カテゴリー「廃止・休止線」の記事

2007.05.05

中山峠スキー場 中山峠第2リフト

Nakayama02sl01

中山峠スキー場 中山峠第2リフト

事業者名:(株)喜茂別
公式サイト:
所在地:北海道虻田郡喜茂別町字川上
キロ程:577m
支柱基数:不明 鋼管丸パイプ型
高低差:不明
最急勾配:不明
輸送能力:600人/時
搬器台数:不明
速度:不明
回転方向:時計
動力:電気 30kw
許可年月日:1970年7月25日
運輸開始年月日:1970年11月26日
廃止年:2003年
種別:特殊索道
方式:単線固定循環式
搬器定員:1人
山麓:原動
山頂:緊張(重錘)
索道メーカー:日本ケーブル
鋼索メーカー:不明

観察日:2007年2月3日



ゲレンデの中央に架設されていたシングルリフト。晩年は休止していた。

(株)喜茂別が破産し、加森観光(株)が当スキー場を引き継いだ際に、休止中だった本リフトは引き継がれず廃止されている。

トップ画像のバックに写っているのが、駐車場と中山峠高原ホテル。ホテルがセンターハウスを兼ね、リフト券もホテルで売っていた。駐車している車の台数から、当日の空き具合が察せられるだろう。

Nakayama02sl02

ロープは外されていたが原動装置は原型をとどめていた。

Nakayama02sl03

山頂の緊張装置も原型をとどめている。


執筆日:2007年5月5日

 

 

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2007.04.06

小樽天狗山スキー場 パノラマリフトA/B線 ~片割れが廃線となったパラレルリフト

Otenguppsl01

小樽天狗山スキー場 パノラマリフトA/B線

事業者名:中央バス観光商事株式会社
公式サイト:http://www.cks.chuo-bus.co.jp/tenguyama/
所在地:北海道小樽市最上2丁目
キロ程:752m(A線)/562m(B線)
支柱基数:不明(A線)/11基(B線) 鋼管丸パイプ型T型パラレル支柱
高低差:不明(A線)/176m(B線)
最急勾配:不明
輸送能力:600人/時
搬器台数:不明
速度:1.79m/s
回転方向:反時計
動力:電気 55kw
許可年月日:1980年8月11日
運輸開始年月日:1980年12月25日
廃止年月日:2004年度(A線のみ)
種別:特殊索道
方式:単線固定循環式
搬器定員:1人
山麓:原動
山頂:緊張(重錘)
索道メーカー:日本ケーブル
鋼索メーカー:不明

観察日:2007年1月31日

ゲレンデを挟みロープウェイと平行に架かるリフト。開通時はA/B両線共に山頂停留場は同じ位置であったが、1993年のパノラマペアリフト架設と同時にB線のみ短縮され、さらにA線は2004年度に廃止されている。これだけの規模の短縮となると、廃止→新設の扱いとなるケースも見られるが、変更認可で処理されたらしく、B線の認可・運輸開始日は新設時のものである。

全線に渡り、ほぼパノラマペアリフトと平行し、山麓停留場は完全に隣接している。

Otenguppsl02a

こちらは、すでに廃止済みのA線山頂停留場の緊張装置。ステージは撤去されているが、ロープはまだ架けられている。

Otenguppsl03b


こちらは現役のB線山頂停留場。ただ、筆者の訪問時には当日の営業が終わっており、乗車は出来なかった。

Otenguliftinfo

ロープウェイ山頂駅付近にあった営業案内の看板。索道の仕様が書かれているのは珍しい。これでもA線が抹消されているのがわかる。

執筆日:2007年4月6日

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2007.03.30

真駒内スキー場 真駒内第2ロマンスリフト

Makomanai02pl01

真駒内スキー場 真駒内第2ロマンスリフト

事業者名:(株)プリンスホテル
公式サイト:http://www.princehotels.co.jp/ski/makomanai/index.html
所在地:北海道札幌市南区常盤
キロ程:386.49m
支柱基数:9基 鋼管丸パイプ型
高低差:98.81m
最急勾配:26度35分
輸送能力:1200人/時
搬器台数:83台
速度:1.57m/s
回転方向:時計
動力:電気 75kw
許可年月日:1987年10月15日
運輸開始年月日:1987年12月5日
種別:特殊索道
方式:単線固定循環式
搬器定員:2人
山麓:原動
山頂:緊張(重錘)
索道メーカー:東京索道
鋼索メーカー:テザック

観察日:2007年1月30日

ゲレンデ右側の主に初級者エリアをカバーしていたリフトだが、近年は休止が続き、コースマップに掲載はあるものの、今シーズンも搬器は付けられていなかった。

Makomanai02pl02

架設年の割に、古い機械のようにみえるので、もしかしたらどこかのリフトの転用かもしれない。

Makomanai02pl03

支柱の作業アームは、作業をする側に傾ける構造で、通常はこのように真っ直ぐ立てるのが常態のはずだが、実際はどちらかに傾けたままが多い。

執筆日:2007年3月30日

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2007.03.29

真駒内スキー場 真駒内第1ロマンスリフトA/B線

Makomanai01abpl01

真駒内スキー場 真駒内第1ロマンスリフトA/B線

事業者名:(株)プリンスホテル
公式サイト:http://www.princehotels.co.jp/ski/makomanai/index.html
所在地:北海道札幌市南区常盤
キロ程:485.89m
支柱基数:9基 鋼管丸パイプ型T型パラレル
高低差:133.16m
最急勾配:30度20分(A線)/29度41分(B線)
輸送能力:各1200人/時
搬器台数:90台(A線)/71台(B線)
速度:1.8m/s(A線)/2.3m/s(B線)
回転方向:反時計(A線)/時計(B線)
動力:電気 各75kw
許可年月日:1980年8月14日
運輸開始年月日:1980年12月22日
建設年:2000年
種別:特殊索道
方式:単線固定循環式
搬器定員:各2人 セフティバー付
山麓:原動緊張(油圧)
山頂:終端
索道メーカー:安全索道
鋼索メーカー:テザック

観察日:2007年1月30日

本スキー場のメインラインとなるのは、第1高速よりもこちらかもしれない。本スキー場開設時に設置された第1ロマンスリフトA/B線を2000年にリプレースしたもの。旧線は537mだったので50mほど短縮されたことになる。リプレース時に「ボーダーが乗りやすい全く新しいタイプのリフト」とアピールしていたので、どんなリフトか楽しみにしていたが、私が見る限りでは搬器形状に若干の工夫があっただけで「全く新しいタイプ」は大げさすぎるような気がしないでもない。

山に向かって右側がA線、左側がB線。ペアパラレルで左右に速度差がある仕様で、筆者好みではあるが、平日のナイターという事もあって、B線のみの運転で体感では1.8m/s程度に減速しての運行だった。

Makomanai01abpl02

山麓停留場は、安全索道製原動緊張装置の標準タイプ。山頂も標準的な終端装置。

Makomanai01abpl03_1 これがボーダー向け搬器。座板の形状を変え肘掛を短くすることで、斜めに腰掛けボードを真っ直ぐに向け易くし、スムーズな乗降を目指したものだと推察される。この手の工夫は初見だったが、このシーズン他のプリンスのスキー場で同様の狙いを持ったと思われる搬器を見ることになる。

Makomanai01abpl04

搬器以外には、特有の特徴は見出せなかった。訪問日の札幌市内中心部では降雪はなかったが、現地は吹雪模様でけっこう寒かった。市内は雪でも、こちらは晴天率が高いというのもここの売りだったはずだが、筆者のこころがけが悪かったのかもしれない。

Makomanaiticket_1 これが当日使ったチケット。団体券扱いと思われる「団」の表記があるのは、本スキー場のパンフレットにある割引券を使ったためだと思われる。一般的にこの手の割引は、1日券に限定されるケースが多く、2時間券という最低単位の時間券にまで適用されるのは珍しい。スキー場到着が20時と終了まで1時間しかなかったわけだが、おかげで2時間券が1,100円。無理しなくても元が取れる値段なので迷いなく2時間券を選択した。用紙の地紋は「PRINCE HOTEL & RESORTS」だった。

執筆日:2007年3月29日

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2007.03.28

真駒内スキー場 真駒内第1高速リフト

Makomanai01dq01

真駒内スキー場 真駒内第1高速リフト

事業者名:(株)プリンスホテル
公式サイト:http://www.princehotels.co.jp/ski/makomanai/index.html
所在地:北海道札幌市南区常盤
キロ程:734.28m
支柱基数:11基 鋼管丸パイプ型
高低差:209.88m
最急勾配:28度34分
輸送能力:2400人/時
搬器台数:70台
速度:4.0m/s
回転方向:反時計
動力:電気 220kw
許可年月日:1987年9月22日
運輸開始年月日:1987年12月19日
種別:特殊索道
方式:単線自動循環式
搬器定員:4人
山麓:原動 車庫線
山頂:緊張(油圧)
索道メーカー:東京索道
鋼索メーカー:テザック

観察日:2007年1月30日

本スキー場のメインラインと評してよいか難しいところであるが、ベース部とゲレンデトップを結ぶリフト。メインと評し難いのは、非常に幅のあるベース部分の左端に山麓停留場があり、センターハウスから遠いためである。

1980年12月に第1ロマンスリフトA/B線でオープンした本スキー場の拡張施設として1987年に開業した。山頂からは大回りで降りる初級コースとリフト寄りに降りる中級コースがある。さすが北海道らしく、中級コースはナイターとしてはなかなか滑り応えのあるコースで、筆者には楽しかった。あれ以上難しいと、筆者には楽しいから苦しいになってしまう。

Makomanai01dq02

原動停留場は山麓にあり、車庫線が併設されている。車庫線建屋と一体化したデザインの機械カバーを採用したタイプ。

Makomanai01dq03

索道の仕様表示。同じ東京索道製のゴンドラと同じような体裁である。

Makomanai01dq04

この時代の東京索道で標準的なデザインの支柱。

Makomanai01dq05

搬器の流し撮りにチャレンジしてみたが、やや失敗だ。

Makomanai01dq06

機械カバー式の山頂停留場。

Makomanai01dq07

油圧緊張方式であるが、緊張索と緊張車が確認できると思う。ここの油圧緊張方式はやや特殊で、床部分に水平におかれた油圧シリンダで緊張索を引っ張り、緊張滑車に緊張力を伝える方式である。このような方式を採用した理由は不明だが、重錘緊張方式の停留場機械を流用しながら油圧方式にできるので、両方式を併用しているメーカーならば合理的ではある。

さて、本スキー場は西武ホールディングスによる事業見直しの対象で、売却先を探していたわけだが、残念ながら売買に合意できる希望者が現れず2007年3月限りで撤退が決まった。北海道新聞の記事によれば、入札の結果、100万円での応札者しかいなかったそうで、あまりにも安価すぎると売却を断念したそうだ。ここは全用地が自社所有だったそうなので、いくら札幌市郊外の丘陵部といえども確かに100万円では安すぎ、他所の購入者からクレームが来よう。

それなりに固定客もいるようなので、営業継続となると予想していたのだが、まことに残念な事だ。


執筆日:2007年3月28日

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2007.02.21

ロックバレーリフト

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ロックバレーリフト

事業者名:(株)ビーエム観光
所在地:北海道紋別郡遠軽町字野上
キロ程:869m
支柱基数:14基
高低差:不明
最急勾配:不明
輸送能力:不明
搬器台数:不明
速度:不明
回転方向:時計
動力:電気
許可年月日:1973年7月3日
運輸開始年月日:1973年12月21日
廃止年月日:不明(1993~1996年と思われる)
種別:特殊索道
方式:単線固定循環式
搬器定員:1人
山麓:原動停留場
山頂:緊張(重錘)停留場
索道メーカー:不明
鋼索メーカー:不明

観察日:2007年2月7日

おそらくロックバレースキー場のリフト第一号。『平成5年版 鉄道要覧』には事業者名「ビーエム観光」でペアリフトやテレキットと共に掲載されているが、『平成9年版 鉄道要覧』では、ペアリフトやテレキットの事業者が株式会社フォーレストパークと変わり、本リフトの記載がない。さらに平成8年に有限会社ロックバレーがフォーレストパークに商号変更したという記載もある。遠軽町の合併協議会資料によればフォーレストパークは旧遠軽町が49%出資する第3セクターという事だ。

おそらくは1993~1996年のいづれかの時期にビーエム観光がスキー場運営から撤退、3セクに経営が引き継がれたものと思われ、その際に本リフトの廃止手続きがとられたのかもしれない。

以上より、公式に廃止されてから10年以上経つのは確実なものの、支柱や停留場機械はほぼそのまま残される。支柱に関しては画像にあるようにナイター照明の照明塔を兼ねているために撤去できないのだろう。

Rockvalleysl02

山麓原動装置、山頂緊張装置については、撤去すればペアリフトの使い勝手が向上すると思われるが、それを必要とするほど混まないと言うことだと思われる。

執筆日:2007年2月21日

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2007.02.15

いこいの森たかきリフト ~日本最西端のリフトだが・・

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いこいの森たかきリフト

事業者名:諫早市
公式サイト:http://www.takaki-kanko.com/mori.htm
所在地:諫早市高来町善住寺
キロ程:312m
支柱基数:不明
高低差:不明
最急勾配:不明
輸送能力:不明
搬器台数:不明
速度:不明
回転方向:反時計
動力:電気
許可年月日:1993年6月29日
運輸開始年月日:1993年10月1日
種別:特殊索道
方式:単線固定循環式
搬器定員:1人
山麓駅:原動緊張(油圧)停留場
山頂駅:終端停留場
索道メーカー:日本ケーブル
鋼索メーカー:不明

観察日:2006年11月1日

2005年3月1日付けで諫早市に合併した高来町が開設した「いこいの森たかき」グラススキー場に設置されたリフト。高来町の時代にグラススキー場が休止され、それに伴いリフトも休止している。

休止の時期を正確には把握していないが、諫早市議会の平成17年第3回定例会(7月)会議録を見ると「グラススキー場とリフトは休止してから5年ほどたつが」という答弁があり2000年ごろに休止したことがわかる。

2001年3月31日限りで休止とやまもと様からコメントをいただきました。
 ありがとうございました。

先日紹介した佐世保の「えぼし岳高原リゾートスポーツの里リフト」が廃止された結果、書類上は日本最西端のリフトとなったが休止中であるのでタイトルホルダーと言えるかどうかは微妙だ。現役のリフトでは天山スキー場第2リフトが日本最西端になると思われる。

長崎本線湯江駅付近で国道207号線をはずれ、県道136号線を北上すると「いこいの村たかき」と「いこいの村長崎」に着く。

Takaki02

この案内板を見る限りでは中間停留場があったものと思われる。

Takaki03

搬器はこの通り取り付けられたまま。観光リフトの場合、日よけが付けられている事が多いが、本リフトではスキー用と同じ仕様に見え、まさにグラススキー用であった事を思わせる。

再開するにはそれなりの整備費用がかかると思われ、昨今の情勢を考えると復活する可能性は低いものと思わざる得ない。


執筆日:2007年2月15日
修正日:2007年9月22日(休止日を補足)

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2007.02.13

えぼし岳高原リゾートスポーツの里リフト ~失われた日本最西端の索道

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えぼし岳高原リゾートスポーツの里リフト

事業者名:(財)佐世保観光コンベンション協会
公式サイト:http://www.sasebo99.com/sight_sasebo/ebosi.shtml
所在地:佐世保市烏帽子町
キロ程:219m
支柱基数:6基
高低差:不明
最急勾配:不明
輸送能力:不明
搬器台数:不明
速度:不明
回転方向:反時計
動力:電気
許可年月日:1992年7月31日
運輸開始年月日:1993年4月1日
廃止年月日:2006年
種別:特殊索道
方式:単線固定循環式
搬器定員:2人
山麓駅:原動緊張(油圧)停留場
山頂駅:終端停留場
索道メーカー:日本ケーブル
鋼索メーカー:不明

観察日:2006年10月31日

佐世保市の最高峰烏帽子岳の山頂付近に整備されたレクリエーション施設「えぼし岳高原リゾートスポーツの里」内の人工芝ゲレンデ及びスポーツスライド用のリフト。利用者減とゲレンデならびにリフトの補修が必要となったため2005年度限りで廃止された。廃止日は未調査であるが2006年3月末限りで廃止とされていたので、2006年4月1日付の索道事業廃止と思われる。

長崎スカイウェイよりも西に位置するため、国内最西端の索道であったが、ここの廃止により日本最西端の索道は「長崎スカイウェイ」となった。しかし、長崎スカイウェイは2006年12月29日から休止となったために、現役の日本最西端の索道は長崎ロープウェイという事になる。

Sasebo05

以前から存在は気になっていたが、思いもよらぬ廃止の情報を受け、その跡地だけでも拝もうと寄った次第である。施設正門からゲレンデとリフトは確認できた。

Sasebo02

リフト本体は、日本ケーブルの標準的なペアリフト。DX機械カバーの2コラム式原動緊張装置を採用していた。

Sasebo03

休止後、半年以上経った割には、まだ陽に光るスポーツスライドの走路が虚しい。

Sasebo04

野ざらしで置かれていたモデルE搬器。

なお、ゲレンデはリフトに沿ったメインバーンは閉鎖されていたたが、ベース部でメインバーンに相対する小斜面はそり用に開放されていた。

執筆日:2007年2月13日

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2007.02.12

火の山ロープウェイ ~休止中だが復活か?

Hinoyama01

火の山ロープウェイ

事業者名:下関市
公式サイト:現在はなし
所在地:山口県下関市みもすそ川町
キロ程:438.96m
支柱基数:なし
高低差:165m
最急勾配:29度5分
輸送能力:不明
搬器台数:2台 No.1まんじゅ、No.2かんじゅ
速度:3m/s
動力:電気 56kw
許可年月日:1957年7月18日
運輸開始年月日:1958年4月1日
種別:普通索道
方式:1支索2曳索三線交走式
搬器定員:31人
山麓駅:
山頂駅:
索道メーカー:安全索道?
鋼索メーカー:不明
搬器メーカー:大阪車輌工業 1978年

観察日:2006年10月29日

関門海峡の下関側(本州側)にそびえる火の山に架設されている下関市営ロープウェイ。源平合戦の古戦場である壇ノ浦を望むみもすそ川(御裾川)と山頂を結び、山麓駅は関門国道トンネル人道入り口にも近い。1972年に火の山山頂に通じる有料道路「火の山パークウェイ」が開通した影響もあり、長期低迷が続き、2003年4月から休止された。その後、国土交通省の「まちづくり交付金」の助成事業として、存廃を決める実証実験としての期間限定運転を2005年秋季、2006年春季・夏季に実施し、現在は存廃を検討中である。

筆者は1973~75年に下関在住の経験があり、1973年11月開通した関門橋の夜景見物などに何度か本ロープウェイを利用した。オイルショックの直後に開通した関門橋は、ライトアップの実施を極端に制限したので、その実施日にはかなり混雑していた記憶がある。

読売新聞の地域版ニュース山口1月25日付記事によれば、下関市は前述の実証実験の結果を受け、存続の方向で検討に入ったそうである。火の山パークウェイの無料化などの影響で利用者数は以前よりも減ったものの、業務を人材派遣会社に委託するなどの経費削減策により赤字額は大幅に縮小されたそうで、観光振興策として許容範囲の赤字という判断のようだ。記事によれば、存続が正式に決まれば、ロープ交換などを行ったうえで夏休みごろから期間限定運行で再開する見込みだそうだ。

Hinoyama03

さて、筆者が現地を訪問したのは、復活の目があるかどうかもはっきりしなかった昨年秋。実は、春・夏と実証実験運行を行っていたので、秋もあるだろうと勝手に思い込んで計画し、出発前には運行の発表がなされていない事に気がついたものの、休止中の様子を記録するだけでもよいかと計画通り立ち寄ったというわけだ。山麓駅舎内のトイレが、日中は公衆トイレとして開放されているため、ホームこそ入れないものの、このように駅への立ち入りは可能である。トイレは駅車内を通り抜けた別棟となっており、乗降場のすぐ横にあるため、トイレ横からトップ画像のような搬器の撮影が可能である。筆者のようなヲタを喜ばせるために意図的に行ったとは思えないが、トイレ側の搬器が山麓駅に留置してあるのは実に喜ばしい。

Hinoyama02

山麓駅を遠目に見ると、囲われているように見え、中に入れるとは思えなかった。この仮設フェンスの内側に駅舎に登る階段があり、日中だけ開放されるというわけだ。山頂駅も写っており、ロープウェイとしては理想的なワンスパンの線路であることがわかる。

Hinoyama04

望遠レンズで見ると、このように山頂駅に1号搬器が留置されているのがわかる。

山麓の2号搬器の内部を望遠レンズで覗くと昭和53年という年号の入った安全索道と大阪車輌工業の銘板が確認でき、1978年の搬器交換は安全索道の施工である事がわかる。『日本近代の架空索道』の巻末資料によれば、本ロープウェイの施工は安全索道という事になっているが、走行装置の形状が東京索道の製品である尾道千光寺山ロープウェイ防府太平山ロープウェイ岡山スカイガーデンロープウェイ(旧京山ロープウェイ)と酷似しており、本ロープウェイと同年に安全索道が架設した弥彦山ロープウェイの走行装置とはあまり似ていないため、東京索道製という可能性も否定できない。一方、サスペンダーの形状は弥彦山に似ているが、1960年に東京索道が架設した志賀高原ロープウェイのサスペンダーにも似ており、サスペンダーの形状はメーカー判別の決め手にならないようにも思われる。さらに搬器交換時にサスペンダーも含めて安全索道が交換したという可能性もありえる。

ということで筆者は、同書の記述が誤っており、東京索道製ではないかと睨んでおり、今後の研究課題である。運行を再開したら、再訪してさらに究明をすすめたい。

執筆日:2007年2月12日

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2006.12.26

番外編:2006年度の索道動向:特殊索道編

普通索道に引き続き特殊索道の2006年度の動向をまとめてみた。普通索道以上に抜けがあると思われるので、ドシドシご指摘いただけるとありがたい。

◎新規開業/運輸再開特殊索道
○富良野スキー場
・連絡リフト (株)プリンスホテル
※1982.12.18運輸開始の連絡リフト(東京索道製:シングル)を日本ケーブル製に架替、2006-2007シーズンから運輸開始。コクド流の命名なら連絡ロマンスリフトとなるはずだが、同スキー場公式サイトでも「連絡リフト」となっている。<GONさん、情報提供ありがとうございました
正式名称は「連絡リフト」で正解であることを確認。

○ルスツリゾート
・イゾラ第5ペア (株)加森観光 2006.12.2運輸開始
※ゴンドラとフード付きクワッドのみという非常にハイレベルな索道のみだったイゾラエリアに始めて登場した固定循環式リフト。どうもシーズンインの少雪期に山頂部のみで営業するために導入したようで公式サイトでも「オープン時~期間限定運行」と注釈入りで表示され、本格営業を開始した今では「ゴンドラ・リフト運行状況」の一覧から外されてしまった。本年は予定の11月23日から9日間遅れた12月2日に運行を開始し、気がついたらすでに運休していた。おそらく10日も営業していなかったと思われる。さすが加森というべきか、なんとも豪気な事である。しかし、完乗を目指すならわずかな期間に訪問せねばならずファン泣かせのリフトになりそうだ。<kikiさん、情報ありがとうございました
日本ケーブル製<07年1月現地調査で確認

○北大雪スキー場
・第1リフト (株)グランドレジャー 1979.12.11運輸開始
・第2リフト (株)グランドレジャー 1979.12.28運輸開始
※永らく休止していたが地主である国から返却か営業再開かを求められたため、春スキー期間の営業再開を決定。全4本の内2本を、2007年3月15日から5月6日まで営業する予定。

○雫石スキー場
・サンシャインリフト (株)プリンスホテル 2006.12.24運輸開始
※1981年12月22日運輸開始のサンシャインA/B線(日本ケーブル製シングルパラレル:A線は休止中)をペアリフトにリプレース。こちらもコクド流の命名ならばサンシャインロマンスとなるはずだが公式サイトでもサンシャインリフトとなっている。

○阿仁スキー場
・第2ロマンス (株)プリンスホテル 2000.12.19運輸開始
※近年は縮小営業を行っていた阿仁スキー場を平常営業に戻すに従い、休止していた第2ロマンスを再開する事になった。本スキー場はシティグループ・プリンシパル・インベストメンツ・ジャパンへの売却が決定しており、今シーズンの営業体制が当面受け継がれるものと思われる。

○たざわ湖スキー場
・銀嶺第1リフト 田沢湖高原リフト(株)
※「番外編:2005年度デビューの索道」に書いたように、2005年度から冬季国体向けにゲレンデ・リフト整備を進めており、銀嶺第1ロマンスを廃止し、位置をやや変えて銀嶺第1リフト(2人乗り、2.0m/s)を架設した。
機械は日本ケーブル製で、搬器の大部分は、東京索道製旧線からの流用らしい>U君さんの情報、ありがとうございました(2/17追記)

○鳥海高原矢島スキー場
・矢島クワッドリフト 由利本荘市
・矢島ペアリフト 由利本荘市
※3本あったペアリフトをフード付クワッド1本、ペア1本に整理した。ペアは旧線の移設or機器流用。クワッドは東京索道担当ながらドッペルマイヤーシステムだそうだ。<tuneさん、情報提供ありがとうございます

○妙高杉ノ原スキー場
・杉ノ原第2ロマンス (株)プリンスホテル
※1976年12月21日運輸開始の杉ノ原第1A/B線をリプレースしペアリフトを架設。公式サイトのブログ「杉ノ原日記」の画像によれば日本ケーブル製の模様。パノラマゲレンデにあったスノーパークが第2ロマンス横に移るようで、パノラマJバーリフトは、廃止もしくは休止の模様で公式サイトのゲレンデマップから抹消されている。

○奥伊吹スキー場
・第2ペアリフト 奥伊吹森林レクリエーション(株)
※奥伊吹スキー場は、リフトの正式名称と営業上使用している名称がまったく異なるので、今シーズンからペアリフトになったという第2ペアリフトの正式名称がわからない。とにかく、これで稼働中のリフトからシングルは無くなった。(1/4追記)

○ハチ北高原スキー場
・山麓ペア 鉢伏開発観光(株)
※登行リフトの正確が強い中央山麓リフト(1969年1月1日運輸開始:シングル)がペアリフトにリプレースされた。起点が並んでいたアルペン登行リフト(1983年12月19日運輸開始:シングル)も合わせて廃止されている。新リフトは神戸新聞記事の写真によると、日本ケーブル製と思われる。 ちゃきさんからいただいたコメントによれば樫山製との事。記事の写真を改めてよく見れば日ケではなさそう。思い込みは怖い。(1/11修正)

○奥神鍋スキー場
・登降ファミリーペアリフト (株)奥神鍋 2006.12.20運輸開始?
※駐車場とゲレンデの連絡リフト。かなり以前からの懸案であったがようやく実現した。「登行」という方が一般的だとおもうが、公式サイトで「登降」となっているのでこれが正しいのだろう。神鍋観光協会のサイトに掲載された写真によれば日本ケーブル製のように思われる。12月20日運輸開始は、この日に開通式が行われたようなのでこう記したが、営業運転は自然雪による営業が始まった後という事であるので、もっと遅い日で届け出る可能性もある。

○プラーナ
・松山ハイランドリゾートトリプル プラーナ 2003.12.21
※サレガランドプラーナという名称で2004-2005シーズンまで営業を行っていたが、資金繰りなどの事情で2005-2006シーズンは休業。今シーズンからプラーナという名称で運営を再開した。新設ではないが、紹介しておく。

◎休廃止特殊索道
○稚内公園
稚内公園スキー場第1リフト 稚内市 1980.12.10運輸開始
※日本で最北のリフトである稚内公園第1リフトが、利用者減とアクセス手段であるロープウェイの設備老朽化のため2006年3月21日限りで営業を終えた。実際には20・21日は吹雪のため運休しており実質的には19日が最終日となった。即日廃止を届け出ていれば2005年度の廃止になるが、ロープウェイと合わせて2006年4月1日付での廃止届出の可能性もある。
この結果、日本最北のリフトは、稚内市こまどりスキー場第1ペアリフトとなった。

○森吉スキー場
・森吉第1高速 (株)プリンスホテル 1987.12.19
・森吉第2高速 (株)プリンスホテル 1990.12.24
※阿仁スキー場を通常営業する代わりに本スキー場が休業となった。売却対象であるが、シティグループ・プリンシパル・インベストメンツ・ジャパンの買収対象から外れており、今後が心配である。2本ともフード付きデタッチャブルクワッドで、第1は日本ケーブル製、第2はメーカー未確認。U君さんの情報によれば日本ケーブル製。(2/17追記)

○田沢湖高原アッスルスキー場
・アッスル第1リフト (株)ドリームビジョン田沢湖開発 1988.12.17運輸開始
・アッスル第2リフト (株)ドリームビジョン田沢湖開発 1982.12.18運輸開始
・アッスル第3リフト (株)ドリームビジョン田沢湖開発 1990.12.25運輸開始
・アッスル第4リフト (株)ドリームビジョン田沢湖開発 1991.12.14運輸開始
※2000年に経営不振の本スキー場を地元宿泊業者等で設立した会社で引き取り営業を継続したが、ついに行き詰まり今シーズンの休業が決まった。第2は日本ケーブル製シングルで、残りはペアリフト。

○スポーツコム浦佐国際スキー場
・第3ペア (有)フィールドボックス 1984.12.21運輸開始
・第5ペア (有)フィールドボックス 1985.12.21運輸開始
※今シーズンから廃業する事が決まり、すでにリフト撤去も終了した。

○苗場スキー場
・第6高速 (株)プリンスホテル 1989.12.16運輸開始
※日本ケーブル製のデタッチャブルクワッド。休止か廃止は不明だが、今年のゲレンデマップから消えている。索道趣味さん、情報提供ありがとうございます。(2/17追記)

○ARAI MOUTAIN&SPA
・膳棚第1リフト  新井リゾート(株) 1993.12.19運輸開始
・山麓第1リフト  新井リゾート(株) 1994.12.22運輸開始
・山麓第2リフト  新井リゾート(株) 1994.12.22運輸開始
小毛無第1リフト 新井リゾート(株) 1998.1.1運輸開始
※運営会社である新井リゾートマネージメントの特別清算により、今シーズンの営業を断念。資産は外資系投資会社が保有しており、施設の保全のみを行って来シーズンからの運営者を探している。
膳棚第1は安全索道製フード付きデタッチャブルクワッド、山麓第1は安全索道製ペア、山麓第2は安全索道製デタッチャブルペア、小毛無第1はフード付きデタッチャブルクワッドでメーカーを確認していないが、他が安索なので同じだと思われる。

○燕温泉スキー場
・燕第1/2ロマンス (株)プリンスホテル 2000.12.18
※一時は2005-2006シーズンから閉鎖と伝えられたが実際は営業が行われ、2006-2007シーズンは閉鎖となった。売却交渉を行っているようだが、売却先は未定。

○菅平高原
・大松山第1ペア 菅平大松山開発(株) 1986.12.19運輸開始
・大松山第2ペア 菅平大松山開発(株) 1988.12.17運輸開始
※今シーズン、スキー場公式マップから抹消された。両方とも日本ケーブル製。<五菱さん、情報提供ありがとうございます。

○八方尾根
チャンピオンスカイペア 八方尾根開発(株)
・スカイライン第1ぺア 八方尾根開発(株)
・北尾根第2ぺア 八方尾根開発(株)
・咲花第1トリプル 八方尾根開発(株)
※今シーズン、スキー場公式マップから抹消された。チャンピオンスカイペアは安全索道製のデタッチャブルペア、スカイライン第1は日本ケーブル製の固定式ペア。残る2本はメーカー未確認。八方尾根開発とスカイパーク八方が統合された成果としてのリフト整理と推察される。<安索好きさん、情報提供ありがとうございます(2/17追記)

○立山山麓スキー場らいちょうバレーエリア
・第1パラレルA/B線 富山市or大山観光開発(株) 1983.1.10運輸開始
・第4ペア      富山市or大山観光開発(株) 1988.12.18運輸開始
※昨シーズンで富山県が運営から手を引いたため、富山市が引き取り第3セクターの大山観光開発に運営を委託した。旧県営リフトのうち今シーズン営業されないのはこの3本。地権者のうち1名が県から市への移管を承諾していないために、運行できないリフトが1本あると報じられたが、どちらが該当するかは不明。
第1パラレルは安全索道製。第4ペアは、確か安全索道か東京索道製である。

○牛岳温泉スキー場
・第7/8リフト 富山市 1980.2.1運輸開始
※設備老朽化のため本リフトの架かるユートピアゲレンデを今シーズン休止と告知している。このまま廃止の公算が高い。おそらく安全索道製。

○鳥越高原大日スキー場
※大雨でゲレンデが崩落し、リフト支柱2本が転倒。今シーズンの休業が決定した。

○万座温泉スキー場
・万座第1高速 (株)プリンスホテル 1987.12.19運輸開始
※2006-2007シーズンの同スキー場公式サイトのマップから抹消されており、今シーズンから廃止または休止されたと思われる。昨シーズンはマップには掲載されていたものの休止していた模様で、マップからの抹消は復活の意思がないか、来場者からの問い合わせ対応の煩雑さを回避するためと思われる。東京索道製デタッチャブルクワッド。

○表万座スキー場

・第3ロマンス (株)プリンスホテル 1984.12.29運輸開始
※2006-2007シーズンの同スキー場公式サイトのマップから抹消されており、今シーズンから廃止または休止されたと思われる。安全索道製ペア。本スキー場はシティグループ・プリンシパル・インベストメンツ・ジャパンへの売却が決定しており、今シーズンの営業体制が当面受け継がれるものと思われる。

○すずらん高原スキー場
・第1ペア 御嶽鈴蘭高原観光開発(株) 1986.11.29運輸開始
・第2ペア 御嶽鈴蘭高原観光開発(株) 1984.12.5運輸開始
・第3ペア 御嶽鈴蘭高原観光開発(株) 1988.11.27運輸開始
・第4ペア 御嶽鈴蘭高原観光開発(株) 1988.12.3運輸開始
※今シーズンから休止。

○上の台緑の村
・上の台緑の村リフト
 安来市 1994.4.29運輸開始
※旧伯太町から合併に伴い引き継いだ人工芝スキー場用シングルリフト。平成18年度鉄道要覧から抹消。2006年4月1日付で安来市の設置条例が改正されており、2006年4月1日付で廃止の可能性が高い。<U君さん、情報ありがとうございます(2/17)

○グリーンピアなかがわ
・グリーンピアなかがわ第1 那珂川町 1986.7.20運輸開始
・グリーンピアなかがわ第2 那珂川町 1997.4.20運輸開始
※人工芝スキー場用ペアリフトで第1はスポーツスライドのスレッド&利用者運搬も兼ねていた。第2は実線側が屈曲で空線側が直線という三角形に架設された屈曲リフト。累積債務のかさむグリーンピアなかがわを大幅に縮小する事になり2005年度いっぱいで営業を終えたため廃止。廃止日がはっきりしないので2005年度に廃止の可能性もある。2本とも日本ケーブル製でこれにより国内の屈曲式チェアリフトは全廃となった(はず)。
なお、グリーンピアなかがわは、全国に展開されていた簡易保険によるグリーンピアとは無関係。

○烏帽子岳高原リゾートスポーツの里

・烏帽子岳高原リゾートスポーツの里リフト (財)佐世保観光コンベンション協会 1993.4.1運輸開始
※人工芝スキー場用ペアリフトで同施設営業見直しでスキー場を廃止する事になり、2005年度いっぱいで営業を終了。おそらく2006年4月1日付の廃止と思われる。日本ケーブル製で、日本最西端の索道・リフトであった。これによって日本で最西端の索道は、長崎スカイウェイ中腹駅(山麓)となったが長崎スカイウェイは12月29日から休止となったため、現役では長崎ロープウェイ稲佐岳(山頂)駅となる
なお、最西端のリフトとなったのは諫早市のいこいの森たかきリフトだが、こちらは長期休止中なので現役としては天山リゾート第2リフトになる。

廃止・休止線はこの程度で収まるとは思えないが、取りあえずアップする。

執筆日:2006年12月26日
加筆日:2006年12月27日/1月4・11日/2月17日/3月1日

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