小海リエックス 第1クワッドリフト
事業者名:松原湖高原開発(株)
スキー場名:小海リエックス・スキーバレー
公式サイト:http://www.reex.co.jp/KOUMI/
所在地:長野県南佐久郡小海町松原湖高原
キロ程:1338.69m
支柱基数:23基
中間停留場:なし
高低差:299.62m
最急勾配:29度42分
輸送能力:2400人/時
搬器台数:122台
速度:4.0m/s
回転方向:反時計
動力:電気 320kw
許可年月日:1988年6月2日
運輸開始年月日:1988年12月22日
建設年:1988年12月
種別:特殊索道
方式:単線自動循環式
搬器定員:4名
山麓:原動 車庫線
山頂:重錘緊張
索道メーカー:川鉄鉄構工業
鋼索メーカー:不明
観察日:2006年3月24日
小海リエックス・スキーバレーのメインラインであるデタッチャブルクワッド。これ1本でコースの大半をカバーする。ただし、まったくの初級者はトップから降りるのは辛いだろう。
本スキー場は、川崎製鉄系川鉄商事(株)(現 JFE商亊)が小海町と設立した第3セクター松原湖高原開発(株)が開発した。2001年には町が手を引いて川鉄商事の子会社となり、2004年には株主が川鉄商事から(株)シャトレーゼに交代して現在に至っている。シャトレーゼスキーリゾート八ケ岳がシャトレーゼ色を全面に出しながら、スキー場運営は外部委託しているのに対し、こちらはシャトレーゼ色をほとんど感じないにも関わらずスキー場運営は直営で行なっているようで、スタンスが異なっており興味深い。通常なら、同一エリアに同資本のリゾート施設があれば、相乗効果が期待できる運営を行なうのが自然だと思うが、どういった事情があるのだろうか?
事情と言えば、スキー場開発は川鉄鉄構工業(現 JFEメカニカル)の索道業界参入と同時に行なわれ、本リフトを始めとするスキー場開設時の4本のリフトは、オーストリア・ギラク社と技術提携した川鉄鉄構工業の最初の索道製品となった。
さて筆者は、サンメドウズを手早く済ませこちらに急ぎ、リフト券売り場でシャトレーゼの1日券を見せ「午後券を500円で買えるのですよね?」と確認する。この八ケ岳エリア4スキー場共同企画は、規模に難があるこのエリアのスキー場ではなかなか目の付け所のよい企画だと思うのだが、告知に不熱心なのは理解に苦しむ。筆者の確認した限りでは、公式サイト上での告知は、リエックスと八千穂高原のみで、しかも八千穂高原ではリエックスの午後券しか買えないような書き方だ。リフト券売り場で掲示されていたのは、シャトレーゼのみ。(八千穂は未訪問なので未確認)しかもリエックスと八千穂高原のサイト上の告知では、1日券を買ったスキー場で優待券をもらって他のスキー場に行くと説明されている。しかし、シャトレーゼではそのような告知はされていない。シャトレーゼの1日券が割引という事もあって、小心者の筆者はおそるおそる差し出したが、拍子抜けするほど淡々と「リフト券はこちらで回収させていただきます」というだけで500円で午後券を購入できた。こちらの1回券は350円なので、2回乗れば元を取ってお釣りが来る。サンメドウズで午後券を購入しなかったのは正解だった。
山麓停留場はゲレンデの最下部にあるが、本スキー場はベースエリアが中腹にあるという特徴的なレイアウト(ただしメインレストランは最下部)なので、来場者は滑り込んでリフトに乗る事になる。停留場は壁の無い上屋方式で、斜めに配置された屋根の支柱は太平索道のデタッチャブルリフトを思い出させるが、標準的な機械カバーと似た両流れ屋根であるところが異なる。運転室も上屋の下に取り込むため、機械カバーよりはかなり大きな屋根面積となっている。さらに隣接して別棟の車庫線もある。
地下原動方式で、少しわかりにくいが原動軸カバーがこの画像でも確認できる。最初は、原動軸の存在に気が付かず「原動停留場にしてはモーターの音がしないなぁ」と思っていた。地下原動は、同じ川鉄製を導入したキューピットバレイ第1クワッドリフトでも見ることができる。
独特な搬器形状はトップ画像で確認できるとおりで、これも前述のキューピットバレイと同じ。クリップは、このように独特な形状をしている。また、フットレスト付である。
山頂停留場も山麓と似た上屋方式。右側に飛び出しているのは、緊張装置となっているピットを覆う部分。支えい索が大きな誘導滑車で垂直に下方に向けられ、直接重錘がぶら下がっている。
これが重錘ピットに支えい索を導く滑車。当然、左右で回転方向が逆で、なかなか迫力がある。
執筆日:2006年4月16日
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