支店だった頃は駅前にあったのですが、今の営業所は万代3丁目ですからレインボータワーが近いといえば近いですね。でもタワーからの直線距離を測ると、旧支店所在地と今の営業所の所在地は、どちらも400~500mで、それほど変わらないようです。
投稿: こぶ | 2006.08.15 12:09
日ケの売上も200億円を下回っているんですね。たしか15年以上前のピークの頃で、400~500億円との記憶があります。もっとも他社はメンテ以外、売上らしい売上はないんでしょうから、やむなしというところでしょうか。
ダイエー西葛西店はすでに閉店していたんですか!ダイエーの見直し対象リストに載っているまでは知っていましたが、ベッドタウンなので閉店は免れるのでは、と思っていました。昔、゛日ケはダイエーの賃料収入で人件費等の固定費を賄うことができる゛と関係者に聞いたことがあるので、収支的にも大きいんでしょうね。
景気が持続してリプレースの大波がくるまで、業界の雄として踏ん張って欲しいところですね。
投稿: tune | 2006.08.17 15:05
tuneさん、コメントありがとうございます。
ダイエー葛西店はすぐ近くのジャスコ西葛西店との競合で負けていたからでしょうね。イオングループとなって各地で巨大店舗を展開しているジャスコですが、オープン当時は都内では屈指の巨大スーパーで、米国商品輸入促進を迫られていあた当時、中曽根首相が米国商品の販売現場を視察する場所として選ばれたぐらいの店でしたから。
日ケの人件費を賄うというのが話半分としても、そんなに高額な賃貸料だったとしたら、それもダイエー撤退の理由の一つになったのかも知れません。スーパー用の箱ですから、小売業ぐらいにか貸せないので、後継テナント探しは大変かもしれませんね。
余談はさておき、2005年3月期の売上げはここ数年では良いほうだったみたいです。2004年は152億円、今年は169億円のようです。
投稿: こぶ | 2006.08.17 20:17
ご無沙汰しております。
高天ヶ原マンモスの第2リフトが今シーズン、ペアからトリプルにリニューアルされたようです。
しかも、乗車場所が変更になり、ロープウェイからの連絡リフトからの接続が容易になったそうです。情報源は「志賀高原ブログ」です。
投稿: 鷹 | 2008.11.22 16:51
こちらこそご無沙汰してます、鷹さん。
時間を見てまとめたいと思ってますが、今年の新設リフトは(今年も・・かな)寂しい状況ですね。お知らせいただいた高天原第2トリプルの他に、あだたら高原のオレンジクワッド、サッポロテイネのサミットエクスプレス、サンメドウズのバードリフトがリニューアルだそうですがこれが架替えを意味するのか判りません。安全索道は、六甲山のシングルとペアのパラレルをペアのパラレルにしたようです。
投稿: こぶ | 2008.12.03 15:45
はじめまして
数年前から読ませていただいていましたが、今回初コメントです。
高天原第2トリプルですが、位置を下げたのは連絡リフトとの接続のためですが、ペアからトリプルに変更したのは修学旅行生対策の輸送力強化ではないでしょうか?
投稿: FLY | 2008.12.20 20:53
FLYさん、コメントありがとうございます。
なるほど、修学旅行生は1箇所に固まる傾向がありますから、局所的な輸送力増強の必要性はありそうですね。だとすれば喜ばしい話だと思います。
投稿: こぶ | 2008.12.27 21:12
1月の平日に志賀に行くと、一の瀬~タンネ~高天ヶ原、ブナ平、丸池、横手山あたりは修学旅行生で埋め尽くされてることがあります。
午前が9時~11時半くらい、午後が13時~15時半くらいというスケジュールのようで、滑り始める9時や13時はリフトが大行列になることもあります。
したがって、これらのスキー場で滑る、あるいは移動する時はこの時間帯を避けたほうがいいかもしれません。
逆にリフトに乗るということで言えば、パラレルのリフトが両方稼動していたりするこの時期・時間帯が狙い目といえるかもしれないですね。
投稿: FLY | 2009.01.09 19:10