カテゴリー「九州運輸局」の記事

2007.02.16

耶馬溪観光リフト

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耶馬溪観光リフト

事業者名:羅漢寺観光株式会社
公式サイト:たぶんなし
所在地:大分県中津市本耶馬渓町跡田
キロ程:432m
支柱基数:13基
高低差:不明
最急勾配:不明
輸送能力:不明
搬器台数:89台
速度:不明
回転方向:反時計
動力:電気
許可年月日:1967年10月2日
運輸開始年月日:1969年4月19日
種別:特殊索道
方式:単線固定循環式
搬器定員:1人
山麓:禅海寺 原動停留場
中間:羅漢寺
山頂:鶴の国 緊張(重錘)停留場
索道メーカー:不明
鋼索メーカー:不明

観察日:2006年11月1日

大分県を代表する観光地である耶馬溪・青の洞門にもほど近い羅漢寺にアクセスするリフト。ただし、羅漢寺の最寄は中間停留場であり、山頂駅は羅漢寺には関係ない。停留場名から察するに、以前はなんらかの施設があったようだが、現在は展望台ぐらいしかめぼしい設備はない。

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山麓停留場にほど近い駐車場から見た停留場。どうもこの駐車場の整備は最近の事らしく、舗装も真新しかった。画像からも分かるように少し高い位置にある。

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停留場にあった案内図。なんとも言えない昭和の香りがする絵柄だ。

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原動装置は比較的近年になってから更新されたものと思われる。モーターは地下(床下?)にあるようだ。

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原動滑車の形状から、更新は日本ケーブルが施工したように思われるが、確証はない。

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1・2号柱はコンクリート製。

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3号柱から中間停留場まではトラス支柱である。

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中間停留場と搬器。

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中間停留場から羅漢寺に向かう遊歩道から見た中間駅。中間駅の乗降は上り線のみ可能で下り線は乗車のみ可能。山頂までの往復乗車券は中間駅での途中下車が可能であるが、上りのみに限られ、まず山頂に上がり、帰りに羅漢寺に寄る事はできない。なお、山頂から降りる道はないと言う事で、山頂までの乗車券は往復のみとなっている。ちなみに中間までの乗車券は、片道と往復の2種類がある。したがって、下りの中間駅での下車を認めると、山麓→山頂→中間という利用も認めざる得ないので扱いが煩雑になるので、このような営業形態をとっているのではないかと推察したのだが、はたして正解だろうか?

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羅漢寺はこのような崖に位置し、一見の価値はある。

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中間停留場から上部にはトラス支柱はなく、このようなパイプ支柱となる。

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ただし、11~13号柱はコンクリート支柱だ。このような支柱構造の違いをみると最初に中間停留場まで開通し、後に延長されたのではないかとも思えるが、研究不足で真相は不明だ。

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山頂停留場は重錘式緊張停留場。

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観光リフトらしく、山麓・中間・山頂共に停留場全体に屋根が架かっている。

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これが山頂にある唯一の施設らしい施設である展望台。樹が茂っているためにこれに上らないとまったく展望が開けない。

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設備面での特徴は、この画像にあるとおり、1台の握索機に2組の握索装置が組み込まれているダブルグリップであること。これは、以前の索道規則で最急勾配が30度を越える路線においてはダブルグリップが義務付けられていたためと思われる。


執筆日:2007年2月16日

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2007.02.15

いこいの森たかきリフト ~日本最西端のリフトだが・・

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いこいの森たかきリフト

事業者名:諫早市
公式サイト:http://www.takaki-kanko.com/mori.htm
所在地:諫早市高来町善住寺
キロ程:312m
支柱基数:不明
高低差:不明
最急勾配:不明
輸送能力:不明
搬器台数:不明
速度:不明
回転方向:反時計
動力:電気
許可年月日:1993年6月29日
運輸開始年月日:1993年10月1日
種別:特殊索道
方式:単線固定循環式
搬器定員:1人
山麓駅:原動緊張(油圧)停留場
山頂駅:終端停留場
索道メーカー:日本ケーブル
鋼索メーカー:不明

観察日:2006年11月1日

2005年3月1日付けで諫早市に合併した高来町が開設した「いこいの森たかき」グラススキー場に設置されたリフト。高来町の時代にグラススキー場が休止され、それに伴いリフトも休止している。

休止の時期を正確には把握していないが、諫早市議会の平成17年第3回定例会(7月)会議録を見ると「グラススキー場とリフトは休止してから5年ほどたつが」という答弁があり2000年ごろに休止したことがわかる。

2001年3月31日限りで休止とやまもと様からコメントをいただきました。
 ありがとうございました。

先日紹介した佐世保の「えぼし岳高原リゾートスポーツの里リフト」が廃止された結果、書類上は日本最西端のリフトとなったが休止中であるのでタイトルホルダーと言えるかどうかは微妙だ。現役のリフトでは天山スキー場第2リフトが日本最西端になると思われる。

長崎本線湯江駅付近で国道207号線をはずれ、県道136号線を北上すると「いこいの村たかき」と「いこいの村長崎」に着く。

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この案内板を見る限りでは中間停留場があったものと思われる。

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搬器はこの通り取り付けられたまま。観光リフトの場合、日よけが付けられている事が多いが、本リフトではスキー用と同じ仕様に見え、まさにグラススキー用であった事を思わせる。

再開するにはそれなりの整備費用がかかると思われ、昨今の情勢を考えると復活する可能性は低いものと思わざる得ない。


執筆日:2007年2月15日
修正日:2007年9月22日(休止日を補足)

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2007.02.14

雲仙ロープウェイ ~雲仙普賢岳を横目に登る

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雲仙ロープウェイ

事業者名:雲仙ロープウェイ株式会社
公式サイト:http://www6.ocn.ne.jp/~unzenr.w/index.html
所在地:長崎県雲仙市小浜町雲仙551番地
キロ程:481m
支柱基数:1基
高低差:145m
最急勾配:30度40分
輸送能力:不明
搬器台数:2台 ぎんが、きんせい
速度:3.6m/s 1958年6月に3.0m/sより変更
動力:電気 75kw
許可年月日:1956年11月8日
運輸開始年月日:1957年7月15日
種別:普通索道
方式:1支索2曳索三線交走式
搬器定員:36人 1962年3月に31人乗りから変更
山麓駅:仁田峠駅 緊張停留場 支索/平衡索 重錘式
山頂駅:妙見岳駅 原動停留場
索道メーカー:安全索道
鋼索メーカー:帝国産業 (緊張索のみ東京製綱)
搬器メーカー:大阪車輌工業 1993年

観察日:2006年11月1日

雲仙ロープウェイはツツジで有名な仁田峠と雲仙妙見岳を結ぶ路線で、1957年に開業した。妙見岳は1990年に噴火活動を開始した普賢岳に隣接しているが、噴火活動は妙見岳の反対側で発生したためにロープウェイ側の被害はそれほど大きくなかったようだ。

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駐車場から少し上った位置に山麓駅舎が建つ。駅舎1階にはきっぷ売り場と売店がある。

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駅舎内の階段で乗り場に向かう構造が一般的だが、ここは駅舎外側の階段で乗り場に向かう。天気が悪ければロープウェイ利用者はかなり限られると思われ、こ のような斜面を巧みに利用した駅舎ならば、それなりに合理的な配置と思われるが、今となってはバリアフリー化は難しいレイアウトといえよう。懸垂式スロー プカーでも設置するしかなさそうだ。

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歴史を感じさせる階段式プラットホーム。

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こちらが山頂駅。以前はさまざまな設備があったようだが、現在はその一部が噴火活動の展示室になっているに過ぎない。屋上は展望台になっているが、ロープウェイウオッチングの絶好のポイントでもある。

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山頂から見た1号搬器「ぎんが」。

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「ぎんが」の搬器銘板。

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搬器内部の銘板。

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こちらが2号搬器「きんせい」。
「ぎんが」「きんせい」の愛称の由来は、よくわからない。現行の搬器は先の画像にあるように1993年製であるが、公式サイトには「1962年 3月に31人乗りを36人乗りに変更」という趣旨の記述があるので、現行の搬器は少なくとも3代目、4代目の可能性もある。なお、公式サイトには開業当初は26人 乗りという記述もあるが、これは搬器交換をせずに26人から31人に定員を増加させたのか、26人乗りないしは31人乗りという記述が間違っているのかは 不明であり、今後の研究課題である。


執筆日:2007年2月14日

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2007.02.13

えぼし岳高原リゾートスポーツの里リフト ~失われた日本最西端の索道

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えぼし岳高原リゾートスポーツの里リフト

事業者名:(財)佐世保観光コンベンション協会
公式サイト:http://www.sasebo99.com/sight_sasebo/ebosi.shtml
所在地:佐世保市烏帽子町
キロ程:219m
支柱基数:6基
高低差:不明
最急勾配:不明
輸送能力:不明
搬器台数:不明
速度:不明
回転方向:反時計
動力:電気
許可年月日:1992年7月31日
運輸開始年月日:1993年4月1日
廃止年月日:2006年
種別:特殊索道
方式:単線固定循環式
搬器定員:2人
山麓駅:原動緊張(油圧)停留場
山頂駅:終端停留場
索道メーカー:日本ケーブル
鋼索メーカー:不明

観察日:2006年10月31日

佐世保市の最高峰烏帽子岳の山頂付近に整備されたレクリエーション施設「えぼし岳高原リゾートスポーツの里」内の人工芝ゲレンデ及びスポーツスライド用のリフト。利用者減とゲレンデならびにリフトの補修が必要となったため2005年度限りで廃止された。廃止日は未調査であるが2006年3月末限りで廃止とされていたので、2006年4月1日付の索道事業廃止と思われる。

長崎スカイウェイよりも西に位置するため、国内最西端の索道であったが、ここの廃止により日本最西端の索道は「長崎スカイウェイ」となった。しかし、長崎スカイウェイは2006年12月29日から休止となったために、現役の日本最西端の索道は長崎ロープウェイという事になる。

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以前から存在は気になっていたが、思いもよらぬ廃止の情報を受け、その跡地だけでも拝もうと寄った次第である。施設正門からゲレンデとリフトは確認できた。

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リフト本体は、日本ケーブルの標準的なペアリフト。DX機械カバーの2コラム式原動緊張装置を採用していた。

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休止後、半年以上経った割には、まだ陽に光るスポーツスライドの走路が虚しい。

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野ざらしで置かれていたモデルE搬器。

なお、ゲレンデはリフトに沿ったメインバーンは閉鎖されていたたが、ベース部でメインバーンに相対する小斜面はそり用に開放されていた。

執筆日:2007年2月13日

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2006.01.07

五ケ瀬ハイランド 第3ペアリフト

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五ケ瀬ハイランド 第3ペアリフト
事業者名:五ヶ瀬町
スキー場名:五ケ瀬ハイランドスキー場
公式サイト:http://www.gokase.co.jp/ski/index.html
所在地: 宮崎県西臼杵郡五ヶ瀬町大字鞍岡
キロ程:312m
支柱基数:8基 高低2段式
高低差:不明
最急勾配:不明
輸送能力:不明
搬器台数:66台
速度:不明
回転方向:反時計
動力:電気
許可年月日:1991年10月2日
運輸開始年月日:1991年12月14日(乙種)、1992年8月9日(甲種)
種別:特殊索道
方式:単線固定循環式
搬器定員:2人 モデルE
山麓:終端
山頂:原動油圧緊張 2コラム形
索道メーカー:日本ケーブル
鋼索メーカー:不明

観察日:2005年12月19日

メインの初中級向けパラダイスコースの上部、初級者向けの部分をカバーするリフト。正式名称は「向坂山第3リフト」。第1ペアと同様に甲乙兼用で認可を受けており、甲種での開業もしている。グラススキー場としての整備を行なったのか、散策用のリフトだったのか、どういうコンセプトでグリーンシーズンの営業をしたのか不明であり、不可解でもある。

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「く」の字状のゲレンデの曲がり角内側部分に山麓停留場がある。土地柄を考えるなら、第2リフトよりもこちらを先に開業した方が得策だったような気もするのだが、当時の状況はどうだったのだろう。

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これが甲乙兼用だった証拠の高低2段に対応した支柱。各地の日ケー製甲乙兼用リフトで見られる。(例1例2

これで五ケ瀬ハイランドのリフトは全制覇。次に九州のスキー場に行くならば、忘れ物には気をつけて、日本最西端の天山と、最大規模に成長した九重をまとめて片付けたい。

執筆日:2006年1月7日

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2006.01.06

五ケ瀬ハイランド 第2ペアリフト

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五ケ瀬ハイランド 第2ペアリフト
事業者名:五ヶ瀬町
スキー場名:五ケ瀬ハイランドスキー場
公式サイト:http://www.gokase.co.jp/ski/index.html
所在地: 宮崎県西臼杵郡五ヶ瀬町大字鞍岡
キロ程:604m
支柱基数:12基
高低差:不明
最急勾配:不明
輸送能力:不明
搬器台数:101台
速度:2.0m/s
回転方向:反時計
動力:電気
許可年月日:1989年9月1日
運輸開始年月日:1990年12月21日
種別:特殊索道
方式:単線固定循環式
搬器定員:2人 モデルE フットレスト付
山麓:終端
山頂:原動油圧緊張 2コラム形
索道メーカー:日本ケーブル
鋼索メーカー:不明

観察日:2005年12月19日

日本最南端のスキー場である五ケ瀬ハイランドの滑走用メインリフト。正式名称はもちろん「向坂山第2リフト」。

ここのゲレンデは、第1ペアリフトで上った位置から北向きに滑り降りる形になっており、メインの初中級向けパラダイスコースは「く」の字型、上級者向けのダイナミックコースはほぼ直線になっている。

スキー場開設時に設置されたこの第2ペアは、最下部から最上部を結ぶ。

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山頂停留場は、第1ペアの山頂よりも1段高いピークに位置し、これは第1ペア山頂と同レベルから見た様子。山頂からの滑り出しが、ちょっとした壁なのが判るだろう。実は山麓停留場も、パラダイスコースで向かっても最後にちょっとした壁があり、地域柄を考えると苦労した来場者が多かったのではないだろうか?

実際、筆者の訪問時はダイナミックコースは閉鎖しており、パラダイスコースだけでの営業だったが、第3リフトの利用者の方が多いようだった。

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これが山麓停留場。画像ではわかりにくいが、造成して平地を生み出した痕跡がよく残り、苦労してゲレンデを生み出した事がよく判る。

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とても宮崎県の光景とは思えない、樹氷状の氷が成長している支柱。半端な寒さでない事がわかる。この日ももちろん氷点下だった。

執筆日:2006年1月6日(1月7日誤記修正)

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2006.01.05

五ケ瀬ハイランド 第1ペアリフト ~日ケー標準の規格外?

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五ケ瀬ハイランド 第1ペアリフト
事業者名:五ヶ瀬町
スキー場名:五ケ瀬ハイランドスキー場
公式サイト:http://www.gokase.co.jp/ski/index.html
所在地: 宮崎県西臼杵郡五ヶ瀬町大字鞍岡
キロ程:910m
支柱基数:28基?
高低差:不明
最急勾配:不明
輸送能力:不明
搬器台数:176台
速度:不明
回転方向:時計
動力:電気
許可年月日:1989年9月1日(甲乙共)
運輸開始年月日:1991年10月15日(甲種)、1990年12月21日(乙種)
種別:特殊索道
方式:単線固定循環式
搬器定員:2人 モデルE フットレスト付
山麓:油圧緊張 2コラム形
山頂:原動 3コラム形
索道メーカー:日本ケーブル
鋼索メーカー:不明

観察日:2005年12月19日

日本最南端のスキー場である五ケ瀬ハイランドへのアクセス用リフト。パーキングセンターからほぼ尾根上をスキー場まで登っている。トップ画像は、山頂から下り線に乗車した直後で、この平坦部をすぎると一気に降下する。

『鉄道要覧』掲載の正式名称は「向坂山第1リフト」。法令改正前は甲乙兼用で認可を受けており、それぞれに運輸開始日がある。なぜか現在の『鉄道要覧』では、遅い方の甲種での開始日が掲載されている。現在はグリーンシーズンの営業は行われていないようだ。支柱基数の「?」は、支柱番号標が無かったために自分で数え、数字に自信がないことを示す。

さて今回の訪問は、12月17日の営業開始日前後に九州に行く用が出来たため、車利用としてスキー用具をとりあえず一式積み込んだ事にはじまる。福岡泊の翌朝、九州道を一気に御船まで南下、国道218号線から同265号線に入ってしばらくすると雪道になり、九州のイメージとは程遠い光景となる。

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国道から分岐してからも、この橋のあたりまではそれなりに道幅があり、勾配も大した事がないので圧雪路でもそれほど大変ではないが、この先をしばらく行くと、急に狭くなり、勾配も厳しくなる。

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これは帰路に写した仮設橋。ここが2005年の台風被災現場らしい。仮設道路だから狭いのではなく、このあたりはずっとこのような1車線道路が続く。むしろ仮設部分の方が走りやすいぐらい。この上では、さらに厳しい勾配が待っている。2004-2005シーズンはアクセス道路が台風で被災したために休業しており、今シーズンは必至に復旧した様子が伝わる。

パーキングセンターは予想以上に狭い上、平日にも関わらず来場者が予想以上に多く驚く。ここで事件が発覚。用具一式持ってきたはずなのに、パンツが無い。一瞬、滑走を諦める事を考えたが、さすがにそれはもったいないのでレンタルコーナーに走る。ただ、翌日に時間を捻出していくつもりだった九重スキー場はすっぱり諦めた。

GOKASE01PL02

山麓停留場を見て驚いた。どう見ても原動緊張装置からモーターと減速機を省いて油圧緊張装置として流用した機械だ。大容量の高圧の受電を山頂で行なっている関係ではないかと推察されるが、それならなぜ山頂原動緊張としなかったのか理解に苦しむ。まさか建設途上に受電計画が変ったのだろうか?

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線路はアクセス道路を保護網で越えると尾根に取り付きに一気に高度を上げる。アクセス道路は右手から登ってきており、左手の谷にはスキー場まで通じる関係者専用道路がある。冬季でも燃料や食料の運搬用に通行が確保されているようで、スキー場でも関係者の車を見ることが出来る。

GOKASETICKET

午後券を購入したら、この通り4時間券と入場リフト券の組み合わせだった。雪遊びのみの来場者も少なくないであろうし、ゲレンデの維持に費用もかかっているのは理解できるので、入場料制自体は反対ではないが、こういう発券のされ方をするとちょっと気になる。しかも出札窓口の表示はこれだ。

GOKASESYUSSATSU

公式サイトの説明と違うのが気になる・・・というよりも気に入らない。サービス向上のために、午後券を4時間券に改定したなら、ちゃんと掲示しないと意味がないだろう。ここは雲海酒造の協力を得て経営を立て直し、昨シーズンから独り立ち(つまり実質的に今シーズンから)したのだが、そのとたんにサービス精神を忘れたのか、それとも雲海酒造のサービスへの取り組みもしょせんこの程度だったのか、どっちししても減点の対象だッ!

さて、リフト本体の話に戻そう。山麓機械を見て驚いたのもつかの間、いざ乗ろうとして、乗り方に迷った。停留場のステージは一面の雪なので、板を履いて乗ることも考慮しているように思える。しかし、センターハウスからの通路は階段で、ステージはそれほど広くない。甲種(夏山リフト)並みの搬器下でも、フットレスト付なので板を履いて乗っても苦はなさそうだ。それなら、担いで乗るより履いた方が楽かもしれない。迷った挙句、係員に聞いてみた。

「板を担いで乗るの? 履いて乗るの?」
「担いで乗ってください」

言われたとおり担いで乗り、山頂に着いて理由がわかった。山頂は横降りだった。

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この構造は、明らかに直進降車を考えた斜路付きの停留場だが、斜路に雪がない。したがった横降りが強いられるため、担いでいた方が楽なのだ。担いで乗るのが嫌いな筆者としては、どうも納得がいかないが、板無し乗車も多いと思われ、致し方ないのかもしれない。

さて、山麓の機械を見て、どういう原動機械なのか興味津々だったが、これまた初めて見るタイプだった。最初は、3コラム形原動緊張装置から緊張装置を取ったのかと思ったのだが、どうも違和感がある。よく考えたら、前脚と後脚が逆だ。また、山頂は十分に広く、原動緊張装置でも差し支えないと思われ、なぜ標準タイプの機械でないのか謎はまったく解けなかった。

執筆日:2006年1月5日

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2006.01.03

まほろばの里リフト

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まほろばの里リフト
事業者名:富士燃料株式会社
スキー場名:まほろばの里グラス・アストロスキー場
公式サイト:http://www.denden.net/mahoroba/
所在地:鹿児島県姶良郡牧園町高千穂3240
キロ程:99m
支柱基数:4基
高低差:不明
最急勾配:不明
輸送能力:不明
搬器台数:不明
速度:不明
回転方向:反時計
動力:電気
許可年月日:1999年6月22日
運輸開始年月日:1999年7月29日
種別:特殊索道
方式:単線固定循環式
搬器定員:1人
山麓:重錘緊張
山頂:原動
索道メーカー:不明
鋼索メーカー:不明

観察日:2005年12月17日


霧島高原にある観光施設「まほろばの里」内にあるグラス・アストロスキー場のリフト。現時点では、日本で7番目に短いリフトである。

ちなみに国内の100m以下の索道は以下の通り。

 ヘブンスそのはらスキー場 第6リフト 85m
 軽井沢プリンスホテルスキー場 第4リフト 93m(今シーズンは休止?)
 登別山麓リフト 94m
 裏磐梯猫魔スキー場 子供リフト 98m
 上越国際スキー場 ホテル前ロマンスリフト 98m
 御岳登山鉄道 リフト 98m
 まほろばの里 リフト 99m

滑走場に雪を使わないスキー場には、専用の器具を使うグラススキー場と雪用のスキー・ボードを使う人工スキー場(人工芝・プラスノー・アストロゲレンデ)がある。

グラススキーの用具は、ローラースケートの車輪をキャタピラーに変えたような靴で芝生の斜面を滑るもので、基本的にはスキーと同じフォームで滑るが、横滑りはしないので、きっちりと荷重移動で曲がらないとならない。きちんと乗りこなすと、スノースキーではキレるターンができるはずなので、オフシーズンのトレーニングに流行った。また、マウンテンボードという不整地用スケートボートとでもいうべき器具を用いるスノーボードのグラススキー版もある。

一方、人工スキー場は雪用のスキーやスノーボードを使って滑走する設備で、プラスチック製の人工芝・プラスノー・アストロゲレンデが斜面に敷き詰められ、それを滑走面として滑る。撒水したり、ビーズ玉のようなものを巻いて滑走しやすくしている。

MAHOROBA02

こちらのゲレンデがグラススキー用で、リフト寄りのゲレンデがアストロゲレンデ。

さて本題。訪問日は、ときおりみぞれ模様となる雨天だったので、スキー場は休止しており、リフトには乗れなかった。

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この原動装置はかいもん山麓ふれあい公園リフトと似ており、確証はないものの両者とも九州大和索道(大和索道建設)製と思われる。

執筆日:2006年1月3日

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2005.03.30

近鉄・別府ロープウェイ ~世界初の101人乗り

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近鉄・別府ロープウェイ
事業者名:別府ロープウェイ(株)
公式サイト:http://www.beppu-ropeway.co.jp/
所在地:別府市大字南立石字寒原10-7
区間:別府高原~鶴見山頂
キロ程:1816m
高低差:792.5m
支柱基数:4基
輸送能力:不明
速度:4.1m/s
動力:電気
許可年月日:1961年9月27日
運輸開始年月日:1962年12月21日
種別:普通索道
方式:四線交走式(2支索2えい索)
搬器定員:101名
搬器台数:2台(つるみ・ゆふ)
山麓:不明
山頂:不明
索道メーカー:日本ケーブル
搬器メーカー:近畿車輛(2代目)
観察日:2001年10月10日

別府市の西方にある鶴見岳に架設された交走式索道で、鶴見岳ロープウェイと呼ばれる事もある。

開業当時は、世界最大の定員101名を誇り、そのために五線交走式(2支索3えい索)という特異な形式を採用した。開業40周年を伝える大分合同新聞によれば1999年に四線交走式に改造したそうだ。下記の画像のように五線交走式の名残は十分に残っている。

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支柱の索輪は3列であるのが判ります。

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走行機もソケットがもう1対接続されていた痕跡が残っています。

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訪問の時点で15年前になる、搬器交換を知らせる看板が残るのは、私のようなマニアには好評でも、一般人向けにはどうだろうか?

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さすが近鉄系だけあり、搬器は近畿車輛製だ。自社発注で、交換工事を自社直営で施工したのか、交換工事は索道メーカーに依頼したのか、索道メーカーが気を利かせて近畿車輛に発注したのかは不明。

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新旧の仕様表が残してあるのは珍しいでしょう。

(2005年3月30日執筆)

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2005.02.28

サンビレッジ茜リフト

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サンビレッジ茜リフト
事業者名:筑穂町
スキー場名:サンビレッジ茜人工スキー場
公式サイト:http://www.akaneski.or.jp/index.html
所在地:福岡県嘉穂郡筑穂町大字山口845-38
キロ程:約110m
高低差:不明
輸送能力:不明
速度:不明
動力:電気
許可年月日:1989年6月9日
運輸開始年月日:1990年8月10日
現設備運輸開始:2004年6月19日
種別:特殊索道
方式:単線固定循環式
搬器定員:2名
搬器台数:27台
山麓:終端
山頂:原動緊張
索道メーカー:日本ケーブル

観察日:2004年7月25日

サンビレッジ茜の人工スキー場は、九州大和索道建設の屈曲式リフトがあるとして一部の索道ファンの間で有名になったが、2004年に架け替えられ、今では全国各地で見られる日本ケーブルの標準的なペアリフトになってしまった。

※新旧で起終点位置はほぼ同一であるものの、途中の線路通過位置がまったく違うので、新規事業許可かと思い込んでいたが、『平成17年度 鉄道要覧』を見ると旧線の許可がそのまま生きている事がわかった。変更認可での架替だったらしい。

トップの画像は、同社の標準的な終端装置を設備した本リフトの山麓停留場。

昔のリフトは、原動停留場と緊張停留場に分かれ、原動停留場では固定された原動滑車でロープを回し、緊張停留場では摺動する緊張滑車でロープに緊張力(テンション)をかけていたが、今では原動緊張装置を使って、一つの滑車でロープを回しながら、緊張力をかける方が一般的だ。この場合、反対側の停留場では、単にロープが折り返すだけの滑車になり、終端装置とか折返装置と呼ばれる。非常に単純な機械だが、メーカーによってデザインに違いがあり、メーカー判別にけっこう使える。日本ケーブルの場合、まずA-マスト形固定終端装置が登場、その後にこの画像のポストフレーム形固定終端装置へモデルチェンジした。

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この山頂停留場の原動緊張装置も、日本ケーブルの標準タイプだ。固定循環式リフトでは、各社ともこのようなオーバーヘッドタイプの原動緊張装置が一般的で、日本ケーブルの場合はモーター出力により2本脚・3本脚・4本脚を使い分け、それぞれ2コラム形・3コラム形・4コラム形と呼ばれる。さらに2コラム形・3コラム形では、モーターと減速機を最小限の機械カバーで覆ったタイプと機械室形の大形カバーで覆ったタイプがある。ここでは画像の通り、2コラムの機械室タイプが採用されている。

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この3枚の画像が全線の様子だ。路線の大半に保護網が設備されている。規制緩和で搬器下の高さが緩和された事を生かした設計(従来の夏山リフトでは考えられない高さを通過する場所がある)でこの様子なので、いかに強引な線路であるかわかる。

以前のリフトが屈曲リフトであったのは、山麓から見て逆「く」の字形のゲレンデに沿ってリフトを架設したためで、今回の架替えにあたっては、直線式のリフトとしたために、ゲレンデを造成するために山を切り取った法面上を通過する必要があったわけだ。どういう経緯で屈曲リフトを採用したかよく判らないが、おそらくは人工スキー場の設計を依頼したコンサルタントか設計事務所が、リフトをよく理解しておらず屈曲リフトを提案したのではないかと推測される。実際、そのような形でコンセプトプランが持ち込まれることはあり、屈曲式の不利な点を説いて、直線のリフトに変えることはよくあったのだが、ここでは索道メーカーに相談しなかったのか、相談を受けたメーカーが不利な点の説明を十分にしなかったのだろう。

山頂部分の画像で撒水しているのは、スキーの滑りをよくするための対策で、定期的にゲレンデを閉鎖して撒水する。ここはグラススキーではなく、人工芝の上をウィンタースキーで滑るタイプなので、このような対策が必要なわけだ。

ここは、スキーの他に「スーパースレイ」という溝をローラー式そりで滑る遊具(スーパースライダーと同種)もあるが、訪問時にはコースの一部が崩落した土砂で埋められ不通になっていた。リフト搬器にはこのそりを運ぶための金具が取り付けてあり、そのためセフティーバーは、後ろ側が曲げてある変形タイプになっている。

センターハウスの料金表にはリフト単独の料金が記載されていなかったが、山麓で「リフトだけ乗れますか?」と聞いたところ、その場で100円を払えばOKだった。

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山麓停留場近くに放棄されていた旧リフトの仕様表。ここからは屈曲リフトであったことは読み取れないが、九州大和索道建設製であったことはわかる。旧リフトについてはかとじんさんの「かとじんnoばあー」の「変な索道見つけた」や&h3f3fさんの「つなわたり」の「BaseStation」>「屈曲式特殊索道に乗ろう1(立体交差式)」に収録されている。

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旧リフトは、現リフトのある斜面の山すそ付近を通っていたので、このあたりに屈曲部分があったはずだが、なんの痕跡も無い。旧リフトと言っても1990年8月10日の開業であり、リフトとしては古いとまでは言えないはずだが、架替え理由は「老朽化のため」となっており、屈曲式のメンテに手を焼いたものと思われる。架替え予算は、西日本新聞の記事によれば、約1億6400万円だそうで、いくら保護設備が大規模とはいえ、リフト1基にしては高いので、旧リフトの撤去やスキーコースの整備も含んでと思われる。

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さておまけ画像。ここは駐車場から少し下がった位置がゲレンデになっており、このラック式モノレールでアクセスする。料金はスキー場の入場料に含まれる。メーカーはこの手の乗り物を多く手がける嘉穂製作所だ。

(2005年2月28日執筆 同年11月12日※部分加筆)

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