カテゴリー「安全索道」の記事

2007.03.29

真駒内スキー場 真駒内第1ロマンスリフトA/B線

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真駒内スキー場 真駒内第1ロマンスリフトA/B線

事業者名:(株)プリンスホテル
公式サイト:http://www.princehotels.co.jp/ski/makomanai/index.html
所在地:北海道札幌市南区常盤
キロ程:485.89m
支柱基数:9基 鋼管丸パイプ型T型パラレル
高低差:133.16m
最急勾配:30度20分(A線)/29度41分(B線)
輸送能力:各1200人/時
搬器台数:90台(A線)/71台(B線)
速度:1.8m/s(A線)/2.3m/s(B線)
回転方向:反時計(A線)/時計(B線)
動力:電気 各75kw
許可年月日:1980年8月14日
運輸開始年月日:1980年12月22日
建設年:2000年
種別:特殊索道
方式:単線固定循環式
搬器定員:各2人 セフティバー付
山麓:原動緊張(油圧)
山頂:終端
索道メーカー:安全索道
鋼索メーカー:テザック

観察日:2007年1月30日

本スキー場のメインラインとなるのは、第1高速よりもこちらかもしれない。本スキー場開設時に設置された第1ロマンスリフトA/B線を2000年にリプレースしたもの。旧線は537mだったので50mほど短縮されたことになる。リプレース時に「ボーダーが乗りやすい全く新しいタイプのリフト」とアピールしていたので、どんなリフトか楽しみにしていたが、私が見る限りでは搬器形状に若干の工夫があっただけで「全く新しいタイプ」は大げさすぎるような気がしないでもない。

山に向かって右側がA線、左側がB線。ペアパラレルで左右に速度差がある仕様で、筆者好みではあるが、平日のナイターという事もあって、B線のみの運転で体感では1.8m/s程度に減速しての運行だった。

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山麓停留場は、安全索道製原動緊張装置の標準タイプ。山頂も標準的な終端装置。

Makomanai01abpl03_1 これがボーダー向け搬器。座板の形状を変え肘掛を短くすることで、斜めに腰掛けボードを真っ直ぐに向け易くし、スムーズな乗降を目指したものだと推察される。この手の工夫は初見だったが、このシーズン他のプリンスのスキー場で同様の狙いを持ったと思われる搬器を見ることになる。

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搬器以外には、特有の特徴は見出せなかった。訪問日の札幌市内中心部では降雪はなかったが、現地は吹雪模様でけっこう寒かった。市内は雪でも、こちらは晴天率が高いというのもここの売りだったはずだが、筆者のこころがけが悪かったのかもしれない。

Makomanaiticket_1 これが当日使ったチケット。団体券扱いと思われる「団」の表記があるのは、本スキー場のパンフレットにある割引券を使ったためだと思われる。一般的にこの手の割引は、1日券に限定されるケースが多く、2時間券という最低単位の時間券にまで適用されるのは珍しい。スキー場到着が20時と終了まで1時間しかなかったわけだが、おかげで2時間券が1,100円。無理しなくても元が取れる値段なので迷いなく2時間券を選択した。用紙の地紋は「PRINCE HOTEL & RESORTS」だった。

執筆日:2007年3月29日

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2007.03.22

Fu's snow area 第1ペアリフト

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Fu's snow area 第1ペアリフト

事業者名:札幌市
公式サイト:http://www1.ocn.ne.jp/~fus/
所在地:札幌市南区藤野
キロ程:427.82m
支柱基数:6基 鋼管円筒型
高低差:不明
最急勾配:不明
輸送能力:1200人/時
搬器台数:72台
速度:2.0m/s
回転方向:反時計
動力:電気
許可年月日:1964年12月3日
運輸開始年月日:1964年12月26日(現行施設運輸開始:1988年12月16日)
建設年:1988年
種別:特殊索道
方式:単線固定循環式
搬器定員:2人
山麓:原動
山頂:緊張(油圧)
索道メーカー:安全索道
鋼索メーカー:不明

観察日:2007年2月3日


本スキー場開設時に設置されたと思われる第1リフトの索道事業免許(当時)を受け継いでいるリフト。

現在は、札幌市営であり、正式名称を「札幌市藤野野外スポーツ交流施設」という本スキー場は、空沼高原観光(株)が開設したふじのヘルスランド国際スキー場であったが、1985年に(株)ふじの公園に譲渡され、さらに2001年に札幌市に譲渡されてスキー場名がFu's snow areaと改められて現在に至っている。ただ、実際のスキー場の運営は、札幌市から(札幌国際スキー場などを運営する)(株)札幌リゾート開発公社に委託されている。

Fusmap

このコースマップにあるとおり、ゲレンデ左端がこの第1ペアリフト、右側にほぼ直列に第1ロマンス、第2ロマンスが架かる。ただ、第1ペアを第1リフト、第1ロマンスを第2リフト、第2ロマンスを第3リフトという呼び方もある(あった)ようで、今でも下の画像のように、こちらの名称も案内に残る。

Fusinfo



建替えられた当初は、シングルの搬器だったという伝聞情報もいただいたが、すでに第1/2ロマンスの2本のペアリフトが登場した後に、ペア対応施設にシングルの搬器で営業開始とは考えにくく、話が伝わるうちにどこかで変わってしまったのではないだろうか?

Fus01pl02

山麓の原動装置は、終端装置と見まがうような小型の固定原動。似たような機械はライトナーにもあるようで、樫山工業製のリフトでも見られる。大出力には対応していないのだろが、筆者はスマートでなかなかかっこいいと思う。

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山頂は、最終支柱と一体化させた油圧緊張装置で、こちらのデザインも格好の良さと機能性を一体化させたもので筆者好みである。もっと多くのリフトで採用されてもよいように思うが、山頂で油圧ユニットへの給電が必要であることがネックなのだろう。

ここは、以前は山頂で第2リフトに接続していたため、山頂に動力用電気が来ていたので採用しやすかったのだと思われる。

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これが今も残る第2リフトの1号柱と思われるトラス鉄柱。

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山麓機械には、お約束の仕様掲示があったが、項目が簡単すぎて物足りない。ここは乗り場に掲示されており、リフト乗車の待機位置からは撮り難かったので、空いていたのを良いことにリフト係に頼んでみたら、あっさりと撮影させてもらえた。だんだんとずうずうしくなる自分が怖い。リフト係には、この場を借りて改めて感謝の意を表する。


執筆日:2007年3月22日

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2007.03.21

後楽園北広島スキー場 後楽園第3ペアリフト

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後楽園北広島スキー場 後楽園第3ペアリフト

事業者名:(株)北海道後楽園観光開発
公式サイト:http://www.sapporo-korakuencc.co.jp/index2.html
所在地:北海道北広島市仁別
キロ程:436m
支柱基数:8基 鋼管円筒型
高低差:94m
最急勾配:不明
輸送能力:1200人/時
搬器台数:81台
速度:1.8m/s
回転方向:時計
動力:電気 55kw
許可年月日:1984年8月21日
運輸開始年月日:1985年1月6日
種別:特殊索道
方式:単線固定循環式
搬器定員:2人
山麓:原動緊張(油圧)
山頂:終端
索道メーカー:安全索道
鋼索メーカー:不明

観察日:2007年1月30日

後楽園第2リフトの平行線。第2の新設後3年での増設に当時のスキー人気がうかがわれる。また、停留場機械の仕様の違いに、リフトの標準仕様が転換期であったことがわかる。

油圧緊張方式の原動緊張装置だが、安全索道製で標準的なかまぼこ型の機械室ではなく最小限の大きさの機械カバーであるのが特徴。この形状は少数派で、筆者は本リフト以外では、志賀高原寺子屋第4ペアや木島平第6ペアでしか確認していない。(トップ画像の手ブレが激しく見難いのはご容赦下さいm(_ _)m)

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山頂の終端装置は、現在も見かける同社の標準タイプ。

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平日のナイターで、筆者の訪問はナイターとしてはまだ早い時間であったので閑散としていたが、徐々に来場者が増えてきたので、それなりに固定客は確保しているものと思われる。本リフトのみの営業であった訪問日には無用の長物と化していたが、この画像のようにかなり広いリフト待ちのエリアが確保されており、使われていた形跡もあった。週末にはかなり賑わい第2リフトともども盛況となると思われる。全リフト乗車を狙うなら週末が良いと思われる。

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ゲレンデは幅の広い緩斜面でファミリー向けだ。


執筆日:2007年3月21日

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2007.03.20

後楽園北広島スキー場 後楽園第2リフト

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後楽園北広島スキー場 後楽園第2リフト

事業者名:(株)北海道後楽園観光開発
公式サイト:http://www.sapporo-korakuencc.co.jp/index2.html
所在地:北海道北広島市仁別
キロ程:440m
支柱基数:8基 鋼管円筒型
高低差:不明
最急勾配:不明
輸送能力:600人/時
搬器台数:82台
速度:1.78m/s
回転方向:時計
動力:電気
許可年月日:1981年7月23日
運輸開始年月日:1981年12月15日
種別:特殊索道
方式:単線固定循環式
搬器定員:1人
山麓:原動
山頂:緊張(重錘)
索道メーカー:安全索道
鋼索メーカー:不明

観察日:2007年1月30日

東京ドーム系の北海道後楽園観光開発が札幌後楽園カントリー倶楽部内に開設した後楽園北広島スキー場に架かるリフト。札幌後楽園カントリー倶楽部は、東京ドームグループのリゾート・ゴルフ場事業の見直しにより売却の対象となり、2月下旬にモルガン・スタンレー証券への売却が発表された。売却を機に事業内容の見直しがあれば、スキー場事業の行方も不透明かと考え、筆者としては訪問の優先度を上げたが、取り敢えず事業内容の見直しには言及がなく、公式サイトでも来シーズンの来場を呼びかけているので、いまのところは来シーズンは安泰と思われる。

 

Korakuenkitahiroshimainfo02

第1駐車場にあった、今シーズンの営業内容の告知。大手のスキー場でも、表示が曖昧だったり、目立つ所での掲示がなく、レストランやリフトに行って、初めて営業有無や営業時間がわかるような事も少なくないのに、このように判りやすい告知を行っているだけで好感を持てる。

Korakuenkitahiroshimainfo01

これが場内マップ。左端のリフトがナイター営業を行わない第1リフト、右側の平行線のリフトが左側第2リフト、右側が第3ペアリフト。今回はナイター営業での訪問だったので第1リフトは観察していない。見えるようなら見るだけでも思っていたが、起終点さえも真っ暗で、線路は林の中を通過しているので見学は断念した。したがってレポートはない。

ゴルフ場併設のゲレンデでは、センターハウスはゴルフ場と共用で規模の割には洒落た設備だったりすることもあるが、ここはスキー場専用のレストランとセンターハウスで、規模に見合ったそれなりの施設である。これはスキー場の位置が、ゴルフ場の入口からセンターハウスに向かう途中の斜面にあるという地理的条件によるものだろう。ちなみに第1リフト山頂停留場付近に描かれた建物がゴルフ場のセンターハウスである。したがって駐車場もスキー場専用と思われる。このマップでは判り難いが、ゲレンデのベース部分とは十数メートルぐらいの高低差があり、板を担いで登らないとならない。

山麓は原動停留場。平日の夜のため、平行する第3ペアのみの営業でこちらは運休しており乗車はかなわなかった。

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山頂は重錘式緊張停留場。

Korakuenkitahiroshima02sl03

リフト横にハーフパイプがあったが未整備。今シーズンは使用を止めたのか、少雪で整備を見送っているのか不明。ハーフパイプの整備は、けっこう費用がかかるので、規模の小さなスキー場ではかなりの負担になっているようだ。

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リフトは1回200円。筆者の通常行動パターンなら、稼動リフトが1本だけであるので1回券を2~3枚で済ますところだが、前述の営業内容掲示に敬意を表してナイター券を購入した。とはいっても1000円なので5回の乗車でペイする計算である。

執筆日:2007年3月20日

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2007.02.20

ロックバレーペアリフト

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ロックバレーペアリフト

事業者名:(株)フォーレストパーク
公式サイト:http://engaru.jp/kankou_information/chiiki/en/ski/ski.html
所在地:北海道紋別郡遠軽町字野上
キロ程:883m
支柱基数:17基
高低差:269m
最急勾配:不明
輸送能力:1200 人/時
搬器台数:129台
速度:2.3m/s(傾斜長と搬器台数から逆算)
回転方向:時計
動力:電気
許可年月日:1986年8月15日
運輸開始年月日:1986年11月30日
種別:特殊索道
方式:単線固定循環式
搬器定員:2人
山麓:原動緊張(油圧)停留場
山頂:終端停留場
索道メーカー:安全索道
鋼索メーカー:不明

観察日:2007年2月7日



ロックバレースキー場のメインライン。元々あったシングルリフトの平行線で、書類上は両者が並列の時代がしばらく続いた。架替でなく、増設なので平行営業の時代はあったとは思うが、実際に両線共に営業していたかどうかはわからない。

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山麓は安全索道製ペアリフトの標準的な原動緊張装置で、シングルリフトの山麓停留場跡に隣接。傾斜長と搬器台数から逆算すると、速度は2.3m/sの設計と思われる。乗車時の感覚では、訪問日には2.3m/sで運転されていたと思われるが、日本ケーブル製のリフトを除くとステージ上の操作スタンドでは運転速度が確認できないので本当のところはわからない。安索製リフトの操作スタンドには「減速」という大きな表示ランプがあるが、これはどうもスタンドで減速操作をした際に点灯するようで、運転室内の運転盤からの減速指示では点灯しない模様。

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山頂も安全索道製ペアリフトの標準的な終端装置で、シングルリフトの山頂停留場跡に隣接。

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山頂付近から見たメインバーン。ややきつめの斜面だが、一枚バーンでしっかりとグルーミングがしてあるので筆者の技量でも問題なし。左右に迂回するコースもあるようだが、新しくグルーミングした形跡が無いようだったので、滑っておらず様子はよくわからない。テレキットで練習している自衛隊員を除けば、平日の日中からスキーをするような来場者のレベルは高く、この斜面だけでも問題なさそうだった。


執筆日:2007年2月20日


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2007.02.19

ロックバレーテレキット ~もしかして日本唯一のテレキット?

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ロックバレーテレキット

事業者名:(株)フォーレストパーク
公式サイト:http://engaru.jp/kankou_information/chiiki/en/ski/ski.html
所在地:北海道紋別郡遠軽町字野上
キロ程:303m
支柱基数:4基
高低差:69m
最急勾配:不明
輸送能力:549人/時
搬器台数:50台
速度:不明
回転方向:時計
動力:電気
許可年月日:1980年7月31日
運輸開始年月日:1980年12月25日
種別:特殊索道
方式:単線固定循環式(滑走式)
搬器定員:1人
山麓:原動停留場
山頂:緊張(重錘)停留場
索道メーカー:安全索道
鋼索メーカー:不明

観察日:2007年2月7日

遠軽町遠軽地区の市街地外れにあるロックバレースキー場初級者コースにある滑走式リフト(旧丙種特殊索道)。『民鉄要覧』によれば、架設時の事業者は(株)ビーエム観光で後に(有)ロックバレーに譲渡され、1996年に同社が(株)フォーレストパークと商号を変更したらしい。遠軽町の合併協議会の資料によれば、(株)フォーレストパークは平成8年設立の第3セクターとなっており、商号変更という『民鉄要覧』の記述が正しくないのか、株式会社に移行した日を設立としているのかよく判らない。ともかく、現在の事業者である(株)フォーレストパークは遠軽町が49%出資する第3セクターである。

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これがスキー場の全景。1枚バーンのコースの山に向かって右側にトップまで登るリフト、左側の緩斜面部分にテレキットが架設されているのが判る。

滑走式リフトで一般的なのはスプリングボックスに巻き取られたロープの先端にプラッタースティックかTバーが取り付けられている方式で、シュレップリフトとかJバーリフト、Tバーリフトと呼ばれる方式だ。しかし、このテレキットは仏国ポマガルスキー社が開発した方式で、スプリングボックスとロープの代わりに伸縮式のポールを使う。このロックバレーテレキットが国内第一号という事であるが、筆者はここ以外に存在を知らない。もしかしたら、唯一の存在ではないかと思っているが、どこか他でも存在していたことをご存知の方は教えてほしい。

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これが山麓原動停留場。一般的なシュレップリフトよりも簡易な構造の原動装置である。

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原動装置をよく見るとポマガルスキー社のメーカーズプレートと色あせた安全索道のメーカーズプレートがあった。

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これがテレキットの搬器。乗車中に片手撮影した。二重になったアルミパイプが、突っ張り棒とは逆向きに作動すると考えると理解しやすいだろう。

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上下線で段違いになっているのは、滑走式リフトでは良く見られる形式。

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これが山頂停留場の降り場である。

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緊張装置も原動装置と同様に簡易な構造。

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降り場にある標識にもポマ社のマークが入っているが、これも輸入品なのだろうか? そうだとしたら、進入禁止は日仏で同じマーク?

とにかく筆者としては、テレキット初体験で、これが見たいがために遠軽まで足を伸ばした次第。大満足だった。

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こちらはテレキットとペアリフトの乗車券。さすがに1回券の利用は少ないのか、テレキットの乗車券には「平成8年シーズン終了まで」と書かれている。料金の訂正が行われているので、ミスプリではないだろう。ということは10年前に印刷した乗車券と思われる。シンプルな様式だが北海道のロコスキー場としては平均的なレベルだろう。

執筆日:2007年2月19日

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2007.02.14

雲仙ロープウェイ ~雲仙普賢岳を横目に登る

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雲仙ロープウェイ

事業者名:雲仙ロープウェイ株式会社
公式サイト:http://www6.ocn.ne.jp/~unzenr.w/index.html
所在地:長崎県雲仙市小浜町雲仙551番地
キロ程:481m
支柱基数:1基
高低差:145m
最急勾配:30度40分
輸送能力:不明
搬器台数:2台 ぎんが、きんせい
速度:3.6m/s 1958年6月に3.0m/sより変更
動力:電気 75kw
許可年月日:1956年11月8日
運輸開始年月日:1957年7月15日
種別:普通索道
方式:1支索2曳索三線交走式
搬器定員:36人 1962年3月に31人乗りから変更
山麓駅:仁田峠駅 緊張停留場 支索/平衡索 重錘式
山頂駅:妙見岳駅 原動停留場
索道メーカー:安全索道
鋼索メーカー:帝国産業 (緊張索のみ東京製綱)
搬器メーカー:大阪車輌工業 1993年

観察日:2006年11月1日

雲仙ロープウェイはツツジで有名な仁田峠と雲仙妙見岳を結ぶ路線で、1957年に開業した。妙見岳は1990年に噴火活動を開始した普賢岳に隣接しているが、噴火活動は妙見岳の反対側で発生したためにロープウェイ側の被害はそれほど大きくなかったようだ。

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駐車場から少し上った位置に山麓駅舎が建つ。駅舎1階にはきっぷ売り場と売店がある。

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駅舎内の階段で乗り場に向かう構造が一般的だが、ここは駅舎外側の階段で乗り場に向かう。天気が悪ければロープウェイ利用者はかなり限られると思われ、こ のような斜面を巧みに利用した駅舎ならば、それなりに合理的な配置と思われるが、今となってはバリアフリー化は難しいレイアウトといえよう。懸垂式スロー プカーでも設置するしかなさそうだ。

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歴史を感じさせる階段式プラットホーム。

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こちらが山頂駅。以前はさまざまな設備があったようだが、現在はその一部が噴火活動の展示室になっているに過ぎない。屋上は展望台になっているが、ロープウェイウオッチングの絶好のポイントでもある。

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山頂から見た1号搬器「ぎんが」。

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「ぎんが」の搬器銘板。

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搬器内部の銘板。

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こちらが2号搬器「きんせい」。
「ぎんが」「きんせい」の愛称の由来は、よくわからない。現行の搬器は先の画像にあるように1993年製であるが、公式サイトには「1962年 3月に31人乗りを36人乗りに変更」という趣旨の記述があるので、現行の搬器は少なくとも3代目、4代目の可能性もある。なお、公式サイトには開業当初は26人 乗りという記述もあるが、これは搬器交換をせずに26人から31人に定員を増加させたのか、26人乗りないしは31人乗りという記述が間違っているのかは 不明であり、今後の研究課題である。


執筆日:2007年2月14日

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2007.01.06

八幡山ロープウェー ~八幡山城址に架かる観光ロープウェイ

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八幡山ロープウェー

事業者名:近江鉄道
公式サイト:http://www.ohmitetudo.co.jp/hachimanyama/index.html
所在地:滋賀県近江八幡市宮内町
キロ程:543m
支柱基数:2基
高低差:157m
最急勾配:不明
輸送能力:不明
搬器台数:2台 もみじ号(No.1)、さくら号(No.2)
速度:不明
動力:電気
許可年月日:1961年9月15日
運輸開始年月日:1962年11月23日
種別:普通索道
方式:三線交走式
搬器定員:25人(車掌省略)
山麓駅:原動停留場
山頂駅:緊張(油圧)停留場
索道メーカー:大和索道
搬器メーカー:大阪車輌工業(2006年2月21日交換)
鋼索メーカー:不明

観察日:2006年9月23日


滋賀県中央部の琵琶湖東岸にある近江八幡は、豊臣秀次が築いた城下町で近江商人の町として発展した。現在ではその商都の面影と水郷の町として知られている。この町の礎となった八幡城があった八幡山山頂近くと城下町を結ぶのが、八幡山ロープウェーである。最短距離にある山麓部と結ぶのではなく、ほぼ尾根沿いに日牟禮八幡宮の近くを結ぶところに路線設定の工夫のあとが見られる。同八幡宮は左義長祭で知られる観光スポットである。

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この画像をみると駅前広場風であるが、実は駅前はバスも通る道路。道路とほぼ平行にでるロープウェイ線路は珍しい。画像右手の方が日牟禮八幡宮である。ロープウェイの山麓停留場というと、けっこう高い位置まで階段を登らせる例が多いが、ここはこの通りほぼ道路とレベルであり、完全なバリアフリーではないものの人に優しい停留場と言えよう。

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停留場内には真新しい安全索道の銘板があった。建設を担当したメーカーは大和索道であるが、2005年に搬器交換を含む大掛かりな更新工事を受けており、それは安全索道が担当したそうだ。この更新工事で、山頂にあった原動装置が山麓となり、緊張装置が山頂となって、交走式では珍しい油圧緊張となったそうだ。

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これはホームに積んであったインゴット。もちろん金のインゴットではなく、鉄のインゴットで1個が30kg。これ2個で法令上の一人分の重量になる。検査時に人の代わりに積んだり、強風時に揺れ防止のために積む。ホームに置いてあるのは、強風時に使うためだろう。このインゴット、なぜか一部に日本ケーブルの旧トレードマーク入り(赤矢印のものなど)があり、近江鉄道のスキー場から移設されたものと思われる。

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搬器扉横の外側に、燈具などのスイッチがある。ここは車掌乗務を省略しているので、係員の便を図り、外側に装着したと思われる。

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こちらはNo.1搬器「もみじ号」。紅葉を意識したと思われる腰板部の赤が裾の部分がグラデーションで薄くなっているというなかなか洒落たデザイン。「もみじ号」「さくら号」という愛称は、搬器交換をつたえる新聞記事にあったのみで、現車には書かれていない。

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こちらがNo.2搬器「さくら号」。「もみじ号」と色調の異なる赤でいわゆる桜色となっており、桜の花びらを散らしたような模様が入っている。

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搬器内は内張りのある国産搬器としては標準的な感じだ。

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搬器内には安索の銘板があり、搬器交換工事も安索が請負った事を物語る。

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こちらは搬器のキャビン部分を製作した大阪車輌工業の銘板。よく見かける銘板で、最近の国産交走式搬器は同社のシェアがかなり高そうだ。

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搬器内にあった諸元表記。開業時の搬器は、21人乗り、自重1000kgだったそうで、1984年に交換された搬器も21人乗りだったそうなので、2005年の更新時にはロープの仕様も変えたのかもしれない。

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これが走行装置で、走行輪や曳索のソケット結合の様子がよくわかる。

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搬器には冷房装置がないので人力送風器が装備されていた。

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尾根沿いに位置する線路がよくわかる。

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これが1号支柱。比較的シンプルなトラス構造に建設時期を感じる。

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これが支柱サドルと索輪。支索はサドルのシュー部分に載せられているだけで、前後に摺動可能な構造になっている。三線交走式としては一般的な構造である。

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これが山頂駅で、ピークよりやや下がった位置にあり、展望館や八幡城跡にある村雲御所瑞龍寺門跡までは遊歩道や階段で結ばれている。

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これが西ノ丸跡から見た琵琶湖と比良連峰。正面あたりがびわ湖バレイで、ゴンドラ線路も見えるはずだが、はっきりとは分からなかった。

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遊歩道で西ノ丸跡や村雲御所瑞龍寺門跡を回り、ロープウェイ駅の案内に従って進むと展望館が行く手をさえぎった。建物内を通り抜けるのが正しい道順だそうだ。一応売店になっているので、ついお土産などを買ってしまう人もいるのだろう。むろん手ぶらで出てもなにも言われない。

さて、ここからおまけ。

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遊歩道沿いには、この通りラック式モノレールのレールが敷設されており、併用軌道状態だった。レールを見る限りは、最近動いた形跡はなく、残念ながら車輌も発見できなかった。

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ラック式モノレールの終点では、小型貨物ケーブルカーに接続。どうも村雲御所瑞龍寺門跡への貨物運搬用の設備らしい。

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ケーブルカーには貨車が残っており、エンジンも備え付けられているので、こちらは現役かもしれない。


執筆日:2007年1月6日


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2006.12.25

番外編:2006年度の索道動向:普通索道編

2006年度はまだ3ヶ月以上あるが、索道界としてはスキー場の新設索道が明らかになるこの暮れで、その全容がほぼ明らかになったと言っても過言でないだろう。そこで現時点で筆者が掴んでいる索道の動向を新設情報中心にまとめてみた。

正直言って、かなり抜けがあると思われるので、コメントでどんどん補足いただけるとありがたい。

まずは普通索道編。


◎新規開業普通索道

○ニセコ グラン・ヒラフ
・エースセンターフォーゴンドラ ニセコ高原開発(株) 2006.8.1運輸開始
※2006年度新設の普通索道は無いと思っていたら、とんだ伏兵が潜んでいた。→の「索道ニュース」でもお伝えしたように8月1日から10月9日まで、エース第2センターフォーリフトを流用してヒラフゴンドラのキャビンを使い、普通索道として営業した。白馬47とタングラムが2004年夏営業で導入したものと同様なクワッドの利用法だが、キャビンは夏冬兼用で使う点が新たな試みである。

◎休廃止普通索道
○稚内公園
稚内公園ロープウェイ 稚内市 1975.7.27運輸開始
※日本で最北の索道・ロープウェイである稚内公園ロープウェイが、利用者減と設備老朽化のため2006年3月31日限りで営業を終えた。最終営業日から2006年4月1日付の廃止と思われる。
この結果、日本最北のロープウェイは、大雪山層雲峡・黒岳ロープウェイとなっている。

○ニセコ東山スキー場
ニセコ東山ゴンドラ (株)プリンスホテル 1982.12.15運輸開始
※2005-2006シーズンでは休止と伝えられ、休止中のままコクドからプリンスホテルに譲渡された本ゴンドラは、キャビンを流用したアート作品が札幌近郊の公園で展示されており、プリンスの公式サイトのゲレンデマップからも抹消されている(ニセコ三山の共同サイトでは休止中として掲載)ので、休止中としても実質的には廃止と思われる。太平索道がミューラー社との提携で導入した単線自動循環式の最後の1本であった。

○ARAI MOUTAIN&SPA
・新井ゴンドラ 新井リゾート(株) 1993.12.19運輸開始
※運営会社である新井リゾートマネージメントの特別清算により、今シーズンの営業を断念。資産は外資系投資会社が保有しており、施設の保全のみを行って来シーズンからの運営者を探している。
安全索道製定員10名の立ち乗りゴンドラ。立ち乗りとしては、野沢温泉長坂(2代目)に次ぐ国内第2号機である。

○牛岳温泉スキー場
・牛岳ロープウェイ 富山市 1981.12.18運輸開始
※設備老朽化のため本ロープウェイでアクセスするユートピアゲレンデを今シーズン休止と告知している。このまま廃止の公算が高い。安全索道製交走式で、ワンスパンで谷を渡る。


○三峰山(埼玉県)

・三峰ロープウェイ 秩父鉄道(株) 1964.4.29運輸開始
※設備老朽化のため2006年5月19日から2007年5月31日までの予定で休止している。これを報じる中では、収支面で復旧に及び腰な様子も読み取れたので、発表どおり休止を終えるかどうか予断を許さない状況と思われる。

○箱根(神奈川県)
・箱根ロープウェイII期線 箱根ロープウェイ(株) 1960.9.7運輸開始
※三線自動循環式から複式単線自動循環式フニテルへの架け替えのため、2006年6月1日から2007年5月31日までの予定で運休中。2007年6月1日から新線の営業開始予定。2005年3月に宮島ロープウェイが二線自動循環式に改造され、後述の通り奈良ドリームランドスカイウェイが3月に休止されたため、この休止により日本独特の技術であった三線自動循環式は全て姿を消した。

○朝日村営鈴蘭シャンツェ(岐阜県)

・鈴蘭グループゴンドラ 朝日村 1996.2.10運輸開始
※『平成17年度鉄道要覧』には休止中として掲載されていたが、平成18年度版からは記載が無く、2005年度中、もしくは2006年4月1日付で廃止されたものと思われる。なお、朝日村は2005年2月1日付で高山市と合併しており、平成17年度版に朝日村として掲載されていること自体が問題であった。同シャンツェは現役ジャンプ台であり、2007年2月開催の第19回全国高等学校選抜スキー大会会場にも使われる予定である。運輸開始年から判るように老朽化とは考えにくく、運営コストが負担であったための廃止と思われるが、メーカーの太平索道が廃業した事も関係するかもしれない。高山市が2006年度に鈴蘭シャンツェの指定管理者を募集していたが、委託業務に索道は含まれておらず復活の目はなさそうだ。
本ゴンドラは、単線固定循環式を採用している点が珍しく、また普通索道完乗を目指す人には、競技関係者のみの利用となっていたために「乗れない」事で知られていた。
『鉄道ピクトリアル2001年4月増刊号 千年の京にありて』掲載の「単線固定式普通索道について」という記事が、本ゴンドラをまとめて紹介する数少ない文献と思われる。

○比良山スキー場
比良ロープウェイ 比良索道(株) 1962.8.16
※すでに本ブログでも取り上げたとおり2004年3月末を最後に休止していたが、『平成17年度鉄道要覧』には休止中で掲載されていたものの平成18年度版には記載がない。スキー場ゲレンデの復元作業の目途が立ったため、2005年度中か2006年4月1日付でリフト共に正式に廃止の手続きがとられたものと思われる。

○びわ湖バレイ
アルプスゴンドラ (株)びわ湖バレイ 1975.10.31運輸開始
※株式の大多数を持つ名鉄が、保有する全株を日本ケーブル系のNCリゾートに譲渡すると発表し、その報道の中で来季からはゴンドラを大型ロープウェイに架け替えると報じられた。筆者は、ゴンドラとは別位置にゴンドラの夏営業を行いながらの新線建設となると予想するが、今シーズンの終了と共に営業を休止する可能性も排除できない。営業を行った単線自動循環式普通索道では国内で2番目、現存する中では最古の施設であるので、機会があればこの冬に乗っておきたい。

○奈良ドリームランド

スカイウェイ (株)ドリームパーク 1961.7.1運輸開始
※『平成18年 鉄道要覧』に平成18年8月31日廃止予定として掲載されていたが、機器故障により2006年3月に運休し、そのまま再開することなくドリームランド廃園を迎えた。故障したのは制御盤らしく、代替の部品もないために簡単に修理とはいかなかったようだ。架設当時の機械がほぼそのまま残る三線自動循環式だったので、その廃線は惜しまれる。

○南レク御庄公園

御荘湾ロープウェイ 愛媛県 1977.8.10運輸開始
※設備老朽化と山頂駅付近を通る有料道路の無料化が決まり利用者減が見込まれるため、2006年3月31日限りで営業を終えると決定。実際は、3月27・28日の2日連続で宙吊り事故(27日は搬器が山麓駅構内で脱線、28日は4号柱脱索検出器誤作動)を起こし、29日に運休して総点検を行い、その結果、30・31日は運休となったために3月28日が最終営業日になった。稚内公園と同様、2006年4月1日付の廃止と思われる。
本ロープウェイは日本ケーブルが自社開発した単線自動循環式の最後の1本であり、この廃止によって純国産の単線自動循環式は姿を消した。
本ロープウェイが廃止され、2006年度に立山山麓ゴンドラが富山県から富山市(ないしは同市3セクの大山観光開発)に移管されたため、県営の普通索道は消滅した。

執筆日:2006年12月25日
加筆日:2006年12月26/27日

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2006.10.27

索道メーカー 安全索道 ~機械について(5)

◎趣味的な見地から見た機械の特徴

○支柱

二大メーカーである安全索道と日本ケーブルの支柱は遠目には良く似ていて、よほどのマニアか関係者でない限り、区別するのは難しいだろう。以前の日本ケーブルでは、ゴンドラやトリプル以上のデタッチャブルは方錘形を標準としていたので、これらの大規模索道では見分けやすかったが、以前に書いたように日ケがモデルチェンジしたために、ますます両社が似てきた。

これが安全索道のクワッドの支柱だ。

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クワッド用鋼管円筒形支柱:スキージャム勝山ファンタジークワッド

こちらの日ケの支柱と比べても違いが良くわからない。見比べると、作業アームの部材が安索のほうが少し太いように思えるが、錯覚かもしれない。筆者の観察した限りで一番はっきりした違いは次の二点だ。

まず、アームと支柱本体の接続部分の形状だ。

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クワッド用支柱アーム:鷲が岳オーロラ第3クワッド

このように安索はアーム下端が一直線であるのに対し、日ケでは接続部が逆台形状になっている。

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日本ケーブルクワッド用支柱アーム:牧の入第6クワッドリフト

もう一点は、高い支柱で本体が2本継ぎになっている場合のフランジのリブ形状である。安索ではフランジを支えるリブが小さいのに対し、日ケでは大きいようだ。

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クワッド用支柱継ぎ目フランジ部:鷲が岳オーロラ第3クワッド

あと安索では、アームと作業アームがメッキ仕上げではなく塗装仕上げのケースがある。日ケでは比較的早い段階でメッキ仕上げを標準としたために、自然公園法の制約などがない限りはメッキ仕上げとなっているので、ここ20年以内の架設にも関わらずアームが塗装の場合は、安索の可能性がかなり高いと言える。

このアーム形状やメッキ仕上げに関しては、ペアなどの固定循環式でも同様だ。

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ペアリフト支柱:ホワイトピアたかす第4ペアリフト

これが安全索道のペア支柱。支柱本体が塗装でアームがメッキという仕様なので、アームと本体のつなぎ目がはっきりしており、支柱本体の上部が拡がり、その上にアームが載っている事がよくわかる。これに対して日ケの支柱では、こちらのようにアームの下部の形状が支柱本体の鋼管に合わせるようになっている。

大山国際第6リフト/第9リフト
ペアパラレルリフト支柱:大山国際第6リフト/第9リフト

これはペアパラレルリフトの支柱。傾向が見出せるほど多くの事例を検証したわけではないが、これまでの印象では、日ケよりも無骨な感じを受ける。

○索輪

安索の索輪は、他社がプレート式に移行する中、スポーク式を守ってきたが現在ではプレート式も採用している。ただし、全面的に切り替えたわけではないようで、筆者が確認した中では最新の神郷第一スキー場第1/2ペアリフト(2004年建設)はスポーク式、ゴンドラでは2001年のおじろゴンドラはスポークだが、翌年の焼額山第1ゴンドラはプレート式、クワッドでは1997年の木島平第11クワッドはプレート式である。安索のリフトを観察する中で、索輪の形式は要チェックポイントである。

○脱索検知装置

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ペアリフト脱索検知装置:木島平第3山頂ペア

これが安索の脱索検出装置。リミットスイッチから伸びる検出バーに脱索したロープが触れることで脱索を検出するシステムである。検出バーと通常状態のロープはそれなりの隔離距離が必要であるので、脱索の際にある程度のロープの跳ねが無いと検出は不能であるが、そのように静かに外れることは考えにくいので、実用上の支障はないだろう。

◎趣味的な見地から見た安全索道の副業

日本ケーブルでは、関係会社でかなり手広くスキー場運営を行っているが、安全索道はスキー場運営に直接タッチする事には積極的でなかった。筆者が掴んでいる中で、安索が直接運営にタッチしていたのは戸狩小境スキー場のみであり、1983年に閉鎖している。小規模なスキー場で、とても同社が主体的に設立したとは思えず、おそらくは日ケの関温泉やヤナバと同じパターンで、地元資本のスキー場が建設費を払えず債権者となった安索がやむを得ず直営したのではないだろうか。同社がリゾートブーム時にも直営に乗り出さなかったのは、三井物産系の会社であるので、リゾート運営には三井系の他の企業が当ったためかもしれない。

索道趣味者には興味を持つ人も多いであろうリフトカーは、日ケよりも積極的な印象があり、正式な鋼索鉄道である鞍馬寺ケーブルも安索製である。レインボーライン(福井県)のリフト平行線のリフトカーも安全索道と聞いた覚えがある。動く歩道も、その初期の段階で参入しており、大阪万博会場にも納入していたそうだが、大手メーカーに対抗できなかったのか寡聞にて他の実績は知らない。どこかに現存するならば乗ってみたい。


執筆日:2006年10月27日

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