カテゴリー「北陸信越運輸局」の記事

2006.12.26

番外編:2006年度の索道動向:特殊索道編

普通索道に引き続き特殊索道の2006年度の動向をまとめてみた。普通索道以上に抜けがあると思われるので、ドシドシご指摘いただけるとありがたい。

◎新規開業/運輸再開特殊索道
○富良野スキー場
・連絡リフト (株)プリンスホテル
※1982.12.18運輸開始の連絡リフト(東京索道製:シングル)を日本ケーブル製に架替、2006-2007シーズンから運輸開始。コクド流の命名なら連絡ロマンスリフトとなるはずだが、同スキー場公式サイトでも「連絡リフト」となっている。<GONさん、情報提供ありがとうございました
正式名称は「連絡リフト」で正解であることを確認。

○ルスツリゾート
・イゾラ第5ペア (株)加森観光 2006.12.2運輸開始
※ゴンドラとフード付きクワッドのみという非常にハイレベルな索道のみだったイゾラエリアに始めて登場した固定循環式リフト。どうもシーズンインの少雪期に山頂部のみで営業するために導入したようで公式サイトでも「オープン時~期間限定運行」と注釈入りで表示され、本格営業を開始した今では「ゴンドラ・リフト運行状況」の一覧から外されてしまった。本年は予定の11月23日から9日間遅れた12月2日に運行を開始し、気がついたらすでに運休していた。おそらく10日も営業していなかったと思われる。さすが加森というべきか、なんとも豪気な事である。しかし、完乗を目指すならわずかな期間に訪問せねばならずファン泣かせのリフトになりそうだ。<kikiさん、情報ありがとうございました
日本ケーブル製<07年1月現地調査で確認

○北大雪スキー場
・第1リフト (株)グランドレジャー 1979.12.11運輸開始
・第2リフト (株)グランドレジャー 1979.12.28運輸開始
※永らく休止していたが地主である国から返却か営業再開かを求められたため、春スキー期間の営業再開を決定。全4本の内2本を、2007年3月15日から5月6日まで営業する予定。

○雫石スキー場
・サンシャインリフト (株)プリンスホテル 2006.12.24運輸開始
※1981年12月22日運輸開始のサンシャインA/B線(日本ケーブル製シングルパラレル:A線は休止中)をペアリフトにリプレース。こちらもコクド流の命名ならばサンシャインロマンスとなるはずだが公式サイトでもサンシャインリフトとなっている。

○阿仁スキー場
・第2ロマンス (株)プリンスホテル 2000.12.19運輸開始
※近年は縮小営業を行っていた阿仁スキー場を平常営業に戻すに従い、休止していた第2ロマンスを再開する事になった。本スキー場はシティグループ・プリンシパル・インベストメンツ・ジャパンへの売却が決定しており、今シーズンの営業体制が当面受け継がれるものと思われる。

○たざわ湖スキー場
・銀嶺第1リフト 田沢湖高原リフト(株)
※「番外編:2005年度デビューの索道」に書いたように、2005年度から冬季国体向けにゲレンデ・リフト整備を進めており、銀嶺第1ロマンスを廃止し、位置をやや変えて銀嶺第1リフト(2人乗り、2.0m/s)を架設した。
機械は日本ケーブル製で、搬器の大部分は、東京索道製旧線からの流用らしい>U君さんの情報、ありがとうございました(2/17追記)

○鳥海高原矢島スキー場
・矢島クワッドリフト 由利本荘市
・矢島ペアリフト 由利本荘市
※3本あったペアリフトをフード付クワッド1本、ペア1本に整理した。ペアは旧線の移設or機器流用。クワッドは東京索道担当ながらドッペルマイヤーシステムだそうだ。<tuneさん、情報提供ありがとうございます

○妙高杉ノ原スキー場
・杉ノ原第2ロマンス (株)プリンスホテル
※1976年12月21日運輸開始の杉ノ原第1A/B線をリプレースしペアリフトを架設。公式サイトのブログ「杉ノ原日記」の画像によれば日本ケーブル製の模様。パノラマゲレンデにあったスノーパークが第2ロマンス横に移るようで、パノラマJバーリフトは、廃止もしくは休止の模様で公式サイトのゲレンデマップから抹消されている。

○奥伊吹スキー場
・第2ペアリフト 奥伊吹森林レクリエーション(株)
※奥伊吹スキー場は、リフトの正式名称と営業上使用している名称がまったく異なるので、今シーズンからペアリフトになったという第2ペアリフトの正式名称がわからない。とにかく、これで稼働中のリフトからシングルは無くなった。(1/4追記)

○ハチ北高原スキー場
・山麓ペア 鉢伏開発観光(株)
※登行リフトの正確が強い中央山麓リフト(1969年1月1日運輸開始:シングル)がペアリフトにリプレースされた。起点が並んでいたアルペン登行リフト(1983年12月19日運輸開始:シングル)も合わせて廃止されている。新リフトは神戸新聞記事の写真によると、日本ケーブル製と思われる。 ちゃきさんからいただいたコメントによれば樫山製との事。記事の写真を改めてよく見れば日ケではなさそう。思い込みは怖い。(1/11修正)

○奥神鍋スキー場
・登降ファミリーペアリフト (株)奥神鍋 2006.12.20運輸開始?
※駐車場とゲレンデの連絡リフト。かなり以前からの懸案であったがようやく実現した。「登行」という方が一般的だとおもうが、公式サイトで「登降」となっているのでこれが正しいのだろう。神鍋観光協会のサイトに掲載された写真によれば日本ケーブル製のように思われる。12月20日運輸開始は、この日に開通式が行われたようなのでこう記したが、営業運転は自然雪による営業が始まった後という事であるので、もっと遅い日で届け出る可能性もある。

○プラーナ
・松山ハイランドリゾートトリプル プラーナ 2003.12.21
※サレガランドプラーナという名称で2004-2005シーズンまで営業を行っていたが、資金繰りなどの事情で2005-2006シーズンは休業。今シーズンからプラーナという名称で運営を再開した。新設ではないが、紹介しておく。

◎休廃止特殊索道
○稚内公園
稚内公園スキー場第1リフト 稚内市 1980.12.10運輸開始
※日本で最北のリフトである稚内公園第1リフトが、利用者減とアクセス手段であるロープウェイの設備老朽化のため2006年3月21日限りで営業を終えた。実際には20・21日は吹雪のため運休しており実質的には19日が最終日となった。即日廃止を届け出ていれば2005年度の廃止になるが、ロープウェイと合わせて2006年4月1日付での廃止届出の可能性もある。
この結果、日本最北のリフトは、稚内市こまどりスキー場第1ペアリフトとなった。

○森吉スキー場
・森吉第1高速 (株)プリンスホテル 1987.12.19
・森吉第2高速 (株)プリンスホテル 1990.12.24
※阿仁スキー場を通常営業する代わりに本スキー場が休業となった。売却対象であるが、シティグループ・プリンシパル・インベストメンツ・ジャパンの買収対象から外れており、今後が心配である。2本ともフード付きデタッチャブルクワッドで、第1は日本ケーブル製、第2はメーカー未確認。U君さんの情報によれば日本ケーブル製。(2/17追記)

○田沢湖高原アッスルスキー場
・アッスル第1リフト (株)ドリームビジョン田沢湖開発 1988.12.17運輸開始
・アッスル第2リフト (株)ドリームビジョン田沢湖開発 1982.12.18運輸開始
・アッスル第3リフト (株)ドリームビジョン田沢湖開発 1990.12.25運輸開始
・アッスル第4リフト (株)ドリームビジョン田沢湖開発 1991.12.14運輸開始
※2000年に経営不振の本スキー場を地元宿泊業者等で設立した会社で引き取り営業を継続したが、ついに行き詰まり今シーズンの休業が決まった。第2は日本ケーブル製シングルで、残りはペアリフト。

○スポーツコム浦佐国際スキー場
・第3ペア (有)フィールドボックス 1984.12.21運輸開始
・第5ペア (有)フィールドボックス 1985.12.21運輸開始
※今シーズンから廃業する事が決まり、すでにリフト撤去も終了した。

○苗場スキー場
・第6高速 (株)プリンスホテル 1989.12.16運輸開始
※日本ケーブル製のデタッチャブルクワッド。休止か廃止は不明だが、今年のゲレンデマップから消えている。索道趣味さん、情報提供ありがとうございます。(2/17追記)

○ARAI MOUTAIN&SPA
・膳棚第1リフト  新井リゾート(株) 1993.12.19運輸開始
・山麓第1リフト  新井リゾート(株) 1994.12.22運輸開始
・山麓第2リフト  新井リゾート(株) 1994.12.22運輸開始
小毛無第1リフト 新井リゾート(株) 1998.1.1運輸開始
※運営会社である新井リゾートマネージメントの特別清算により、今シーズンの営業を断念。資産は外資系投資会社が保有しており、施設の保全のみを行って来シーズンからの運営者を探している。
膳棚第1は安全索道製フード付きデタッチャブルクワッド、山麓第1は安全索道製ペア、山麓第2は安全索道製デタッチャブルペア、小毛無第1はフード付きデタッチャブルクワッドでメーカーを確認していないが、他が安索なので同じだと思われる。

○燕温泉スキー場
・燕第1/2ロマンス (株)プリンスホテル 2000.12.18
※一時は2005-2006シーズンから閉鎖と伝えられたが実際は営業が行われ、2006-2007シーズンは閉鎖となった。売却交渉を行っているようだが、売却先は未定。

○菅平高原
・大松山第1ペア 菅平大松山開発(株) 1986.12.19運輸開始
・大松山第2ペア 菅平大松山開発(株) 1988.12.17運輸開始
※今シーズン、スキー場公式マップから抹消された。両方とも日本ケーブル製。<五菱さん、情報提供ありがとうございます。

○八方尾根
チャンピオンスカイペア 八方尾根開発(株)
・スカイライン第1ぺア 八方尾根開発(株)
・北尾根第2ぺア 八方尾根開発(株)
・咲花第1トリプル 八方尾根開発(株)
※今シーズン、スキー場公式マップから抹消された。チャンピオンスカイペアは安全索道製のデタッチャブルペア、スカイライン第1は日本ケーブル製の固定式ペア。残る2本はメーカー未確認。八方尾根開発とスカイパーク八方が統合された成果としてのリフト整理と推察される。<安索好きさん、情報提供ありがとうございます(2/17追記)

○立山山麓スキー場らいちょうバレーエリア
・第1パラレルA/B線 富山市or大山観光開発(株) 1983.1.10運輸開始
・第4ペア      富山市or大山観光開発(株) 1988.12.18運輸開始
※昨シーズンで富山県が運営から手を引いたため、富山市が引き取り第3セクターの大山観光開発に運営を委託した。旧県営リフトのうち今シーズン営業されないのはこの3本。地権者のうち1名が県から市への移管を承諾していないために、運行できないリフトが1本あると報じられたが、どちらが該当するかは不明。
第1パラレルは安全索道製。第4ペアは、確か安全索道か東京索道製である。

○牛岳温泉スキー場
・第7/8リフト 富山市 1980.2.1運輸開始
※設備老朽化のため本リフトの架かるユートピアゲレンデを今シーズン休止と告知している。このまま廃止の公算が高い。おそらく安全索道製。

○鳥越高原大日スキー場
※大雨でゲレンデが崩落し、リフト支柱2本が転倒。今シーズンの休業が決定した。

○万座温泉スキー場
・万座第1高速 (株)プリンスホテル 1987.12.19運輸開始
※2006-2007シーズンの同スキー場公式サイトのマップから抹消されており、今シーズンから廃止または休止されたと思われる。昨シーズンはマップには掲載されていたものの休止していた模様で、マップからの抹消は復活の意思がないか、来場者からの問い合わせ対応の煩雑さを回避するためと思われる。東京索道製デタッチャブルクワッド。

○表万座スキー場

・第3ロマンス (株)プリンスホテル 1984.12.29運輸開始
※2006-2007シーズンの同スキー場公式サイトのマップから抹消されており、今シーズンから廃止または休止されたと思われる。安全索道製ペア。本スキー場はシティグループ・プリンシパル・インベストメンツ・ジャパンへの売却が決定しており、今シーズンの営業体制が当面受け継がれるものと思われる。

○すずらん高原スキー場
・第1ペア 御嶽鈴蘭高原観光開発(株) 1986.11.29運輸開始
・第2ペア 御嶽鈴蘭高原観光開発(株) 1984.12.5運輸開始
・第3ペア 御嶽鈴蘭高原観光開発(株) 1988.11.27運輸開始
・第4ペア 御嶽鈴蘭高原観光開発(株) 1988.12.3運輸開始
※今シーズンから休止。

○上の台緑の村
・上の台緑の村リフト
 安来市 1994.4.29運輸開始
※旧伯太町から合併に伴い引き継いだ人工芝スキー場用シングルリフト。平成18年度鉄道要覧から抹消。2006年4月1日付で安来市の設置条例が改正されており、2006年4月1日付で廃止の可能性が高い。<U君さん、情報ありがとうございます(2/17)

○グリーンピアなかがわ
・グリーンピアなかがわ第1 那珂川町 1986.7.20運輸開始
・グリーンピアなかがわ第2 那珂川町 1997.4.20運輸開始
※人工芝スキー場用ペアリフトで第1はスポーツスライドのスレッド&利用者運搬も兼ねていた。第2は実線側が屈曲で空線側が直線という三角形に架設された屈曲リフト。累積債務のかさむグリーンピアなかがわを大幅に縮小する事になり2005年度いっぱいで営業を終えたため廃止。廃止日がはっきりしないので2005年度に廃止の可能性もある。2本とも日本ケーブル製でこれにより国内の屈曲式チェアリフトは全廃となった(はず)。
なお、グリーンピアなかがわは、全国に展開されていた簡易保険によるグリーンピアとは無関係。

○烏帽子岳高原リゾートスポーツの里

・烏帽子岳高原リゾートスポーツの里リフト (財)佐世保観光コンベンション協会 1993.4.1運輸開始
※人工芝スキー場用ペアリフトで同施設営業見直しでスキー場を廃止する事になり、2005年度いっぱいで営業を終了。おそらく2006年4月1日付の廃止と思われる。日本ケーブル製で、日本最西端の索道・リフトであった。これによって日本で最西端の索道は、長崎スカイウェイ中腹駅(山麓)となったが長崎スカイウェイは12月29日から休止となったため、現役では長崎ロープウェイ稲佐岳(山頂)駅となる
なお、最西端のリフトとなったのは諫早市のいこいの森たかきリフトだが、こちらは長期休止中なので現役としては天山リゾート第2リフトになる。

廃止・休止線はこの程度で収まるとは思えないが、取りあえずアップする。

執筆日:2006年12月26日
加筆日:2006年12月27日/1月4・11日/2月17日/3月1日

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2006.12.25

番外編:2006年度の索道動向:普通索道編

2006年度はまだ3ヶ月以上あるが、索道界としてはスキー場の新設索道が明らかになるこの暮れで、その全容がほぼ明らかになったと言っても過言でないだろう。そこで現時点で筆者が掴んでいる索道の動向を新設情報中心にまとめてみた。

正直言って、かなり抜けがあると思われるので、コメントでどんどん補足いただけるとありがたい。

まずは普通索道編。


◎新規開業普通索道

○ニセコ グラン・ヒラフ
・エースセンターフォーゴンドラ ニセコ高原開発(株) 2006.8.1運輸開始
※2006年度新設の普通索道は無いと思っていたら、とんだ伏兵が潜んでいた。→の「索道ニュース」でもお伝えしたように8月1日から10月9日まで、エース第2センターフォーリフトを流用してヒラフゴンドラのキャビンを使い、普通索道として営業した。白馬47とタングラムが2004年夏営業で導入したものと同様なクワッドの利用法だが、キャビンは夏冬兼用で使う点が新たな試みである。

◎休廃止普通索道
○稚内公園
稚内公園ロープウェイ 稚内市 1975.7.27運輸開始
※日本で最北の索道・ロープウェイである稚内公園ロープウェイが、利用者減と設備老朽化のため2006年3月31日限りで営業を終えた。最終営業日から2006年4月1日付の廃止と思われる。
この結果、日本最北のロープウェイは、大雪山層雲峡・黒岳ロープウェイとなっている。

○ニセコ東山スキー場
ニセコ東山ゴンドラ (株)プリンスホテル 1982.12.15運輸開始
※2005-2006シーズンでは休止と伝えられ、休止中のままコクドからプリンスホテルに譲渡された本ゴンドラは、キャビンを流用したアート作品が札幌近郊の公園で展示されており、プリンスの公式サイトのゲレンデマップからも抹消されている(ニセコ三山の共同サイトでは休止中として掲載)ので、休止中としても実質的には廃止と思われる。太平索道がミューラー社との提携で導入した単線自動循環式の最後の1本であった。

○ARAI MOUTAIN&SPA
・新井ゴンドラ 新井リゾート(株) 1993.12.19運輸開始
※運営会社である新井リゾートマネージメントの特別清算により、今シーズンの営業を断念。資産は外資系投資会社が保有しており、施設の保全のみを行って来シーズンからの運営者を探している。
安全索道製定員10名の立ち乗りゴンドラ。立ち乗りとしては、野沢温泉長坂(2代目)に次ぐ国内第2号機である。

○牛岳温泉スキー場
・牛岳ロープウェイ 富山市 1981.12.18運輸開始
※設備老朽化のため本ロープウェイでアクセスするユートピアゲレンデを今シーズン休止と告知している。このまま廃止の公算が高い。安全索道製交走式で、ワンスパンで谷を渡る。


○三峰山(埼玉県)

・三峰ロープウェイ 秩父鉄道(株) 1964.4.29運輸開始
※設備老朽化のため2006年5月19日から2007年5月31日までの予定で休止している。これを報じる中では、収支面で復旧に及び腰な様子も読み取れたので、発表どおり休止を終えるかどうか予断を許さない状況と思われる。

○箱根(神奈川県)
・箱根ロープウェイII期線 箱根ロープウェイ(株) 1960.9.7運輸開始
※三線自動循環式から複式単線自動循環式フニテルへの架け替えのため、2006年6月1日から2007年5月31日までの予定で運休中。2007年6月1日から新線の営業開始予定。2005年3月に宮島ロープウェイが二線自動循環式に改造され、後述の通り奈良ドリームランドスカイウェイが3月に休止されたため、この休止により日本独特の技術であった三線自動循環式は全て姿を消した。

○朝日村営鈴蘭シャンツェ(岐阜県)

・鈴蘭グループゴンドラ 朝日村 1996.2.10運輸開始
※『平成17年度鉄道要覧』には休止中として掲載されていたが、平成18年度版からは記載が無く、2005年度中、もしくは2006年4月1日付で廃止されたものと思われる。なお、朝日村は2005年2月1日付で高山市と合併しており、平成17年度版に朝日村として掲載されていること自体が問題であった。同シャンツェは現役ジャンプ台であり、2007年2月開催の第19回全国高等学校選抜スキー大会会場にも使われる予定である。運輸開始年から判るように老朽化とは考えにくく、運営コストが負担であったための廃止と思われるが、メーカーの太平索道が廃業した事も関係するかもしれない。高山市が2006年度に鈴蘭シャンツェの指定管理者を募集していたが、委託業務に索道は含まれておらず復活の目はなさそうだ。
本ゴンドラは、単線固定循環式を採用している点が珍しく、また普通索道完乗を目指す人には、競技関係者のみの利用となっていたために「乗れない」事で知られていた。
『鉄道ピクトリアル2001年4月増刊号 千年の京にありて』掲載の「単線固定式普通索道について」という記事が、本ゴンドラをまとめて紹介する数少ない文献と思われる。

○比良山スキー場
比良ロープウェイ 比良索道(株) 1962.8.16
※すでに本ブログでも取り上げたとおり2004年3月末を最後に休止していたが、『平成17年度鉄道要覧』には休止中で掲載されていたものの平成18年度版には記載がない。スキー場ゲレンデの復元作業の目途が立ったため、2005年度中か2006年4月1日付でリフト共に正式に廃止の手続きがとられたものと思われる。

○びわ湖バレイ
アルプスゴンドラ (株)びわ湖バレイ 1975.10.31運輸開始
※株式の大多数を持つ名鉄が、保有する全株を日本ケーブル系のNCリゾートに譲渡すると発表し、その報道の中で来季からはゴンドラを大型ロープウェイに架け替えると報じられた。筆者は、ゴンドラとは別位置にゴンドラの夏営業を行いながらの新線建設となると予想するが、今シーズンの終了と共に営業を休止する可能性も排除できない。営業を行った単線自動循環式普通索道では国内で2番目、現存する中では最古の施設であるので、機会があればこの冬に乗っておきたい。

○奈良ドリームランド

スカイウェイ (株)ドリームパーク 1961.7.1運輸開始
※『平成18年 鉄道要覧』に平成18年8月31日廃止予定として掲載されていたが、機器故障により2006年3月に運休し、そのまま再開することなくドリームランド廃園を迎えた。故障したのは制御盤らしく、代替の部品もないために簡単に修理とはいかなかったようだ。架設当時の機械がほぼそのまま残る三線自動循環式だったので、その廃線は惜しまれる。

○南レク御庄公園

御荘湾ロープウェイ 愛媛県 1977.8.10運輸開始
※設備老朽化と山頂駅付近を通る有料道路の無料化が決まり利用者減が見込まれるため、2006年3月31日限りで営業を終えると決定。実際は、3月27・28日の2日連続で宙吊り事故(27日は搬器が山麓駅構内で脱線、28日は4号柱脱索検出器誤作動)を起こし、29日に運休して総点検を行い、その結果、30・31日は運休となったために3月28日が最終営業日になった。稚内公園と同様、2006年4月1日付の廃止と思われる。
本ロープウェイは日本ケーブルが自社開発した単線自動循環式の最後の1本であり、この廃止によって純国産の単線自動循環式は姿を消した。
本ロープウェイが廃止され、2006年度に立山山麓ゴンドラが富山県から富山市(ないしは同市3セクの大山観光開発)に移管されたため、県営の普通索道は消滅した。

執筆日:2006年12月25日
加筆日:2006年12月26/27日

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2006.06.03

開田高原マイア 第3ペアリフト

開田高原マイア 第3ペアリフト
事業者名:開田高原開発株式会社(当時) 現在は 株式会社マイア
公式サイト:http://www.mia-ski.com/
所在地:長野県木曽郡木曽町開田高原西野
キロ程:822m
支柱基数:17基
高低差:136m
最急勾配:不明
輸送能力:1200人/時
搬器台数:137台 セフティバー付
速度:2.0m/s
回転方向:不明
動力:電気
許可年月日:1994年10月7日
運輸開始年月日:1996年12月9日
種別:特殊索道
方式:単線固定循環式
搬器定員:2人 モデルE
山麓:
山頂:
索道メーカー:日本ケーブル
鋼索メーカー:不明

観察日:2002年4月6日

最もベースに近い最下部の山に向かって右側をカバーするリフト。開設時の意図としては、初心者向けという位置づけだったのだろうが、横にパークがあるので、現在ではパーク利用者がメインターゲットだと思う。

延長800mを越えるリフトとなれば、中規模スキー場なら堂々と主役を張っていてもおかしくないクラスで、それがここでは脇役であるところが、マイアがイメージよりも規模が大きいという傍証だろう。

ただ、いくら滑り応えがある距離と言っても、コースバリエーションが多いわけではないので、半日で十分、1日居たら飽きそうだ。幸い、周りはスキー場が多いので、宿泊して翌日は他に行く手もある。筆者も濁河温泉温泉に泊まって、翌日はチャオ御岳に転戦した。

申し訳ないが、リフト画像はなし。たぶん山麓原動緊張の標準的なタイプだったのだと思う。最終日という事で、運転していなかったような気がするが、実は乗ったかどうかもはっきり覚えていない。

Miaticket

リフト券は、際立った特徴はないように思う。

執筆日:2006年6月3日
データ修正:2006年6月6日(U君さん提供)

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2006.06.01

開田高原マイア 第2高速ペアリフト

Mia02dp01

開田高原マイア 第2高速ペアリフト
事業者名:開田高原開発株式会社(当時) 現在は 株式会社マイア
公式サイト:http://www.mia-ski.com/
所在地:長野県木曽郡木曽町開田高原西野
キロ程:1241m
支柱基数:22基
高低差:302m
最急勾配:不明
輸送能力:1200人/時
搬器台数:不明
速度:4.0m/s
回転方向:反時計
動力:電気 210kw
許可年月日:1994年10月7日
運輸開始年月日:1996年12月9日
種別:特殊索道
方式:単線自動循環式
搬器定員:2人 モデルE
山麓:原動 車庫線
山頂:
索道メーカー:日本ケーブル
鋼索メーカー:不明

観察日:2002年4月6日

Mia02dp03開田高原マイアスキー場の上部にある中上級者コースをカバーするリフト。こちらはなかなか滑り応えがある。山頂から山麓まで一気に滑ると3200メートルで、後半が緩斜面ながらコースデータが滑走感と一致する。

山麓停留場付近にある回転展望レストハウス「ティーホルン」からの眺めはなかなか良かった。訪問日がシーズン最終営業日だったためか、軽食と飲み物のみだったが、一休みには最高。

デタッチャブルクワッドの設備をそのままロープゲージを小さくしたような設備。山麓原動は間違いないと思うが、緊張が山麓か山頂か観察や撮影が不十分だったのでよくわからない。山頂は終端装置のような気がするが自信なし。

安全索道製の場合、デタッチャブルトリプル/クワッドと同ペアでは、まったく構造の違う握索機だが、ここではクワッドと同形のようだ。

Mia02dp02

山頂停留場は、この位置から見ると非常にコンパクトに見える。

執筆日:2006年6月1日

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2006.05.30

開田高原マイア 第1クワッドリフト

Mia01dq01

開田高原マイア 第1クワッドリフト
事業者名:開田高原開発株式会社(当時) 現在は 株式会社マイア
公式サイト:http://www.mia-ski.com/
所在地:長野県木曽郡木曽町開田高原西野
キロ程:1655m
支柱基数:28基
高低差:264m
最急勾配:不明
輸送能力:2400人/時
搬器台数:不明
速度:4.0m/s
回転方向:反時計
動力:電気
許可年月日:1994年10月7日
運輸開始年月日:1996年12月9日
種別:特殊索道
方式:単線自動循環式
搬器定員:4人 モデルE
山麓:不明
山頂:原動 車庫線
索道メーカー:日本ケーブル
鋼索メーカー:不明

観察日:2002年4月6日

開田高原マイアスキー場は、長野県・開田村・清水建設などの出資による第3セクター「開田高原開発株式会社」により、1996年に開設された。初年度こそ見込み以上の実績を上げたが(来場者数85,000人・売上4億3300万円に対し113,000人・5億300万円)、次年度以降の伸びが予測を下回り、県・村・清水建設により再建策が実施されたものの予測以上に来場者数が減少、結局、再建を断念した。2002年6月にスキー場施設を村に無償譲渡、清水建設は村に5億1千万円を寄付して事実上の撤退する事となり、受け皿として村が98%出資する第三セクター「株式会社マイア」が設立され、清水建設以外の民間出資(北野建設・林野弘済会・昭和建物など)の株式保有が同社に譲渡された。その後、県を含む債権者が要請に応えて債権放棄をし、開田高原開発は解散した。その後、開田村が木曽福島町・日義村・三岳村と進めた合併協議の中で、スキー場は上下分離方式とし運営会社は純粋な民間会社とする事になり、開田村保有のマイアの株式は公募により売却する事になった。2005年度前半に株式の売却が実施されたはずだが、どこが購入したか迄は調べられなかった。少なくとも大手の資本が入ったわけではないようだ。

さて、予習はこれで終わり。訪問日を見ていただければ判るように、計画した段階では清水建設の撤退が取りざたされ、開田高原開発の再建断念が話題となっていた頃。もしかしたら、最後のチャンスかと思い訪問を計画したわけだ。

ゲレンデはロングコースが主体で、これを上下に配置された2本の長大デタッチャブルリフトでカバーするという体制。リフトの機種や配置、初中級主体のコースといい、まさにバブルの申し子のようなスキー場。これが、もっと大都市の近くにあるか、せめて高速道路が最寄にあればもっと人気が出たのは間違いないと思うが、いかんせん規模の割に都市部からの時間距離が大きく、苦戦もやむを得ない。地形的には拡張の余地はあるので、当初の計画では、もっと大規模なスキー場を想定していたのかもしれない。

この第1クワッドは、初中級コースであるゲレンデ下部をカバーするメインリフトだ。

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日本ケーブル製で、山麓・山頂両停留場ともETタイプの機械カバーを採用する。同年製の牧の入第6クワッドは丸パイプ鋼管柱にトーションバースプリングの現行の握索機であるのに対し、角錐柱で皿バネの握索機になっている。許可日から営業まで1年以上かかっているので、日ケの中で世代交代があったにも関わらずあえて旧タイプで建設したか、混在の時期があったものと思われる。

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日ケでは1990年頃から採用している作業アーム。旧タイプでは山形鋼を組み合わせたトラス構造であったが、これは角パイプ鋼管のラーメン構造となっている。

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車庫線は山頂にある。これからもなだらかな斜面に架設されている事がわかるだろう。車庫線の後にそびえるのは御岳山。

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山頂原動であるのは間違いないと思われるが、山麓が終端か緊張かがわからない。機械は木島平の池の平第1クワッドと同じに見えるが、山麓停留場機械にはっきりはしないが摺動レールらしきパーツが写っており、これが正しければ山麓緊張という事になる。そうなると池の平第1クワッドを山麓原動緊張と判断したのは誤りだったのかもしれない。機会があれば、両者とも再度確認に訪問してみたいが・・・

執筆日:2006年5月30日

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2006.05.28

芦峅寺ペアリフト ~廃スキー場の廃線

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芦峅寺ペアリフト
事業者名:立山町
公式サイト:http://www.town.tateyama.toyama.jp/gotate/gotate_ski.html
所在地:富山県中新川郡立山町
キロ程:351m
支柱基数:8基
高低差:71m
最急勾配:不明
輸送能力:1200人/時
搬器台数:不明
速度:1.8m/s
回転方向:反時計
動力:電気 37kw
許可年月日:1989年10月11日
運輸開始年月日:1989年12月25日
廃止年月日:2004年3月
種別:特殊索道
方式:単線固定循環式
搬器定員:2人 モデルE
山麓:原動緊張(油圧)
山頂:終端
索道メーカー:日本ケーブル
鋼索メーカー:不明

観察日:2006年4月18日

富山県立山町の町営芦峅寺スキー場のリフト。立山山麓三スキー場とは常願寺川の対岸という位置関係にあり、その規模から純然たる町民スキー場だったと思われる。2004年3月でスキー場が廃止され『平成16年版 鉄道要覧』には早くも記載がない。

現在、営業継続を協議中のらいちょうバレーゴンドラの様子を見に行った帰りにふと思い出して寄った。廃止後2年となるが、まだちょっとした整備で使えそうに見える。しかし、すっかり油圧シリンダーの圧力が抜けており、ロープが弛緩しているありさまは廃線である事を感じさせた。

建設時の正式名称は芦峅寺第2ペアリフト。といっても、第1ペアリフトがあったわけではなく、第1リフトというシングルリフトが1本架かっていたため。

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営業中ではなかかアップが撮りづらいホームの運転スタンドを撮ってみた。日本ケーブルの可変速仕様の固定循環式リフトでは標準的なタイプ。製作年次によってモデルチェンジがあるのか、ランプの配置などで違いが見られるが機能などには大きな違いはないようだ。

上に上下2列に5つ並ぶパイロットランプは運転速度を表し、このリフトの場合、上段は左から「速度1 1.8m/s」「速度2 1.6m/s」「速度3 1.3m/s」、下段は左が「可変速」右の黄色のランプが「減速 1.0m/s」となっている。リフトによって、割り当ての速度は違うが、「速度1」がこのリフトの許可上の最高速度になっているので、リフト乗車の際にこのスタンドを読み取れば、設計速度がわかるわけだ。残念ながら他社ではここまで詳細な情報がスタンドで得られない。この速度1~3は、運転室内の運転盤のボタンで速度設定をする。「可変速」というのは運転盤のダイヤルで無段階で設定した速度で運転している状態で、営業中にはあまり見ない。保守などの際に、微速運転をするときに使うようだ。「減速」は運転盤でも設定できるが、このスタンドのスイッチでも減速運転に移行できる。

真ん中の大きな赤い円が非常停止ボタン、その下の小さなボタンが常用停止ボタン、最下部で2つ並ぶのは、左側の緑のボタンが「信号」で、確か停留場でブザーかベルを鳴らす。右側の黒いレバー状のスイッチが、減速と高速の切換で、高速側にすると運転盤で設定してある速度1~3のいずれかで動くという仕組みだ。

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これがゲレンデの全景で、このリフトで行けるのは左側の低い位置までだった。右側のピークには前述の第1リフトが架設されており、その線路跡はこのように今でもはっきり判る。『鉄道要覧』には平成14年版まで第1リフトが掲載されていたが、スキー場ガイドでは、実業之日本社版では2002年シーズンから、山と渓谷社版では2003年シーズンからシングルリフトの記載が無くなっており、この頃からシングルの営業を取りやめたものと思われる。

このスキー場は、以前からシーズン以外は立山に物輸するヘリの基地としても使われており、現在でもヘリの発着が行なわれることがあるようだった。


執筆日:2006年5月28日

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2006.05.24

らいちょうバレーゴンドラ ~唯一の県営ゴンドラだったが・・・

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らいちょうバレーゴンドラ
事業者名:富山県(企業局)
公式サイト:http://www1.coralnet.or.jp/sanreku/
       http://www.pref.toyama.jp/cms_sec/71/index.html
所在地:富山県富山市本宮字花切割
キロ程:1831.57m
支柱基数:16基
高低差:619.20m
最急勾配:34度4^\:,1分
輸送能力:900人/時
搬器台数:80台
速度:3.5m/s
回転方向:不明
動力:電気 225kw
許可年月日:1976年8月9日
運輸開始年月日:1977年1月15日
種別:普通索道
方式:単線自動循環式
搬器定員:4人
山麓:山麓駅 車庫線あり
山頂:山頂駅
索道メーカー:安全索道
搬器メーカー:不明
鋼索メーカー:不明

観察日:2006年4月18日

1976年1月にオープンした「らいちょうバレースキー場」のメインライン。県営のスキー場は他にもあるが、県が直営というのは珍しく、特に普通索道を直営したのはここだけと思われる。富山県は県営事業に熱心で、現在の富山地鉄の一部が戦前には県営鉄道であったことはレールファンに知られるが、戦後も発電事業を中心に、水道事業やゴルフ練習場、駐車場経営なども行なっている。

近代的なゴンドラ(単線自動循環式普通索道)としては国内で4番目の架設で、「ゴンドラ」に先進的なイメージがあったためか、スキー場名まで「富山県営ゴンドラスキー場」としてゴンドラがある事をアピールしていた。1990年代初めに「らいちょうバレー」と改称している。架設当初のゴンドラ正式名は立山山麓ゴンドラ

高速道路の延伸により、白馬・妙高方面へのアクセスが改善されたために、関西方面からの集客力が落ちた上に頼みの地元客まで逸走したため来場者数の減少が激しく、県では2005年度に同年度での経営撤退を表明。2006年3月12日を最後に営業を終えた。

このエリアは、老舗の粟巣野スキー場、旧大山町第3セクターの開発した極楽坂スキー場があり、当スキー場も含め立山山麓スキー場として古くから共通リフト券が設定されており、特に極楽坂とはゲレンデ上部で相互に滑り込めるように接続されていた。そのため本スキー場の閉鎖は極楽坂スキー場の集客力にも影響し、また民業育成のためスキー場では宿泊設備や供食施設を持たなかったため、進出してきた民間会社や個人経営の宿泊施設・店舗にも壊滅的な打撃を与える。そのため、大山町から極楽坂の第3セクターを引き継いだ富山市では、富山県から本スキー場の事業譲渡を受ける方向で調整中である。おそらくは、来シーズンは極楽坂と一体化して運営されると思われるが、現状では決定したわけではない。

本ゴンドラは、例年はグリーンシーズンの営業を行っていたが、前述のような状況であるので今年は行なっていない。このような状況では、決まるまでは暫定的に営業する事も少なくないだけに富山県の不退転の決意が見える。

これで困っているのが、ゴンドラを使ったパラグライダー滑空を行なっていた立山パラグライダースクール。とりあえず今年は極楽坂クワッド山頂まで車で登るようだが、スノースポーツ関係者以上に事態を気にしているのかもしれない。

こういう状況なので、栂池の帰りに山麓駅に寄ってきた次第。もしかしたら、グリーンシーズンの暫定営業のお知らせでもないかと思ったのだが、残念ながら「営業終了のご挨拶」のみだった。

なお筆者は1980年代の終わり頃に1回だけここで滑走しており、むろんゴンドラにも乗車している。その当時の(索道的な)目玉は屈曲リフト(安全索道製)の存在で、現在の第5ペアに相当するリフトが、途中で屈曲してもっとゴンドラ山頂に近い位置まで登っていた。

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山麓停留場の窓から、車庫線に格納された搬器が見える。架設当初はポマガルスキー社4人乗りゴンドラ独特の卵型搬器(びわ湖バレイと同じ)であったが、獅子吼高原ゴンドラと同タイプと思われるESPACE4形へ1990年代半ばに交換されたようだ。

執筆日:2006年5月24日

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2006.05.22

つが第2ペアリフト

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つが第2ペアリフト
事業者名:白馬観光開発株式会社
公式サイト:http://www.tokyu-hakuba.co.jp/
所在地:長野県北安曇郡小谷村栂池高原
キロ程:626m
支柱基数:13基
高低差:136m
最急勾配:不明
輸送能力:1200人/時
搬器台数:105台
速度:不明(キロ程と搬器台数から逆算すると2.0m/s)
回転方向:時計
動力:電気
許可年月日:1987年8月27日
運輸開始年月日:1987年11月20日
種別:特殊索道
方式:単線固定循環式
搬器定員:2人
山麓:原動緊張(油圧)
山頂:終端
索道メーカー:安全索道
鋼索メーカー:不明

観察日:2002年1月26日/2006年4月17日

4月の再訪時に乗車し、画像を撮影してきたので、再度、記事をアップしておく。旧記事はこちら

さて本リフトは、栂池高原スキー場最上部の栂の森ゲレンデにある。中級者向けゲレンデあるが、幅があるためにしっかりとボーゲンができれば初級者でも滑走可能だろう。しかし、今回の訪問時にはダウンヒルスーツを着た中学か高校生ぐらいの少年が練習をしていたのでかなり滑走場所が限られていた。

シーズン当初に真っ先にオープンし、春スキーシーズンに最後まで営業するゲレンデだ。しかし今シーズンは積雪量が豊富なため4月の半ばの訪問時でも、リフトこそ営業終了しているものの最下部まで滑走可能だった。むろん雪質は下部よりははるかに良かった。

ゴンドラからの乗り継ぎを考えるとつが第1ペアよりもこちらの方が使い勝手がよく、そのためか第1ペアは運休し、こちらのみの営業だった。

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ご覧のとおり安索の標準的なペアリフトで、原動装置もお馴染みのカマボコ形機械室タイプだ。

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さて、これが栂池のICカードリフト券。ICカード採用スキー場では割と多く見かけるタイプだ。これまで紹介した中では、鷲ヶ岳がまったく同じに見えるICカードだったが、あちらは「KASHIYAMA」というロゴ入りだった。こちらは「FUJI ELECTRIC」のロゴ入り。富士電機の開発したこのシステムは、当初は直販していたのか、直販と樫山工業経由の併売体制かのどちらかと思われる。

なお、栂池関係の以下の記事はデータのみの追加や画像の追加や差し替えを行なったので、よければご覧いただきたい。

つが第1ペア
からまつ高速ペア
白樺クワッド
ハンの木第1クワッド
ハンの木第3クワッド
栂池中央トリプル
ぶなリフト
しゃくなげリフト

これで、今回の栂池高原訪問関係の記事は打止め。
おそらく今年は、奥只見丸山や月山に行くことはないので、今シーズンのレポートもこれで終了とする。なお、観光ロープウェイ/リフトの訪問は機会があれば行い記事をアップする他、一昨シーズン以前の訪問レポートや索道関係の解説記事も随時アップするので、グリーンシーズンだからといって、休眠状態に入るわけではないので、時々はご覧いただきたい。

執筆日:2006年5月22日

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2006.05.18

栂池ゴンドラ“イヴ” ~架設時国内最長普通索道

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栂池ゴンドラ “イヴ”
事業者名:栂池ゴンドラリフト株式会社
公式サイト:http://www.tokyu-hakuba.co.jp/
所在地:長野県北安曇郡小谷村栂池高原
キロ程:4120m
支柱基数:33基
高低差:743m
最急勾配:34度11分
輸送能力:1800人/時
搬器台数:不明
速度:4.0m/s
回転方向:反時計
動力:電気 第1区間 125kw 第2区間 450kw
許可年月日:1982年4月16日
運輸開始年月日:1982年11月30日
種別:普通索道
方式:単線自動循環式
搬器定員:6人
山麓(栂池高原駅):第1区間重錘緊張 車庫線あり
中間(白樺駅)第1区間原動 第2区間重錘緊張 車庫線あり
山頂(栂の森駅):第2区間原動 車庫線あり
索道メーカー:安全索道
搬器メーカー:天龍工業(1999年交換)
鋼索メーカー:不明

観察日:2002年1月26日/2006年4月17日

本ゴンドラについては、既に2005年9月14日付けで記事をアップしているが、再訪問によって画像やデータの追加があったのでリライトした記事をアップする。前回の記事も合わせ読んでいただけるとありがたい。

観察日で判る通り、今回は春スキー期間の訪問。日曜深夜に到着時点での駐車場には、十数台の車があったが車内泊組らしき車は数台、4月の平日でこの台数はさすが栂池と言っておこう。栂池の車内泊は初めてで夜間トイレが判らず探した結果、中央駐車場の入口付近にある栂池会館のトイレが使えることを発見した。ここはセンサー点灯式の室内灯で明かりが点いていないので最初は開いている事がわからなかった。

栂池ロープウェイの営業も再開されているので、ゴンドラは栂池パノラマウェイの一部としての役割も持つ。

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山麓停留場は屋外で並ぶ距離を短縮するため、この手前側の建物内を回るように2階に上がり乗り場に向う構造になっている。こういう閑散期にはショートカットルートが欲しいところだ。左手のコンクリート打ちっぱなしの建物は「栂の湯」。

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ゲレンデ側からから見れば一般的なゴンドラ駅舎だ。

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これは山麓停留場内部。車庫線は山麓・中間・山頂に分散して置かれる。ここの貨物搬器は日本ケーブルの作業搬器兼用の搬器とは異なり、線路整備用の足場などはないようだ。

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山麓側から見た中間停留場。支柱と一体化した重錘室があり、停留場から緊張索が伸びる。

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中間停留場内部。第1区間と第2区間は僅かに屈曲している。それぞれの区間が独立して運転できるように、場内レールや押送が設備されているのがわかる。

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こちらが山頂停留場内。ちなみに改札は山頂停留場出口に設置されてる。

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前回の訪問では撮影しそこなった搬器のメーカースプレートを発見した。

建設当時のスペックでは輸送能力は1350人/時になっていたが、「Yahoo!スキー&スノー」によれば、現在の輸送能力は1800人/時。いつ、輸送力が増強されたのかは不明である。普通に考えれば1999年の搬器交換時だが、来場者数の減少が問題となっていたこのタイミングで輸送力を増強したとも思えず、それ以前のような気もする。

執筆日:2006年5月18日

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2006.05.16

栂池ロープウェイ ~実は山スキーでも使える

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栂池ロープウェイ
事業者名:栂池ゴンドラリフト株式会社
公式サイト:http://www.tokyu-hakuba.co.jp/
所在地:長野県北安曇郡小谷村栂池高原
キロ程:1194m
支柱基数:1基
高低差:247m
最急勾配:24度06分
輸送能力:720人/時
搬器台数:2台
速度:7.0m/s
動力:電気
許可年月日:1994年3月8日
運輸開始年月日:1994年7月20日
種別:普通索道
方式:三線交走式(1支索2えい索)
搬器定員:71人
山麓(栂大門駅):
山頂(自然園駅):
索道メーカー:安全索道
搬器メーカー:大阪車輌工業
鋼索メーカー:不明

観察日:2002年1月26日/2006年4月17日

起点は栂池高原スキー場内にあるが、スキー客輸送用ではなく、終点はスキー場エリアからはずれた栂池自然園の入口近くになる。架設目的は、グリーンシーズンの栂池自然園への旅客輸送。以前は、林道により栂池自然園まで車の乗り入れが可能だったが、本ロープウェイ架設に伴い一般車両の乗り入れは禁止された。一般客は、ゴンドラとロープウェイを乗り継ぐ栂池パノラマラインの利用となる。

冬季間は運休しているが、春山シーズンには運転を再開し、自然園の雪上トレッキング客や山スキーヤーの登山手段として使われる。山頂駅からハイクアップすれば、ヘリスキーにも使われる本格山岳スキーコースにアクセスできるが、実はこの山岳スキーコースの末端は山頂駅近くを通る林道。つまり、林道を滑るつもりならこのロープウェイに乗れる。ただし、あくまでもゲレンデスキーではなく山スキーなので、入山届を提出しないとならないし、スキー場の1日券は使えず、そのつどロープウェイ乗車券を買わないとならない。これがなんと720円ともなれば、人には勧められない。

Tugaikerwticketここはスキーシーズンに山麓駅だけ見に来た事があり、そのときのレポートはこちら。今回はようやく乗車を果たす事ができた。

最初は大人しくロープウェイで往復するつもりだったが、片道を滑れば安いし、ロープウェイ撮影も出来るかもしれないと考え、滑っても良いと聞いて(サイトの説明を読むと、スキー滑走は禁止としか思えないのだ)片道乗車券を買い求めた。田舎の私鉄かバスのような軟券だった。

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山麓駅は、ゴンドラ山頂駅からやや離れた「つが第1ペアリフト」乗り場の近くにある。木に囲まれたなかなか良い雰囲気だ。

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ホームは安全索道が提携先のポマガルスキーから導入した、触れ止め兼用の桟橋が油圧でせり出すタイプ。前回のレポートには、冬季間にサスペンダーから外されて、停留場にカバー付きで保管してある搬器の画像を掲載してある。

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2台の搬器は微妙に塗装が異なる。ロープウェイ搬器や鋼索鉄道車両など特殊な鉄道関係の箱物を多く手がける大阪車輌工業製だ。

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山頂駅に着くと、入山についての注意事項の説明がある。主に自然保護と遭難防止の観点からの説明で、筆者のようにロープウェイが目的で林道を滑って降りるような変な入山者には無縁の話だが、拝聴しないと入山できないのだからしかたがない。ちなみに筆者と同じ便に乗った人は、自然園目当てのトレッカーとハイクアップしての山スキーヤーで、筆者のような軟弱者はいなかった。ハイクアップは興味は無いが、スノーシューでの雪上ハイクには興味があるので、役立つ話であるのは確かなのだが、10分近くかかるので、折り返しの便は出発してしまった。撮影チャンスを1回逃した。

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なかなか魅力的なロケーションの山頂駅を後に滑り出し、途中でトップで使用した画像の撮影を行い栂の森ゲレンデに戻った。

執筆日:2006年5月16日

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