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2007.03.03

須磨浦ロープウェイ ~三代目搬器登場

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須磨浦ロープウェイ ~三代目搬器登場

事業者名:山陽電気鉄道(株)
公式サイト:http://www.sanyo-railway.co.jp/
所在地:兵庫県神戸市須磨区一ノ谷町5-3-2
区間:須磨浦公園~鉢伏山上
キロ程:446.69m
支柱基数:無し
高低差:180.51m
最急勾配:不明
輸送能力:360人/時
搬器台数:2台
速度:2.5m/s
動力:電気 100馬力(75kw?)
許可年月日:1957年3月14日
運輸開始年月日:1957年9月18日
種別:普通索道
方式:三線交走式(1支索2えい索)
搬器定員:30名(車掌乗務無し)
搬器台数:2台(1号搬器:やまひこ・2号搬器:うみひこ)
山麓:支索重錘緊張・曳索重錘緊張停留場
山頂:原動停留場
索道メーカー:(株)鹿島製作所
搬器メーカー:
 二代目 川崎重工業(株)(1980年)
 三代目 川崎重工業(株)(2007年)
鋼索メーカー:東京製綱(株)

観察日:2007年3月2日

本ロープウェイは、2005年2月27日付記事で取り上げているが、このたび搬器キャビンの交換を行ったので再度レポートする。そのため、上述のスペックは再掲であるが、搬器に関係する部分のほか、傾斜長が変わっている。これは現地の掲示に合わせたもので、新旧のどちらかの掲示が間違っていたものと思われる。現在の表示は『鉄道要覧』の値に一致するので、こちらが正解かと思われるが、えてして本書のデータも不正確な事があるので、結論づけるのは避けておく。

さて、今回のキャビン交換は2月27日~3月1日の3日間運休して行われ、3月2日11時からから、新キャビンによる営業を開始した。

2月27日は出張中のために工事の見学はできず、28日午後に現場に出かけた。

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現場到着時はちょうど昼休み中だったようで、現場にはトラックに載せられた新キャビンと高所作業車などが待機し、その上空にはサスペンダーのみがぶら下がっていた。この時点で1号搬器側はすでにキャビン交換を終え、山頂停留場付近に見えていた。見物に来ていた近所の人の話によると27日に1号搬器の交換を行ったそうなので、両日共に午前中に旧キャビンの取り外しを行い、午後に新キャビンを取り付けたものと思われる。

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トラックに積まれた向きは、線路に対しほぼ直交しているので、チェーンで吊上げながら空中でキャビンを回して、方向を揃える。

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電動チェーンブロックを使っているのか、巻上げは地上からの操作で行われた。サスペンダー密着するまで持ち上げたところで高所作業車を使い作業員が乗り移り、キャビンとサスペンダーの仮結合を行った。

前回の記事でも書いたように、本ロープウェイのメーカーは、現存する索道メーカーではなく、メンテ体制がどうなっているのか興味津々であり、今回の交換作業もどこが行うのか疑問に思っていたが、作業員は日本通運の制服を着用。現場にも「日本通運 神戸重機」と表記された車が来ていたので、キャビンの交換作業に直接タッチしたのは日本通運だと思われる。ほかに見かけた関係者は、車やヘルメットや制服などから察するに、山陽電鉄、川崎重工業、大阪車輌工業の方々と思われ、おそらく今回のキャビン交換工事は新キャビンの製作から交換までを川崎重工業で請け負ったのではないかと推察される。一般的には索道メーカーが請け負うケースが多いと思われ、このような形態は珍しいのではないだろうか。

話を現場に戻すと新キャビンの仮結合を終えた搬器は、山麓停留場付近に移動させた。おそらく、本結合作業をここで行ったものと思われるが、近くに見学に適した場所がないため見学は移動を確認した時点で終了。3月1日は試運転・調整に当てられたものと思われるが、現地確認はしていない。

新キャビンの営業初日となった3月2日。営業開始は11時、3月4日までの3日間は毎日先着1000名に無料乗車券配布と発表されていたため、営業開始に合わせて現地に向かう。実は筆者は、1980年の二代目デビュー当日も現地訪問しており、この時は通常の営業時刻だったような記憶がある。関係者のセレモニーはあったようだが、一般向けのセレモニーがあったかどうかの記憶が定かでない。記憶にあるのは関係者セレモニーで鏡開きを行ったこも樽のお酒が大量に余っており、その場に居合わせた数少ない一般人にも振舞われたこと。そのときは2月だったせいもあり、一般人はほとんど居なかったことが印象に残っている。

今回は前回とは大違いで、ギリギリに着いた事もあって、須磨浦公園駅では階段の下のほうまで列が続いていた。結局、第1便には乗れずピストン運転された第2便に乗ることになった。3月3日付け毎日新聞記事によれば、運転開始時には約50人が並んだそうで、これは私の体験と合致する。

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配布の無料乗車券は配布当日限り有効で、このように山上のカーレーターやリフト料金込みのセットきっぷもロープウェイ運賃相当を引いた価格での発売なので、実質はこの3日間はロープウェイに無料招待という性格のようである。このきっぷ売り場の様子を見る限りでは「先着1000名」というのは有名無実のような印象を受ける。

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セレモニーの痕跡も生々しいホームから1号搬器「やまひこ」で出発。セレモニー後、招待された幼稚園児40名が試乗したそうなので、私が見送った一般客が乗った2号搬器「うみひこ」は2番目の出発、この1号搬器がセレモニーの後に出発した搬器と思われる。

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中間地点ですれ違う2号搬器「うみひこ」。1号と2号は、同じ塗り分けパターンであるが紅白の色遣いが逆である。この紅白の色は、源平合戦の古戦場である事をから平氏と源氏の旗印を意識して決められたそうだ。ちなみに旧搬器も紅白であったが、2台共に同じデザインであった。搬器自体の形状は、新旧共に良く似ており、正面窓が1枚の上下分割から、左右2枚となった上に上下分割となった点が異なる程度。ただ、窓回りや桟が黒色塗装となったため近代的な印象を受ける。

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搬器内のメーカー銘板は、このとおり「川崎重工」のみであり、搬器更新工事には索道メーカーが関わっていないことの傍証になろう。また、交換工事に立ち会っていた大阪車輌工業の銘板もなく、同社は川重の協力企業としての関わりと思われる。おそらくは、実質的には大阪車輌工業の設計製作で川重は元請としての管理監修だったのだろう。

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二重天井になっており、段差部分に小型蛍光灯が収められており、間接照明になっているものと思われる。索道搬器の間接照明は初めて見た。

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重ね塗りで読み難いが、サスペンダーには「川崎車輌 昭和32年」の楕円銘板がある。一般的なのは、キャビン部分は車輌メーカー製でもサスペンダー部分は索道メーカー製であるのが一般的で、この部分には索道メーカーの銘板があるほうが多い。メーカーである鹿島製作所は一般的な索道メーカーではないので、地上機械のみを担当し、搬器はキャビンのみならずサスペンダーや走行装置も川崎車輌が担当したのかもしれない。

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停留場の仕様掲示も、キャビン交換に合わせて新調された。前述の傾斜長の相違のほか、搬器交換年月日も入れられ、情報がより充実した。一般客は無関心だろうが、マニア的にはまことに喜ばしい事である。

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搬器前面の記念ヘッドマークは、先日の「2200万人達成」では山麓寄りのみであったのが、今回は山頂寄りにも掲げられた。

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ヘッドマークデザインは、両搬器・前後の4枚共に共通だったようだ。

執筆日:2007年3月3日

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コメント

めったにみないメーカーですね。
うちのブログにも遊びにきてください★

投稿: 惇之祐 | 2010.08.28 20:23

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