カテゴリー「単線自動循環式」の記事

2008.04.03

【話題】札幌国際30周年記念で初代スカイキャビン搬器展示

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札幌国際スキー場が1978年12月に開業してから、今年で30周年を迎える。これを記念し、今シーズンの当初より「スキーセンター」1階ロビーで、記念展示が行われ、その一画で初代「スカイキャビン」の搬器が公開されている。

スカイキャビンは、スキー場の開場当初から幹線として架設された索道で、日本ケーブルが独力で開発した単線自動循環式普通索道である。同タイプのゴンドラは、1974年7月に開業した横津岳ゴンドラリフト(横津岳スキー場内)が第1号で、1977年8月に第2号である御荘湾ロープウェイが開業、本路線が第3号であった。その後、日本ケーブルでは、ドッペルマイヤー社との技術提携によって、ドッペルマイヤータイプに転換してしまったため、独自開発タイプはこれが最終。横津岳は諸事情により、早々と1978年度で廃止され、本路線は1989年に8人乗りにリプレース、御荘湾も2006年3月で廃止されたため、純国産ゴンドラの営業線はすでになく、この搬器公開は貴重な機会である。

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スペックが、現役の「スカイキャビン6」(増設線)、「スカイキャビン8」(代替線)のスペックと共に掲示されていた。

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搬器内への立入りは、特に制限されておらず、当時の座り心地を試すことができる。同時代に安全索道が建設していたポマ“テレキャビン”の卵形4人乗り搬器よりも、搬器内は広く快適。支柱側側面窓の一部が、開閉可能になっており、形状から、改造により開閉可能としたものと思われる。

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破損したのか、向かって左側の窓が外されていたのが残念であるが、その反面、外から内部の撮影には好都合であった。扉の開閉機構は天井に収納されれていた。

同スキー場の営業は、ゴールデンウィークまでの予定であるので、あと1ヶ月ほどは見学できる見込みだ。来シーズンが30周年であるだけに、搬器だけでも引き続き展示してもらいたいものだ。

見学日:2008年3月25日
執筆日:2008年4月3日

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2007.05.06

函館七飯スキー場 七飯第1高速リフト

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函館七飯スキー場 七飯第1高速リフト

事業者名:(株)プリンスホテル
公式サイト:
所在地:北海道亀田郡七飯町東大沼666
キロ程:1766.11m
支柱基数:23基 鋼管円筒柱
高低差:455.30m
最急勾配:30°47′
輸送能力:2400人/時
搬器台数:159台
速度:4.0m/s
回転方向:時計
動力:電気 250kw×2台
許可年月日:1989年6月1日
運輸開始年月日:1989年12月30日
種別:特殊索道
方式:単線自動循環式
搬器定員:4人 フード・フットレスト付き
山麓:緊張? 車庫線
山頂:原動
索道メーカー:東京索道

観察日:2007年2月2日

2005年の訪問時に未乗ながら記事を書いたが、今回、近くで仕事を終えた後、乗車することができたので、新たに書いておく。なお、前回の記事の時点では(株)コクドが事業者であったが、西武グループ再編の影響で、今シーズンは(株)プリンスホテルの所属であった。

本リフトはスキー場の上部をカバーし、山頂停留場はゴンドラ山頂よりもやや高い、ゴンドラを使っての滑走は、下部の緩斜面が長いので中級者以上はゴンドラよりもこちらを使っての滑走のほうが楽しめよう。

東京索道のフード付クワッドで、山頂原動なので、おそらく山麓緊張だと思うが、うっかりしてよく確認していなかった。

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東京索道のフードは、これまで筆者の見た限りでは、前面が全て透明なタイプしか確認していないが、ここは日本ケーブルのフードのように前面下部が不透明になっている。内側のコーナー部分は不透明部が大きいが、これは透明板の上から貼られている。あと座席後部の風除板も小さく、東索フード付搬器の分類は今後の課題だ。

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山麓停留場は車庫線併設タイプ。

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山頂停留場は機械カバータイプであった。

なお、西武ホールディングの事業見直しの一環で本スキー場は、シティグループに売却され2007年3月26日に(株)プリンスホテルによる営業を終了し、来シーズンからウィンターガーデンリゾーツ(株)が運営にあたる。

執筆日:2007年5月6日

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2007.03.28

真駒内スキー場 真駒内第1高速リフト

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真駒内スキー場 真駒内第1高速リフト

事業者名:(株)プリンスホテル
公式サイト:http://www.princehotels.co.jp/ski/makomanai/index.html
所在地:北海道札幌市南区常盤
キロ程:734.28m
支柱基数:11基 鋼管丸パイプ型
高低差:209.88m
最急勾配:28度34分
輸送能力:2400人/時
搬器台数:70台
速度:4.0m/s
回転方向:反時計
動力:電気 220kw
許可年月日:1987年9月22日
運輸開始年月日:1987年12月19日
種別:特殊索道
方式:単線自動循環式
搬器定員:4人
山麓:原動 車庫線
山頂:緊張(油圧)
索道メーカー:東京索道
鋼索メーカー:テザック

観察日:2007年1月30日

本スキー場のメインラインと評してよいか難しいところであるが、ベース部とゲレンデトップを結ぶリフト。メインと評し難いのは、非常に幅のあるベース部分の左端に山麓停留場があり、センターハウスから遠いためである。

1980年12月に第1ロマンスリフトA/B線でオープンした本スキー場の拡張施設として1987年に開業した。山頂からは大回りで降りる初級コースとリフト寄りに降りる中級コースがある。さすが北海道らしく、中級コースはナイターとしてはなかなか滑り応えのあるコースで、筆者には楽しかった。あれ以上難しいと、筆者には楽しいから苦しいになってしまう。

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原動停留場は山麓にあり、車庫線が併設されている。車庫線建屋と一体化したデザインの機械カバーを採用したタイプ。

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索道の仕様表示。同じ東京索道製のゴンドラと同じような体裁である。

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この時代の東京索道で標準的なデザインの支柱。

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搬器の流し撮りにチャレンジしてみたが、やや失敗だ。

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機械カバー式の山頂停留場。

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油圧緊張方式であるが、緊張索と緊張車が確認できると思う。ここの油圧緊張方式はやや特殊で、床部分に水平におかれた油圧シリンダで緊張索を引っ張り、緊張滑車に緊張力を伝える方式である。このような方式を採用した理由は不明だが、重錘緊張方式の停留場機械を流用しながら油圧方式にできるので、両方式を併用しているメーカーならば合理的ではある。

さて、本スキー場は西武ホールディングスによる事業見直しの対象で、売却先を探していたわけだが、残念ながら売買に合意できる希望者が現れず2007年3月限りで撤退が決まった。北海道新聞の記事によれば、入札の結果、100万円での応札者しかいなかったそうで、あまりにも安価すぎると売却を断念したそうだ。ここは全用地が自社所有だったそうなので、いくら札幌市郊外の丘陵部といえども確かに100万円では安すぎ、他所の購入者からクレームが来よう。

それなりに固定客もいるようなので、営業継続となると予想していたのだが、まことに残念な事だ。


執筆日:2007年3月28日

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2007.03.25

スノークルーズオーンズ オーンズクワッド

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スノークルーズオーンズ オーンズクワッド

事業者名:(株)ツギテの三共
公式サイト:http://www.onze.jp/
所在地:小樽市春香町
キロ程:829.83m
支柱基数:13基 鋼板方錐型
高低差:201.9m
最急勾配:不明
輸送能力:1800人/時
搬器台数:58台
速度:4.0m/s
回転方向:反時計
動力:電気 260kw
許可年月日:1989年10月24日
運輸開始年月日:1989年12月16日
種別:特殊索道
方式:単線自動循環式
搬器定員:4人 モデルE(左右分割タイプ))
山麓:原動
山頂:緊張(油圧)
索道メーカー:日本ケーブル
鋼索メーカー:不明

観察日:2007年1月31日

本スキー場のメインライン。滑り出しがちょっと厳しいので、まったくの初級者にはきついかもしれないが、この部分の幅はそれなりにあるので、きっちりボーゲンが出来ていれば大丈夫だろう。札幌近郊らしく、全コースナイター対応で23時まで営業という典型的な都市近郊コンビニエンススキー場だ。

石狩湾を望むスキー場のロケーションはなかなか魅力的で、天気が良ければ、もっと気持ちがよかったと思う。

本スキー場開設当時の事業者は春香観光開発(株)であったが、『鉄道要覧』によれば2001年2月1日付で現社名に商号変更している。代表者名も変わっているので、実質的には経営者が交代したのかもしれないが未調査なので本当のところはわからない。平成13年度版『鉄道要覧』から、本スキー場の最古参のリフトだったオーンズリフトBが抹消されており、新経営者が引き継がなかったと考えると辻褄が合うのだが、はたして真相はどうだろうか?

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ハードとしては、この時代の日本ケーブルの標準的なデタッチャブルクワッドで、山麓山頂共に機械カバータイプの停留場。車庫線はない。

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標準的と言っても、発車間隔は一般的な6秒間隔に対して8秒間隔としている。

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搬器は、2人ずつ左右に別れている座席で、モデルEの初期に見られたタイプ。

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こちらは山頂停留場。

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訪問日は、学校団体とかち合ったので、平日のスキー場とは思えない混雑。駐車場を見れば、大型バスが10台ぐらい駐車しており、この混雑もなっとく。ちなみに乗用車は20~30台程度だったので、来場者の大半は学校団体だったと思われる。

Onzeticket

リフト券は最短2時間からあり、これもコンビニタイプらしい設定だ。


執筆日:2007年3月25日

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2007.03.18

ルスツリゾート イゾラ第4クワッド ~ルスツ唯一の5.0m/sリフト

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ルスツリゾート イゾラ第4クワッド

事業者名:加森観光(株)
公式サイト:http://www.rusutsu.co.jp/winter/
所在地:北海道虻田郡留寿都村字泉川
キロ程:1139m
支柱基数:18基 鋼板方錐型
高低差:311m
最急勾配:不明
輸送能力:2400 人/時
搬器台数:不明
速度:5.0m/s
回転方向:反時計
動力:電気
許可年月日:1996年9月30日
運輸開始年月日:1996年12月7日
種別:特殊索道
方式:単線自動循環式
搬器定員:4人 フード・フットレスト付 モデルE
山麓:未確認
山頂:未確認
索道メーカー:日本ケーブル
鋼索メーカー:不明

観察日:2007年1月29日

Mt.イゾラの北東斜面の「ヘブンリー」エリアで、初中級者がもっとも面白いと思われる部分をカバーするフード・フットレスト付デタッチャブルクワッドリフト。Mt.イゾラのクワッドの中では最短ながら、唯一、5.0m/s運転対応のためもっとも効率的に滑走が楽しめる。

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山麓はETタイプの機械カバー方式であった。山頂は車庫線併用の建屋だったような気がするが、どうも撮影し忘れた上に、記憶がはっきりしない。まったく情けない。


執筆日:2007年3月18日

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2007.03.17

ルスツリゾート イゾラ第3クワッド

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ルスツリゾート イゾラ第3クワッド

事業者名:加森観光(株)
公式サイト:http://www.rusutsu.co.jp/winter/
所在地:北海道虻田郡留寿都村字泉川
キロ程:1618.98m
支柱基数:26基 鋼板方錐型
高低差:416.2m
最急勾配:不明
輸送能力:2400 人/時
搬器台数:不明
速度:4.0m/s
回転方向:反時計
動力:電気 460kw
許可年月日:1995年9月22日
運輸開始年月日:1995年12月16日
種別:特殊索道
方式:単線自動循環式
搬器定員:4人 フード・フットレスト付 モデルE
山麓:未確認
山頂:未確認
索道メーカー:日本ケーブル
鋼索メーカー:不明

観察日:2007年1月29日

Mt.イゾラの北東斜面に架かるフード・フットレスト付デタッチャブルクワッド。この斜面のコースには「ヘブンリー」という名称が冠せられてるが、これはスティームボートスキー場と共に米国で加森観光が所有していたヘブンリースキー場から取ったものである。

ヘブンリー○○コースの中で上級者向けのヘブンリーキャニオンと同スピリットを滑るには便利だが中級に面白いヘブンリーリッジの各コースには前半の超緩斜面部分が長いため、こちらが目的ならばイゾラ第4クワッドの方が良い。天気が良ければヘブンリービューコースから洞爺湖が遠望できるそうだが筆者の訪問時は遠望が効かない天気だったので、そういう楽しみはなかった。

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車庫線を併設した山麓停留場はイゾラ第4クワッドに隣接。この画像の左側に第4クワッドがある。

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搬器は日本ケーブルのフード付で標準的なタイプ。

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山頂停留場はMt.イゾラトップにある4つの停留場の内、もっとも高い位置にあり、イーストMt.方面への帰路につきやすい。


執筆日:2007年3月17日

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2007.03.16

ルスツリゾート イゾラ第2クワッド

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ルスツリゾート イゾラ第2クワッド

事業者名:加森観光(株)
公式サイト:http://www.rusutsu.co.jp/winter/
所在地:北海道虻田郡留寿都村字泉川
キロ程:1421m
支柱基数:未確認 鋼板方錐型
高低差:370m
最急勾配:不明
輸送能力:2400 人/時
搬器台数:不明
速度:4.0m/s
回転方向:時計
動力:電気
許可年月日:1990年7月24日
運輸開始年月日:1990年12月29日
種別:特殊索道
方式:単線自動循環式
搬器定員:4人 フード・フットレスト付 モデルE
山麓:未確認
山頂:未確認
索道メーカー:日本ケーブル
鋼索メーカー:不明

観察日:2007年1月29日

イーストMt.からの連絡コースやイゾラA~Dコースの合流点からスティームボートAコースとイゾラグランコースの分岐点を結ぶデタッチャブルクワッド。イゾラA~Dコースの滑走用としての使命も持つが、イーストMt.からMt.イゾラへの移動用としての役割が大きい。そのため午前中を除き、空いているようだ。
フード・フットレスト付の快適な搬器に、Mt.イゾラのレベルの高さを感じる。

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アクロス第1・2ペアリフトの近くにある山麓停留場は車庫線併設で大きな建物になっている。

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イゾラグランコースの途中にある山頂停留場も建屋方式。


執筆日:2007年3月16日

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2007.03.15

ルスツリゾート イゾラ第1クワッド ~ルスツ最長リフト

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ルスツリゾート イゾラ第1クワッド

事業者名:加森観光(株)
公式サイト:http://www.rusutsu.co.jp/winter/
所在地:北海道虻田郡留寿都村字泉川
キロ程:1732m
支柱基数:28基 鋼板方錐型
高低差:441m
最急勾配:不明
輸送能力:2400 人/時
搬器台数:不明
速度:4.0m/s
回転方向:時計
動力:電気
許可年月日:1989年9月18日
運輸開始年月日:1989年12月14日
種別:特殊索道
方式:単線自動循環式
搬器定員:4人 フード・フットレスト付 モデルE
山麓:未確認
山頂:未確認
索道メーカー:日本ケーブル
鋼索メーカー:不明

観察日:2007年1月29日

Mt.イゾラの拡張第一弾として新設されたフード付デタッチャブルクワッド。長めのリフトが多い、イーストMt.&Mt.イゾラエリアの中でも、最長となる1732mを誇る。路線の大部分は谷の中を進むので、強風に強そうな路線である。

快適な中級者向け「スティームボート」コース2本をカバーする。山麓停留場付近にはMt.イゾラの唯一の本格的飲食施設であるカフェテリア「スティームボート」がある。「スティームボート」とは、このエリアを開発当時に加森観光が米国で所有していたスキー場の名前であり、イゾラゴンドラも登場時には、搬器に「スティームボート」のロゴ入りだった。スティームボートスキー場は売却してしまい、ゴンドラのロゴも無くなったが、コース名とカフェテリア名として残っている。

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山麓・山頂共に建屋方式の停留場であり、車庫線は山麓にある。

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フード付搬器で線路延長が長いため広い車庫が必要になるため、車庫線は縦に長く、本線に沿って山側に伸びる。

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山頂停留場は第3クワッドとイゾラゴンドラの山頂停留場の間にある。


執筆日:2007年3月15日

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2007.03.14

ルスツリゾート イゾラゴンドラ ~ルスツ最長ゴンドラ

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ルスツリゾート イゾラゴンドラ

事業者名:加森観光(株)
公式サイト:http://www.rusutsu.co.jp/winter/
所在地:北海道虻田郡留寿都村字泉川
キロ程:2858.12m
支柱基数:不明 鋼板方錐型
高低差:525.57m
最急勾配:不明
輸送能力:1800人/時
搬器台数:不明
速度:5.0m/s
回転方向:時計
動力:電気 550kw
許可年月日:1988年10月26日
運輸開始年月日:1988年12月24日
種別:普通索道
方式:単線自動循環式
搬器定員:6人
山麓:原動緊張(重錘)停留場 車庫線
山頂:終端停留場
索道メーカー:日本ケーブル
搬器メーカー:CWA (オメガタイプ)
鋼索メーカー:不明

観察日:2007年1月29日

ルスツリゾートスキー場で最大の滑走エリアであるMt.イゾラの基幹索道。イーストMt.エリアからのアクセス経路を形成すると共にルスツリゾート最長のコースであるイゾラグランをカバーする。イゾラグランは中級コースとされているものの、緩めの斜面が多く、幅もあり、さらに随所に迂回コースがあるので初級者でもまず大丈夫。初級から中級へのステップアップには最適なロングコースだ。階段を上らないとならない山麓停留場はやや面倒であるもののロングコースの滑走後のゴンドラは快適な休息時間をもたらしてくれる。

スノースポーツを行わない索道愛好者にはやっかいな位置にあり、一般車は山麓停留場付近には乗り入れができないために、通常はスキーないしはスノーボードでしかアクセスできない。ただ、シーズン当初、スキー場のオープン日を過ぎても山麓部で雪が少ない場合には、ゴンドラ山麓までの送迎サービスを行うことがあるようだ。こういう瞬間を狙うしかスノースポーツ無しでのアクセスは無理と思われる。

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山麓停留場は、周りには何もない谷間に忽然と建てられており、1階がレストランやトイレ、2階が停留場となっている。レストランと言っても軽食中心で種類も多くないので比較的空いているようだ。

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ルスツにある6人乗りゴンドラの3本は、ほぼ同時期の架設であるので、ほぼ同じ仕様のようだ。重錘式原動緊張装置で、摺動レールの上に台車状の原動装置が乗る構造である。

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山頂は終端停留場で、側線はあるが車庫線はない。

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日本ケーブル製ゴンドラではお約束の仕様掲示。1号線となっているからには、2号線の計画があったのだろうか?

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搬器も制振装置の有無以外は3本のゴンドラで同一仕様のようだ。このアクリル製天窓兼用のベンチレーターは、CWA社オメガタイプでは1987年製からの採用のようで、日本で同年に架設されたゴンドラでは、旧来のアルミ蓋方式とこの天窓方式が混在している。ルスツでは、1987年製のイーストゴンドラも天窓方式となっているので、結果的にイゾラゴンドラと仕様が揃った。

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執筆日:2007年3月14日

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2007.03.11

ルスツリゾート イースト第2ペアリフト ~イゾラ第1ペアの移設

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ルスツリゾート イースト第2ペアリフト

事業者名:加森観光(株)
公式サイト:http://www.rusutsu.co.jp/winter/
所在地:北海道虻田郡留寿都村字泉川
キロ程:810.35m
支柱基数:13基 鋼管円筒型
高低差:269.15m
最急勾配:不明
輸送能力:1200人/時
搬器台数:118台
速度:2.3m/s
回転方向:反時計
動力:電気 132kw
許可年月日:1995年9月11日
運輸開始年月日:1995年12月17日
建設年:1995年12月
種別:特殊索道
方式:単線固定循環式
搬器定員:2人 モデルE
山麓:原動油圧緊張
山頂:終端
索道メーカー:日本ケーブル
鋼索メーカー:不明

観察日:2007年1月29日

イーストMtとMt.イゾラの間にある谷からイーストゴンドラ山頂を結ぶ。起点はイゾラCコースを降りた位置になるのでイゾラA~Cないしは、スーパーイースト、アクロスAコースでアクセスする。本リフトを使っての滑走は上級者限定となるが、中級者以上がMt.イゾラからイーストMtに戻るにはアクロス第1・2ペア経由よりも本リフトを経由したほうが楽しく、アクセスリフトとしての役割も大きい。建設時には現在のイースト第1ペアはまだ無く、イーストペアリフトと名乗っていた。

ここも支柱作業アームが建設年と合わない在来型であり、1995/96年シーズンの「スキーマップル」には、移設と明記されていたのでまったくの新品でないのは間違いない。入れ替わってイゾラ第1ペアが消えているので、これの移設とみて間違いないだろう。

イゾラ第1ペアはイゾラBコースを降りた位置とイゾラ第2クワッド山頂付近を結んでいたペアリフトで、傾斜長860m、132kw、1200人/時、1988年10月26日事業許可、1988年12月24日運輸開始であった。7年間の使用で移設した事になる。90年建設のイゾラ第2クワッドで代替が可能であるので移設自体は妥当な判断だと思う。当初の計画が拙かったようにも思えるが、この時代、各地のスキー場で超上級者コースの利用が落ちており、スキーヤーの動向が計画時と変わってきたのだろう。

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山麓は重錘緊張方式。電源の問題があるので、山頂原動としたものと思われる。この機械は、比較的新しいタイプの緊張装置で、筆者は割と好きなデザインだ。

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お約束の?リフト仕様の掲示。画像では少し判り難いが、リフト名、線路の数値、支柱基数、搬器台数、建設年には明らかに修正の跡があり、この看板もおそらくイゾラ第1ペアの転用と思われる。

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山頂は3コラム型固定原動装置である。

執筆日:2007年3月11日

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