普通索道に引き続き特殊索道の2006年度の動向をまとめてみた。普通索道以上に抜けがあると思われるので、ドシドシご指摘いただけるとありがたい。
◎新規開業/運輸再開特殊索道
○富良野スキー場
・連絡リフト (株)プリンスホテル
※1982.12.18運輸開始の連絡リフト(東京索道製:シングル)を日本ケーブル製に架替、2006-2007シーズンから運輸開始。コクド流の命名なら連絡ロマンスリフトとなるはずだが、同スキー場公式サイトでも「連絡リフト」となっている。<GONさん、情報提供ありがとうございました
正式名称は「連絡リフト」で正解であることを確認。
○ルスツリゾート
・イゾラ第5ペア (株)加森観光 2006.12.2運輸開始
※ゴンドラとフード付きクワッドのみという非常にハイレベルな索道のみだったイゾラエリアに始めて登場した固定循環式リフト。どうもシーズンインの少雪期に山頂部のみで営業するために導入したようで公式サイトでも「オープン時~期間限定運行」と注釈入りで表示され、本格営業を開始した今では「ゴンドラ・リフト運行状況」の一覧から外されてしまった。本年は予定の11月23日から9日間遅れた12月2日に運行を開始し、気がついたらすでに運休していた。おそらく10日も営業していなかったと思われる。さすが加森というべきか、なんとも豪気な事である。しかし、完乗を目指すならわずかな期間に訪問せねばならずファン泣かせのリフトになりそうだ。<kikiさん、情報ありがとうございました
日本ケーブル製<07年1月現地調査で確認
○北大雪スキー場
・第1リフト (株)グランドレジャー 1979.12.11運輸開始
・第2リフト (株)グランドレジャー 1979.12.28運輸開始
※永らく休止していたが地主である国から返却か営業再開かを求められたため、春スキー期間の営業再開を決定。全4本の内2本を、2007年3月15日から5月6日まで営業する予定。
○雫石スキー場
・サンシャインリフト (株)プリンスホテル 2006.12.24運輸開始
※1981年12月22日運輸開始のサンシャインA/B線(日本ケーブル製シングルパラレル:A線は休止中)をペアリフトにリプレース。こちらもコクド流の命名ならばサンシャインロマンスとなるはずだが公式サイトでもサンシャインリフトとなっている。
○阿仁スキー場
・第2ロマンス (株)プリンスホテル 2000.12.19運輸開始
※近年は縮小営業を行っていた阿仁スキー場を平常営業に戻すに従い、休止していた第2ロマンスを再開する事になった。本スキー場はシティグループ・プリンシパル・インベストメンツ・ジャパンへの売却が決定しており、今シーズンの営業体制が当面受け継がれるものと思われる。
○たざわ湖スキー場
・銀嶺第1リフト 田沢湖高原リフト(株)
※「番外編:2005年度デビューの索道」に書いたように、2005年度から冬季国体向けにゲレンデ・リフト整備を進めており、銀嶺第1ロマンスを廃止し、位置をやや変えて銀嶺第1リフト(2人乗り、2.0m/s)を架設した。
機械は日本ケーブル製で、搬器の大部分は、東京索道製旧線からの流用らしい>U君さんの情報、ありがとうございました(2/17追記)
○鳥海高原矢島スキー場
・矢島クワッドリフト 由利本荘市
・矢島ペアリフト 由利本荘市
※3本あったペアリフトをフード付クワッド1本、ペア1本に整理した。ペアは旧線の移設or機器流用。クワッドは東京索道担当ながらドッペルマイヤーシステムだそうだ。<tuneさん、情報提供ありがとうございます
○妙高杉ノ原スキー場
・杉ノ原第2ロマンス (株)プリンスホテル
※1976年12月21日運輸開始の杉ノ原第1A/B線をリプレースしペアリフトを架設。公式サイトのブログ「杉ノ原日記」の画像によれば日本ケーブル製の模様。パノラマゲレンデにあったスノーパークが第2ロマンス横に移るようで、パノラマJバーリフトは、廃止もしくは休止の模様で公式サイトのゲレンデマップから抹消されている。
○奥伊吹スキー場
・第2ペアリフト 奥伊吹森林レクリエーション(株)
※奥伊吹スキー場は、リフトの正式名称と営業上使用している名称がまったく異なるので、今シーズンからペアリフトになったという第2ペアリフトの正式名称がわからない。とにかく、これで稼働中のリフトからシングルは無くなった。(1/4追記)
○ハチ北高原スキー場
・山麓ペア 鉢伏開発観光(株)
※登行リフトの正確が強い中央山麓リフト(1969年1月1日運輸開始:シングル)がペアリフトにリプレースされた。起点が並んでいたアルペン登行リフト(1983年12月19日運輸開始:シングル)も合わせて廃止されている。新リフトは神戸新聞記事の写真によると、日本ケーブル製と思われる。 ちゃきさんからいただいたコメントによれば樫山製との事。記事の写真を改めてよく見れば日ケではなさそう。思い込みは怖い。(1/11修正)
○奥神鍋スキー場
・登降ファミリーペアリフト (株)奥神鍋 2006.12.20運輸開始?
※駐車場とゲレンデの連絡リフト。かなり以前からの懸案であったがようやく実現した。「登行」という方が一般的だとおもうが、公式サイトで「登降」となっているのでこれが正しいのだろう。神鍋観光協会のサイトに掲載された写真によれば日本ケーブル製のように思われる。12月20日運輸開始は、この日に開通式が行われたようなのでこう記したが、営業運転は自然雪による営業が始まった後という事であるので、もっと遅い日で届け出る可能性もある。
○プラーナ
・松山ハイランドリゾートトリプル プラーナ 2003.12.21
※サレガランドプラーナという名称で2004-2005シーズンまで営業を行っていたが、資金繰りなどの事情で2005-2006シーズンは休業。今シーズンからプラーナという名称で運営を再開した。新設ではないが、紹介しておく。
◎休廃止特殊索道
○稚内公園
・稚内公園スキー場第1リフト 稚内市 1980.12.10運輸開始
※日本で最北のリフトである稚内公園第1リフトが、利用者減とアクセス手段であるロープウェイの設備老朽化のため2006年3月21日限りで営業を終えた。実際には20・21日は吹雪のため運休しており実質的には19日が最終日となった。即日廃止を届け出ていれば2005年度の廃止になるが、ロープウェイと合わせて2006年4月1日付での廃止届出の可能性もある。
この結果、日本最北のリフトは、稚内市こまどりスキー場第1ペアリフトとなった。
○森吉スキー場
・森吉第1高速 (株)プリンスホテル 1987.12.19
・森吉第2高速 (株)プリンスホテル 1990.12.24
※阿仁スキー場を通常営業する代わりに本スキー場が休業となった。売却対象であるが、シティグループ・プリンシパル・インベストメンツ・ジャパンの買収対象から外れており、今後が心配である。2本ともフード付きデタッチャブルクワッドで、第1は日本ケーブル製、第2はメーカー未確認。U君さんの情報によれば日本ケーブル製。(2/17追記)
○田沢湖高原アッスルスキー場
・アッスル第1リフト (株)ドリームビジョン田沢湖開発 1988.12.17運輸開始
・アッスル第2リフト (株)ドリームビジョン田沢湖開発 1982.12.18運輸開始
・アッスル第3リフト (株)ドリームビジョン田沢湖開発 1990.12.25運輸開始
・アッスル第4リフト (株)ドリームビジョン田沢湖開発 1991.12.14運輸開始
※2000年に経営不振の本スキー場を地元宿泊業者等で設立した会社で引き取り営業を継続したが、ついに行き詰まり今シーズンの休業が決まった。第2は日本ケーブル製シングルで、残りはペアリフト。
○スポーツコム浦佐国際スキー場
・第3ペア (有)フィールドボックス 1984.12.21運輸開始
・第5ペア (有)フィールドボックス 1985.12.21運輸開始
※今シーズンから廃業する事が決まり、すでにリフト撤去も終了した。
○苗場スキー場
・第6高速 (株)プリンスホテル 1989.12.16運輸開始
※日本ケーブル製のデタッチャブルクワッド。休止か廃止は不明だが、今年のゲレンデマップから消えている。索道趣味さん、情報提供ありがとうございます。(2/17追記)
○ARAI MOUTAIN&SPA
・膳棚第1リフト 新井リゾート(株) 1993.12.19運輸開始
・山麓第1リフト 新井リゾート(株) 1994.12.22運輸開始
・山麓第2リフト 新井リゾート(株) 1994.12.22運輸開始
・小毛無第1リフト 新井リゾート(株) 1998.1.1運輸開始
※運営会社である新井リゾートマネージメントの特別清算により、今シーズンの営業を断念。資産は外資系投資会社が保有しており、施設の保全のみを行って来シーズンからの運営者を探している。
膳棚第1は安全索道製フード付きデタッチャブルクワッド、山麓第1は安全索道製ペア、山麓第2は安全索道製デタッチャブルペア、小毛無第1はフード付きデタッチャブルクワッドでメーカーを確認していないが、他が安索なので同じだと思われる。
○燕温泉スキー場
・燕第1/2ロマンス (株)プリンスホテル 2000.12.18
※一時は2005-2006シーズンから閉鎖と伝えられたが実際は営業が行われ、2006-2007シーズンは閉鎖となった。売却交渉を行っているようだが、売却先は未定。
○菅平高原
・大松山第1ペア 菅平大松山開発(株) 1986.12.19運輸開始
・大松山第2ペア 菅平大松山開発(株) 1988.12.17運輸開始
※今シーズン、スキー場公式マップから抹消された。両方とも日本ケーブル製。<五菱さん、情報提供ありがとうございます。
○八方尾根
・チャンピオンスカイペア 八方尾根開発(株)
・スカイライン第1ぺア 八方尾根開発(株)
・北尾根第2ぺア 八方尾根開発(株)
・咲花第1トリプル 八方尾根開発(株)
※今シーズン、スキー場公式マップから抹消された。チャンピオンスカイペアは安全索道製のデタッチャブルペア、スカイライン第1は日本ケーブル製の固定式ペア。残る2本はメーカー未確認。八方尾根開発とスカイパーク八方が統合された成果としてのリフト整理と推察される。<安索好きさん、情報提供ありがとうございます(2/17追記)
○立山山麓スキー場らいちょうバレーエリア
・第1パラレルA/B線 富山市or大山観光開発(株) 1983.1.10運輸開始
・第4ペア 富山市or大山観光開発(株) 1988.12.18運輸開始
※昨シーズンで富山県が運営から手を引いたため、富山市が引き取り第3セクターの大山観光開発に運営を委託した。旧県営リフトのうち今シーズン営業されないのはこの3本。地権者のうち1名が県から市への移管を承諾していないために、運行できないリフトが1本あると報じられたが、どちらが該当するかは不明。
第1パラレルは安全索道製。第4ペアは、確か安全索道か東京索道製である。
○牛岳温泉スキー場
・第7/8リフト 富山市 1980.2.1運輸開始
※設備老朽化のため本リフトの架かるユートピアゲレンデを今シーズン休止と告知している。このまま廃止の公算が高い。おそらく安全索道製。
○鳥越高原大日スキー場
※大雨でゲレンデが崩落し、リフト支柱2本が転倒。今シーズンの休業が決定した。
○万座温泉スキー場
・万座第1高速 (株)プリンスホテル 1987.12.19運輸開始
※2006-2007シーズンの同スキー場公式サイトのマップから抹消されており、今シーズンから廃止または休止されたと思われる。昨シーズンはマップには掲載されていたものの休止していた模様で、マップからの抹消は復活の意思がないか、来場者からの問い合わせ対応の煩雑さを回避するためと思われる。東京索道製デタッチャブルクワッド。
○表万座スキー場
・第3ロマンス (株)プリンスホテル 1984.12.29運輸開始
※2006-2007シーズンの同スキー場公式サイトのマップから抹消されており、今シーズンから廃止または休止されたと思われる。安全索道製ペア。本スキー場はシティグループ・プリンシパル・インベストメンツ・ジャパンへの売却が決定しており、今シーズンの営業体制が当面受け継がれるものと思われる。
○すずらん高原スキー場
・第1ペア 御嶽鈴蘭高原観光開発(株) 1986.11.29運輸開始
・第2ペア 御嶽鈴蘭高原観光開発(株) 1984.12.5運輸開始
・第3ペア 御嶽鈴蘭高原観光開発(株) 1988.11.27運輸開始
・第4ペア 御嶽鈴蘭高原観光開発(株) 1988.12.3運輸開始
※今シーズンから休止。
○上の台緑の村
・上の台緑の村リフト 安来市 1994.4.29運輸開始
※旧伯太町から合併に伴い引き継いだ人工芝スキー場用シングルリフト。平成18年度鉄道要覧から抹消。2006年4月1日付で安来市の設置条例が改正されており、2006年4月1日付で廃止の可能性が高い。<U君さん、情報ありがとうございます(2/17)
○グリーンピアなかがわ
・グリーンピアなかがわ第1 那珂川町 1986.7.20運輸開始
・グリーンピアなかがわ第2 那珂川町 1997.4.20運輸開始
※人工芝スキー場用ペアリフトで第1はスポーツスライドのスレッド&利用者運搬も兼ねていた。第2は実線側が屈曲で空線側が直線という三角形に架設された屈曲リフト。累積債務のかさむグリーンピアなかがわを大幅に縮小する事になり2005年度いっぱいで営業を終えたため廃止。廃止日がはっきりしないので2005年度に廃止の可能性もある。2本とも日本ケーブル製でこれにより国内の屈曲式チェアリフトは全廃となった(はず)。
なお、グリーンピアなかがわは、全国に展開されていた簡易保険によるグリーンピアとは無関係。
○烏帽子岳高原リゾートスポーツの里
・烏帽子岳高原リゾートスポーツの里リフト (財)佐世保観光コンベンション協会 1993.4.1運輸開始
※人工芝スキー場用ペアリフトで同施設営業見直しでスキー場を廃止する事になり、2005年度いっぱいで営業を終了。おそらく2006年4月1日付の廃止と思われる。日本ケーブル製で、日本最西端の索道・リフトであった。これによって日本で最西端の索道は、長崎スカイウェイ中腹駅(山麓)となったが長崎スカイウェイは12月29日から休止となったため、現役では長崎ロープウェイ稲佐岳(山頂)駅となる
なお、最西端のリフトとなったのは諫早市のいこいの森たかきリフトだが、こちらは長期休止中なので現役としては天山リゾート第2リフトになる。
廃止・休止線はこの程度で収まるとは思えないが、取りあえずアップする。
執筆日:2006年12月26日
加筆日:2006年12月27日/1月4・11日/2月17日/3月1日
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