索道メーカー 樫山工業
樫山工業は、1946年に創立された樫山商店を始祖とするポンプメーカーで、その技術を応用して1978年に国産初の人工降雪機を開発、スキー場業界に進出した。現在、ファンタイプの降雪機では国内で圧倒的なシェアを誇る。
このようにして培われたスキー場との関係を生かし、1990年にはイタリアのライトナー社と技術提携し、索道分野にも進出、トータルでスキー場をサポートするメーカーを目指した。ライトナー社と日本の関わりは、トーメンが輸入元で小松製作所が販売元となり、圧雪車を販売していたが、索道分野では未進出だった。
索道には新規参入であるものの、スキー場とは密接な関係があったのを生かしてか、それなりの実績を残しているが、筆者が知る限りでは、日本索道工業会に加盟して事はないようだ。
第一号の架設がどこになるか不勉強でわからないが、自社出資のスキー場である佐久スキーガーデンパラダのリフトが1994年の架設であり、初期の製品であるのは間違いないと思われる。1999年に架設したよみうりランドのゴンドラ「スカイシャトル」で普通索道にも参入し、高鷲スノーパークのSPゴンドラも架設した。
樫山工業のゴンドラ:高鷲スノーパーク SPゴンドラ
国内のゴンドラでは最速の6.0m/s
樫山工業のクワッドリフト:高鷲スノーパーク パノラマクワッド
デタッチャブルリフトとしては比較的コンパクトな一本足である停留場機械が特徴
樫山工業のペアリフト:鷲ヶ岳 レインボー第2ペアリフト
固定循環式リフトの原動緊張装置では、この機械カバーが標準タイプのもよう
一時期は実質的に新規受注活動を中止していたようだが、2006年に「樫山スノーテック 」という会社を設立し、スキー場コンサルティング業務のほか索道の製造販売を行うと発表された。この会社について、樫山工業の公式サイトではまったく触れておらず、どうもこのサイトは少なくとも1~2年は更新を怠っているようだ。2006年度に索道を受注したという情報もあったが、どこから受注したのか興味深い。
執筆日:2006年12月20日
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