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2006.10.27

索道メーカー 安全索道 ~機械について(5)

◎趣味的な見地から見た機械の特徴

○支柱

二大メーカーである安全索道と日本ケーブルの支柱は遠目には良く似ていて、よほどのマニアか関係者でない限り、区別するのは難しいだろう。以前の日本ケーブルでは、ゴンドラやトリプル以上のデタッチャブルは方錘形を標準としていたので、これらの大規模索道では見分けやすかったが、以前に書いたように日ケがモデルチェンジしたために、ますます両社が似てきた。

これが安全索道のクワッドの支柱だ。

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クワッド用鋼管円筒形支柱:スキージャム勝山ファンタジークワッド

こちらの日ケの支柱と比べても違いが良くわからない。見比べると、作業アームの部材が安索のほうが少し太いように思えるが、錯覚かもしれない。筆者の観察した限りで一番はっきりした違いは次の二点だ。

まず、アームと支柱本体の接続部分の形状だ。

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クワッド用支柱アーム:鷲が岳オーロラ第3クワッド

このように安索はアーム下端が一直線であるのに対し、日ケでは接続部が逆台形状になっている。

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日本ケーブルクワッド用支柱アーム:牧の入第6クワッドリフト

もう一点は、高い支柱で本体が2本継ぎになっている場合のフランジのリブ形状である。安索ではフランジを支えるリブが小さいのに対し、日ケでは大きいようだ。

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クワッド用支柱継ぎ目フランジ部:鷲が岳オーロラ第3クワッド

あと安索では、アームと作業アームがメッキ仕上げではなく塗装仕上げのケースがある。日ケでは比較的早い段階でメッキ仕上げを標準としたために、自然公園法の制約などがない限りはメッキ仕上げとなっているので、ここ20年以内の架設にも関わらずアームが塗装の場合は、安索の可能性がかなり高いと言える。

このアーム形状やメッキ仕上げに関しては、ペアなどの固定循環式でも同様だ。

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ペアリフト支柱:ホワイトピアたかす第4ペアリフト

これが安全索道のペア支柱。支柱本体が塗装でアームがメッキという仕様なので、アームと本体のつなぎ目がはっきりしており、支柱本体の上部が拡がり、その上にアームが載っている事がよくわかる。これに対して日ケの支柱では、こちらのようにアームの下部の形状が支柱本体の鋼管に合わせるようになっている。

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ペアパラレルリフト支柱:大山国際第6リフト/第9リフト

これはペアパラレルリフトの支柱。傾向が見出せるほど多くの事例を検証したわけではないが、これまでの印象では、日ケよりも無骨な感じを受ける。

○索輪

安索の索輪は、他社がプレート式に移行する中、スポーク式を守ってきたが現在ではプレート式も採用している。ただし、全面的に切り替えたわけではないようで、筆者が確認した中では最新の神郷第一スキー場第1/2ペアリフト(2004年建設)はスポーク式、ゴンドラでは2001年のおじろゴンドラはスポークだが、翌年の焼額山第1ゴンドラはプレート式、クワッドでは1997年の木島平第11クワッドはプレート式である。安索のリフトを観察する中で、索輪の形式は要チェックポイントである。

○脱索検知装置

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ペアリフト脱索検知装置:木島平第3山頂ペア

これが安索の脱索検出装置。リミットスイッチから伸びる検出バーに脱索したロープが触れることで脱索を検出するシステムである。検出バーと通常状態のロープはそれなりの隔離距離が必要であるので、脱索の際にある程度のロープの跳ねが無いと検出は不能であるが、そのように静かに外れることは考えにくいので、実用上の支障はないだろう。

◎趣味的な見地から見た安全索道の副業

日本ケーブルでは、関係会社でかなり手広くスキー場運営を行っているが、安全索道はスキー場運営に直接タッチする事には積極的でなかった。筆者が掴んでいる中で、安索が直接運営にタッチしていたのは戸狩小境スキー場のみであり、1983年に閉鎖している。小規模なスキー場で、とても同社が主体的に設立したとは思えず、おそらくは日ケの関温泉やヤナバと同じパターンで、地元資本のスキー場が建設費を払えず債権者となった安索がやむを得ず直営したのではないだろうか。同社がリゾートブーム時にも直営に乗り出さなかったのは、三井物産系の会社であるので、リゾート運営には三井系の他の企業が当ったためかもしれない。

索道趣味者には興味を持つ人も多いであろうリフトカーは、日ケよりも積極的な印象があり、正式な鋼索鉄道である鞍馬寺ケーブルも安索製である。レインボーライン(福井県)のリフト平行線のリフトカーも安全索道と聞いた覚えがある。動く歩道も、その初期の段階で参入しており、大阪万博会場にも納入していたそうだが、大手メーカーに対抗できなかったのか寡聞にて他の実績は知らない。どこかに現存するならば乗ってみたい。


執筆日:2006年10月27日

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