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2006.12.23

番外編:2005年度デビューの索道

昨年書いた「2004年デビューの索道」でも書いたが翌年度の秋をすぎないと前年度新設の索道はなかなかわからない。今年はすでに秋を通り越してスキーシーズンに入ってしまったが、まずは2005年度デビューの索道をまとめてみた。

◎普通索道
・谷川岳ロープウェイ 谷川岳ロープウェー(株) 2005.9.13運輸開始
※三線自動循環式を改造した二線自動循環式の旧線のリプレースで、複式単線自動循環式のフニテルでリプレースされた。旧線と平行に、旧線の営業を行いながら建設されたため新規許可の索道事業となっている。旧線は架設・改造共に安全索道の施工だったが、新線は日本ケーブル製。

◎特殊索道
○ニセコ グラン・ヒラフ
・スインギングモンキー ニセコ高原観光(株) 2005.12.10運輸開始
※リフト名称を公募と言うことで注目を集めた。名称決定の発表は、筆者が気が付かない間に行われたようで、ノーチェックだったが、今年のガイドによれば上記の名称に決まったようだ。ちなみに昨シーズンの名称は、営業上は「ノーネームペア」だったが、鉄道要覧では「コネクティング・ペア」となっている。
公式サイト上に掲載された建設途上のレポートの画像を見る限りは日本ケーブル製。

○ルスツリゾート
・ウエストタイガーペアリフト 加森観光 変更認可による架替
※シングルリフトをペアへ架替。鉄道要覧上は出てこないので、変更認可での架設と思われる。<kikiさん提供の情報。ありがとうございました
日本ケーブル製<07年1月現地調査で確認

○富良野スキー場
・北の峰第2ロマンスリフト (株)プリンスホテル
※シングルパラレルリフトだった北の峰第2A/B線(1973年:東京索道)をペアへ架替。スキー場ガイドによれば、20m短くなるようなので、廃止→新規許可と思われが、なぜか「平成18年度 鉄道要覧」には、いまだ「北の峰第2A/B」で掲載されている。そのため変更認可での架替か、廃線→新規許可か不明。<さいとーさん提供の情報。ありがとうございました
日本ケーブル製<07年2月現地調査で確認

○大鰐温泉スキー場
・国際ファミリーリフト 大鰐地域総合開発(株)
※あじゃらスカイフォーリフト(1987年:安全索道)の架替。比較的長い(865m)にも関わらずデタッチャブルクワッドから固定式ペアへの架替となったのは、建設費やランニングコストの兼ね合いと中間停留場設置の関係があるものと思われる。「鉄道要覧」によれば、旧線廃止で新規許可の形になっている。<さいとーさん提供の情報。ありがとうございました
ちなみに「平成18年度 鉄道要覧」では雨池ペアが同時に架替と読み取れるが、これは校正ミスと推察される。
<クワッドの支柱流用のペアであることを確認

○むつ市釜臥山スキー場
・第2リフト むつ市
※電源立地地域対策交付金によるスキー場整備事業の一環として、シングルリフトの第2リフト(1982年:安全索道)をペアリフトに架替。日本ケーブル製でローディングカーペット付き。<U君さん提供の情報。ありがとうございました

○阿仁スキー場

新設索道はないが、近年の短縮営業を止め、シーズンを通しての営業となり、さらに近年は休止していたサンシャインコースを復活、休止中の第2ロマンスリフトが復活する。

○田沢湖スキー場
・かもしかクワッドリフト 田沢湖高原リフト(株) 2005.12.23運輸開始
※旧線廃止→新規許可で「かもしかロマンスリフト」をデタッチャブルクワッド化。速度5.0m/s。日本ケーブル製<U君さん提供の情報。ありがとうございました

・銀嶺第3リフト 田沢湖高原リフト(株) 2005.12.23運輸開始
※「銀嶺第3ロマンスリフト」の位置を若干変えてリニューアル。したがって、旧線廃止→新規許可の新線の扱いになっているが、旧線の機械転用という可能性はある。速度2.3m/sなのでローディングカーペット付きの可能性があるが未確認。
<U君さんのご確認によれば、搬器は日本ケーブル製、ローディングカーペット無し。
<索道関係者さんの情報によれば、日ケ部品を使っているものの東索製旧かもしかロマンスの移設

・銀嶺クワッドリフト 田沢湖高原リフト(株) 2005.12.23運輸開始
※山麓停留場へのアクセス改善のため地盤を下げたため、傾斜長が2m伸びた。この程度なら変更認可で可能と思われるが、なぜか、旧線廃止→新規許可の新線の扱いになっており、地盤下げ以外にも変更点があったのかもしれない。

田沢湖スキー場のリニューアルは、2007年の「秋田わか杉国体」冬季大会においてアルペン会場となるための対策で、今シーズンは銀嶺第1ロマンスが位置を変えて架け替えられた。公式サイト掲載のゲレンデマップから削除された銀嶺第2ロマンスの運行も行われている模様。

○パルコール嬬恋
・第6デュオリフト パルコール嬬恋(株) 2005.12.23運輸開始
※故障のため2004年度は動かなかった三菱YANの「バラキ第2クワッド」を固定式ペアリフトにリプレース。索道方式の変更からか、長さが大幅に短縮されたが(1627m→1375m)、それでも固定循環式としては屈指の長さと思われる。

○八幡平リゾート
・第2ペアB線 東北リゾートサービス(株)
※「平成18年度 鉄道要覧」によれば架け替えれた模様。旧線よりも1m伸びて1199mとなっているが架設位置はほとんど変わっていない。1991年製の(今の状況では)比較的新しいリフトであり、架け替えの理由は不明。

○ホワイトピアたかす
第2クワッド  トーカイ開発(株) 2005.12.10運輸開始
※三菱YAN製「第2クワッド」を日本ケーブル製でリプレース。これで三菱YANのクワッドは国内から消滅したと思われる。現地での表示によれば、西日本初の5.0m/s運転のクワッドらしい。

○箱館山スキー場
・第3ロマンスリフト 近江鉄道(株) 2005.12.3運輸開始
※シングルリフトだった第3リフトA・B・C線を撤去し新設。CSSSBさんの情報によれば、日本ケーブル製。<ありがとうございました。

○ハチ高原スキー場
・ファミリートリプルリフト 鉢伏開発観光(株)
※1990年建設のファミリーペアをリプレースし、トリプルリフト化。変更認可で実施。
そのほか、中央ペアリフトの延長、白樺ペアの短縮が行われており、その規模から法令上の扱いは、新設になると思われるが「平成18年度 鉄道要覧」ではキロ程の変更すら行われておらず扱いが不明だ。

○九重スキー場

・第3リフト 九重森林公園(株) 2005.12.16運輸開始
※パノラマゲレンデ(第5ゲレンデ)新設に伴いペアリフトを建設。日本ケーブル製と思われる。

抜けや勘違いがあるようなら、コメントで補足いただけるとありがたい。

執筆日:2006年12月23日
加筆修正:2007年2月17日、3月8日

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コメント

今シーズンの苗場のゲレンデマップから第6高速リフトが消えています。昨シーズンも運休が多かったようなので、マップ上から消したのでしょうかね・・?

投稿: 索道趣味 | 2007.01.29 11:49

こんばんは。
たざわ湖の2005年度分について。
かもしかクワッド:フード付き、車庫は山麓側 1番搬器がなく、故障か破損したのかもしれません。
銀嶺第3:日本ケーブルの黒色搬器に変わっています。機械についてはわかりません。ローディングカーペットは設置されていません。
銀嶺クワッド:車庫が山麓側なので、乗り場と車庫の基礎を作り直しているため免許を取り直したのかもしれません。段差の上から段差の下に移りました。車庫の外壁・屋根は前のをそのまま移設しているようです。

投稿: U君 | 2007.02.01 00:00

田沢湖のかもしかクワッドについてですが、フードを見る限り安全索道のものと思われます。
田沢湖は長年東京索道でしたが、近年は日本ケーブルのペアリフトを新設することが多く
なりましたね。安全索道は田沢湖初デビューではないでしょうか?詳しくは見てないので
分かりませんけど。

投稿: N | 2007.02.02 00:14

たざわ湖のかもしかクワッドは、日本ケーブル製で、乗り場の柱の銘板と搬器の番号の部分に記載されています。
ということでご理解下さい。>Nさん
フードだけでメーカーを区別するのは難しいと思います。
日本ケーブル製でも、フード付きクワッドリフトは変遷があるようで、森吉スキー場の第1高速と第2高速はいずれもフード付きクワッドリフトですが、建設年が違うために搬器も随分違っています。いすの分け方(2人分ずつと、4人通し)が違います。フードの形状も違っていたように思います。

投稿: U君 | 2007.02.07 00:02

>索道趣味さん
苗場第6高速は今シーズンのマップから消滅という事でしょうか。そうなると2006年度の動向になりますね。後日、本文の修正を行います。

>銀嶺クワッド
どの程度の変化までを「変更認可」とするかは、明確な基準がないようで、局や年代によって扱いが異なることもあるようですから判断が難しいところです。富良野ゴンドラ→ロープウェイのように、全面的な新設でも変更認可で済ませることはありますので、基礎の作り変えは変更で済ませなかった理由ではないと思います。案外、事業者側の判断かもしれません。

投稿: こぶ | 2007.02.07 23:58

U君さん
なるほど、日本ケーブル製でしたか。田沢湖町出身ですが、10年ぐらい前に京都に引っ越してからは行ってません。という事でかもしかクワッドにはまだ乗ってないんですよ(苦笑)
先日赤倉温泉スキー場に行って来て、そこに安全索道製のフード付きリフトを初体験したもので、全面アクリル(ポリカーボネイト?)製のフード=安全索道製、下半分に白いカバーのついたフード(ビスタリフト)=日本ケーブル製、銀嶺クワッドのような側面の機械部に黄色いカバーのついたフード=東京索道製・・・だと思ってました。
ちなみに父親の話によると森吉は開業当初はフード無しだったようです。後付けです。

投稿: N | 2007.02.17 02:38

>森吉のクワッド
森吉第1高速は1987年度建設、第2高速は90年度建設ですが、Nさんのおっしゃるように第1高速の開業時にはフードがありませんでした。国土計画(当時)におけるフード付は88年度建設からで、88年度の国土のフード付は新設のみだったように記憶しますので、早くても89年度の取付だったと思われます。
まさか阿仁が残って森吉が休止とは思わなかったので、森吉訪問を先延ばしにしたのが悔やまれます。

投稿: こぶ | 2007.02.17 10:38

>かもしかクワッド
Nさんは、たざわ湖スキー場公式サイトの画像を見られて「全面アクリル(ポリカーボネイト?)製のフード」と判断されたのだと思いますが、これはフードが開放状態のために日ケ製の特徴である裾のクリーム色の不透明部分が見えないだけですね。パンフなどを見ると、典型的な日本ケーブルの標準タイプのフード付搬器で、モデルチェンジをした形跡もなかったです。

>大鰐温泉 国際ファミリー
詳しくは後日レポートをアップしますが、大半の支柱はクワッドの流用です。ビックリしました。

投稿: こぶ | 2007.02.24 23:38

たざわ湖のカモシカクワッドの1番搬器ですが、自分が訪問した2005シーズンには、使用されていましたよ。
おそらく、フード開閉ケーブルやローラー等の不具合で、整備庫に格納されているのだと思います。(あくまで推測ですが)

それと、銀嶺第3ロマンスリフトは、東京索道製で、前のカモシカロマンスリフトを転用したような感じでした。ただ、工事は日本ケーブルが行ったようで、一部日ケのパーツも使用されているようでした。(乗車規制装置が日ケの信号灯に変わっていましたが、訪問時は、赤固定のままで使用されていなかったため、どのタイプの音が出るのかまで確認できませんでしたが・・・。)
あとは、支柱の看板が東京索道のものと日本ケーブルのものが混ざっていましたね。

投稿: 索道関係者 | 2007.03.07 21:02

索道関係者さん、コメントありがとうございます。
銀嶺第3ロマンスのメーカーについて、情報が分かれてしまいましたね。 ところで2005シーズンは“新”銀嶺第3ロマンスもかもしかクワッドも登場前ですから、行かれたのは2006シーズン(先シーズン)の打ち間違いですよね?
私は、先月、たざわ湖に行くのは行ったのですが、なにせ着いたのが15時50分。銀嶺クワッドや銀嶺第1ロマンスぐらいは16時半ぐらいまでやっているかなと考えていたのは甘かったです。けっきょく、センターハウス前で銀嶺クワッドと銀嶺第1ロマンスを観察するのが精一杯で、銀嶺第3は見れませんでした。自分自身による、真相究明は来シーズン以降の楽しみにとっておきます。

投稿: こぶ | 2007.03.07 21:25

こぶさん、すみません。
入力不足でしたね。2005~2006シーズンと入れるべきでした。

追加情報ですが、今シーズンリニューアルの銀嶺第1ですが、原動装置は日ケ、支柱・搬器は、前の東京索道製・銀嶺第1のものを流用したようです。
ところが、よーく観察すると延長した分の搬器は、日ケのモデルEが7台使われています。
自分は、東京索道の搬器の座り心地が嫌いなので、できれば全て日ケ・モデルEにしてほしかったですね。

投稿: 索道関係者 | 2007.03.08 19:20

索道関係者さん、コメントありがとうございます。

銀嶺第1の話は、これの新設に触れた「番外編:2006年度の索道動向:特殊索道編」のコメントでも情報の交換が行われました。私も、こちらは先日に見ることができましたので面白かったです。ちょうど、山麓をモデルEが通過したところで写真を撮り損なったので、降りてくるのをまっていたのですが、途中で営業が終わってしまい、もう見られないかとやきもきしながら待ってました。握索機はモデルEも含めて東索仕様でしたから、原動滑車の触れ止めの寸法などは特別仕様なのでしょうね。支柱はアームの取付方式や脱検用の索輪が青玉である事から東索の流用であることがわかりますが、脱検の検知自体はブレークホーク方式でおこなっており、まさに両社仕様が入り乱れ興味深い設備になってました。
ところで山頂の終端(折返)装置は、どちらの機械だったのでしょう。

投稿: こぶ | 2007.03.08 20:47

こぶさん。
銀嶺第1の終端装置は、東京索道のものをそのまま使用していたはずですよ。

投稿: 索道関係者 | 2007.03.08 23:34

索道関係者さん、コメントありがとうございます。
山頂は東索の終端装置ですか。なかなか面白いリフトですね! 来シーズンは、鳥海高原矢島と共に行ってみたいところですが、行きたいところが多くて困ってしまいます。

投稿: こぶ | 2007.03.08 23:46

索道関係者さん、こぶさん、こんにちは。
たざわ湖の銀嶺第3ロマンスですが、索道関係者さんの昨シーズンの状況から考えますと、今シーズンから日本ケーブルのモデルEに搬器を取り替えたようですね。既に銀嶺第1ロマンスで両方の搬器を見ていますから、さすがに間違えないでしょう。

九重の第3リフト:日本ケーブルのペアリフト。モデルEでセーフティバーとフットレスト付きです。支柱8基、搬器74台、時計回り
なお、第1リフトの支柱が、13基のうち3番から6番まで4基、平成18年12月に取り替えられていました。

鉄道要覧に建て替えとして載っていますが、蔵王温泉のパラダイス第3ペアリフトの乗り場が、手前に移動したようです。今シーズンの蔵王温泉のサイトでは記載されていないので、昨シーズン(2005年度)の変更ではないかと思います。

大鰐温泉 国際ファミリー>こぶさん
情報を楽しみにしております。私も某所のリフトで、同じようにびっくりしました。

投稿: U君 | 2007.03.09 00:02

自己レスです。蔵王温泉のパラダイス第3ペアリフトについては、2004年度の方に載っていますね。気がつかなくてすいません。
びっくりしたリフトは2004年度のものなので、あちらに書いておきます。

投稿: U君 | 2007.03.09 00:25

U君さん、コメントありがとうございます。
銀嶺第3は仰るとおりなのかもしれませんね。
九重第1の支柱交換の理由が気になります。

投稿: こぶ | 2007.03.09 00:34

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