カテゴリー「索道事業者ニュース」の記事

2008.01.16

【ニュース】ジェイマウンテンズグループがダイナランドを傘下に

1月11日付中日新聞記事及びジェイ・マウンテンズ・グループ(株)公式サイトによれば、ジェイ・マウンテンズ・グループは1月10日付で(株)平安からダイナランドを経営譲渡された。同スキー場の運営は、隣接地の高鷲スノーパークを運営する同社関連会社である中部スノーアライアンス(株)が行う。

ジェイ・マウンテンズ・グループの取締役には、ダイナランドが大日岳国際スキー場としてオープンした当時から関わりの深い人物が名を連ねており、高鷲SPが同社傘下となった昨シーズンから、試験的に共通券が発行されるなど、両スキー場の連携の目がみられた。経営統合された事から、両スキー場の一体化がさらに進むものと思われる。そもそも高鷲SPのエリアは、ダイナランドの拡張予定エリアであり、一部開発に着手していたものの、自然保護運動家などによる反対運動などの理由で開発が足踏みしている間に、ダイナランドとこのエリアの開発を争っていた東和観光(鷲が岳スキー場の事業者)が開発の主導権を握って、高鷲SPをオープンしてしまったという経緯があるため、両スキー場は犬猿の仲だった。今回の経営統合で、一体化した運営が実現すれば、ようやく正常化されたといえよう。とりあえず、2月中旬を目途に共通リフト券を発売開始すると中日新聞の記事にはあった。

ジェイ・マウンテンズ・グループ(株)は、オリックス(株)の投資銀行本部プリンシパルインベストメント部門を分社化する形で設立されたOPEパートナーズ(株)が、スキー場再生事業を手がけるため、OPEスノーアライアンス(株)として2005年に設立した会社で、最初に傘下に収めたのは川場スキー場である。OPEパートナーズは、2006年10月にMBOを実施し、役員がオリックスから発行済み全株式を買収している。さらに、2007年2月には、社名をリッジウェイ・キャピタル・パートナーズ(株)に変更した。資本のつながりはなくなったものの、同社の投資ファンドの主要投資家はオリックスであり、オリックス系の投資会社と紹介されるのが一般的のようだ。OPEパートナーズの社名変更に先立ち、2006年12月にはOPEスノーアライアンスは、ジェイ・マウンテンズ・グループ(株)と社名を変更している。

ジェイ・マウンテンズ・グループは、傘下にスキー場運営会社として、川場リゾート(株)川場スキー場、福島スノーアライアンス(株)猪苗代スキー場中央、(株)ヘブンスそのはらヘブンスそのはら、群馬スノーアライアンス(株)ノルン水上スキー場、中部スノーアライアンス(株)高鷲スノーパーク・ダイナランド、ユートピアマウンテンリゾート(株)ユートピアサイオト・アサヒテングストンを持つ。12月に近江鉄道から引き継いだ、箱館山スキー場の運営会社も設立したと思われるが、筆者の調査不足で社名は不明だ。

執筆日:2008年1月16日

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2007.12.21

【ニュース】箕輪スキー場が加森観光傘下に

毎日新聞社「毎日jp」の地域ニュース福島12月19日付記事によれば、加森観光が猪苗代町の第3セクター横向高原リゾート(株)の経営権を実質的に掌握したようだ。

横向高原リゾートは、不動産・ゴルフ場会員権販売業の(株)エスティティコーポレーションと猪苗代町が1988年に設立した第3セクターで、1989年に箕輪スキー場を開業した。エスティティコーポレーションの母体となったゴルフ場開発・運営会社エスティティ開発のノウハウを導入した高級リゾートを目指したスキー場で、バブル期に開業したリゾートホテルらしい高級感のあるホテル設備を誇った。エスティティ開発が2002年10月に民事再生手続き開始を申し立て、次いで2003年2月にエスティティコーポレーションが民事再生手続開始を申し立てた。

エスティティグループの再建スポンサーとして名乗り出たローンスターグループと大口債権者であったゴールドマン・サックス・グループが米国系投資ファンド同士で同グループを巡って争い、結局、ローンスターグループの元で再建が行われていた。

スキー場の経営改善は順調にはいかなかったようで、上述記事に拠れば、12月1日付で加森観光を引き受け先とする4億5500万円の第三者割当増資を実施の上で、ローンスターグループが保有の13,327株の全てを加森観光に売却したそうだ。町の出資は、そのままで社長も津金町長がそのまま留任したそうだが、他の役員は全て加森側に入れ替えたようで、実質的に加森観光が主導権を握った事になる。

加森観光の公式サイトでは、2007年12月12日付けで箕輪スキー場とホテルプルミエール箕輪のグループ入りが告知されている。これで加森観光系のスキー場は以下の10ヶ所になった。

 ルスツリゾート・サホロリゾート・サッポロテイネ・マウントレースイ
 中山峠・安比高原・夏油高原・サンライバ・おんたけ2240・箕輪

筆者は、オープン初年の1月か2月に行ったが、とにかく寒いスキー場という事しか記憶にない。

執筆日:2007年12月21日

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2007.12.14

【話題】今年度デビューの索道 改訂1版

11月24日の記事をその後にいただいた皆様の情報で補足し、改訂版の記事を作成した。既紹介済みの索道の説明は省いたので、以前の記事も参考にして欲しい。

◎普通索道編
○びわ湖バレイロープウェイ
 ゴンドラの運行は1月25日まで、ロープウェイ営業開始は翌26日かららしいという情報をいただいた。確認とれしだいここで報告する。

◎特殊索道編
▽北大雪スキー場 第3リフト
 昨シーズン春スキーから復活した本スキー場では、昨年は運行再開を見送った第3リフトを今シーズンは運行する。ただし、設備は以前のままのようだ。

○富良野スキー場 ダウンヒル第3ロマンスリフト

○ニセコ グランヒラフ ホリデー第1ペア

○ルスツ タワーペアリフ

○ルスツ アクロス第2ペアリフト

○猪苗代スキー場中央 はやま第3ファミリーリフト

 安索製であると情報をいただいた。

○羽鳥湖スキー場 第5クワッド
 1985年日本ケーブル製デタッチャブルクワッドを同社製5m/s対応クワッドに架替え。ちなみに旧クワッドは、国内のクワッド解禁年の製品。

○かぐらスキー場 かぐら第1ロマンスリフト

○白馬五竜スキー場 とおみスカイフォー
 1987年安全索道製デタッチャブルクワッドを、日本ケーブル製デタッチャブルクワッドに架替。一部支柱は流用という情報をいただいた。

○立山山麓スキー場 らいちょう第3ペアリフト
 らいちょう第3リフトからの架替え。これで同スキー場からシングルが一掃された。

○立山山麓スキー場 極楽坂第1クワッド
 極楽坂第1ペアリフトからの架替え。固定循環式4人乗り。

▲サンメドウズ清里スキー場 バードリフト
 今まで長期運休であった同リフトを架替え、今シーズンから営業再開と告知されていたが、工事の遅れにより営業再開は来シーズンに延期と公式サイトで告知された。

まだまだ見逃しがあると思う。気付いた点はコメントして欲しい。

執筆日:2007年12月14日

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2007.12.09

【話題】今シーズン休止or廃止の索道

今年度から廃業・休業するスキー場や廃止・休止する索道をまとめてみた。新設以上に抜けがあるとおもうので、存分に指摘して欲しい。

◎普通索道
○岩原ゴンドラ
 
国土計画から岩原観光に譲渡されたゴンドラ。元々は奥添地開発のアクセス用としてのゴンドラであった。東日本不動産(湯沢パークの経営者)が開発する予定であった舞子後楽園と国土計画の間のエリアの開発が進まなかったためか、コクドが岩原観光に譲渡した。
 「メンテナンスのため」という理由で、今シーズンの休止がアナウンスされている。


○ランドー
 ガーラ湯沢が保有するガーラ湯沢スキー場と湯沢高原を連絡するワンスパンの交走式ロープウェイ。昨シーズンに引き続き、地盤変動のため南エリアが閉鎖され、今シーズンも運休。

○長崎スカイウェイ
 稲佐山中腹から山頂に向うゴンドラ。昨年12月、塩害による腐食が深刻であることが判明し、急遽休止に。11月15日に長崎市が本年度末で廃止の方針を固めたという記事が長崎新聞に掲載された。

◎特殊索道
○八幡平スキー場
 運営する第3セクターの八幡平観光は、スキー場経営からの撤退を検討する中、今シーズン営業の準備が不足しているという理由で、営業見送りを決めた。負債と共に唯一の黒字事業である東北道岩手山SA事業を筆頭株主の県北自動車に譲渡しており、現事業者での再建の可能性はかなり低い。スキー場を継承する事業者が見つからない場合、このまま廃業の可能性が高そうだ。

○芸北文化ランド
 経営する学校法人広陵学園が休止を表明

○ドルフィンバレイ
 常石造船グループのツネイシホールディングスが保有していたが、同グループ内のグローカルジャパンに本スキー場とスノーリゾート猫山を売却。猫山の営業のみを継続し、ドルフィンバレイを廃業。跡地は農地に転用する見込み。

○剣山スキー場
 つるぎ町が休止の意向を明らかに

執筆日:2008年12月9日

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2007.12.08

【ニュース】近江鉄道3スキー場の譲渡先決定

10月11日に売却が発表された近江鉄道の箱館山・国境・福井和泉の3スキー場の売却先が決定した。

まず10月25日に、箱館山スキー場のジェイ・マウンテンズ・グループへの売却が近江鉄道から発表され、12月7日には、ジェイ・マウンテンズ・グループの公式サイトでも箱館山スキー場のグループ入りが告知された。同グループでは、傘下スキー場の運営をエリア単位の運営会社に委ねているが、同スキー場の運営会社は調べた範囲では不明。

続いて11月29日に、国境スキー場の株式会社マックアースへの売却が近江鉄道から発表された。新聞報道によれば、近江鉄道の運営でオープンし、1月上旬に運営を引き継ぐもよう。マックアースは、ハチ高原のゲレンデ食堂経営から宿泊業・飲食業・旅行業などに進出した会社。公式サイトはこちら。マキノパークホテルのサイトで、国境スキー場の買収に触れているが、運営の引継ぎ日には明確にされていない。

最後に12月7日、福井和泉スキー場の株式会社穴馬組への売却が近江鉄道から発表された。新聞報道によれば、譲渡日は2008年1月11日で、それまでは近江鉄道が運営を行う。穴馬組は大野市の土木業者で社長が県スキー連盟副会長を務め、スポーツ振興に協力している点が評価されたようだ。

※箱館山譲渡の新聞記事
※国境譲渡の新聞記事
※福井和泉譲渡の新聞記事

執筆日:2007年12月8日

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2007.10.12

【ニュース】近江鉄道3スキー場売却へ

近江鉄道では、10月11日に同社の運営する箱館山・国境・福井和泉の3スキー場と彦根プリンスホテルを売却するという方針を発表した。

 

京都新聞記事  NIKKEI.NET記事  福井新聞記事  日刊県民福井記事

スキー場は、今シーズンが始まるまでに、彦根プリンスは来夏までに売却する方針で、従業員の雇用確保と事業継続を条件に、複数の事業者・投資家と交渉中であるという事だ。

福井新聞の記事によれば、福井和泉スキー場は「近江鉄道として今シーズンの営業は行わない方針」だそうで、譲渡先が決まらない場合、今シーズンの営業が休止される恐れがある。筆者が確認できた範囲では、滋賀県内の2スキー場の譲渡先が今シーズンまでに決まらない場合の今シーズン営業がどうなるかに言及した報道はなかった。

この方針は、7月の取締役会で固まっていたようで、このタイミングで発表したと言うことは、譲渡交渉にある程度の目途が付いたのか、交渉結果が出なくとも今シーズンの営業を近江鉄道で行う意思はないという方針の表明のいずれかであろう。

福井和泉・国境はともかくとして、箱館山は昨シーズンに、平行するシングルリフト3本をペアリフト2本にリプレースしたところであり驚いた。

今後の動向を注視していきたい。

執筆日:2007年10月12日

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2007.10.09

【ニュース】三峰ロープウェイ 廃止を正式発表

秩父鉄道では、10月5日付のニュースリリースで、老朽化のために運休中の三峰ロープウェイを2007年12月1日で廃止する事を公式に発表した。

設備老朽化のために2006年5月19日から翌年5月31日まで休止と突然に発表、そのまま再開することなく、本年11月30日まで休止期間を延長していました。

現在線とは山頂駅の位置がやや違う旧線は、戦前生まれで、吉野山ロープウェイと共に2箇所だけ戦時廃止を免れた索道でした。このような歴史のある路線が、特にお別れ行事をすることなく消えていくのは、実に惜しいことです。

個人的にも、まだ未乗路線であるので(T_T)

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2007.09.25

【ニュース】鈴木商会(旧・鈴木総本社)グループの動向

白樺湖ROYAL HILLのニュースを目にして、ちょっと検索してみたら、(株)グランドレジャーや(株)ホテル&リゾートマネジメントを傘下に持つ鈴木商会グループの新たな動きが見てきたのでまとめておく。
※鈴木総本社の社名変更は知られていないようだが、2006年9月に鈴木商会と改称した。(参考サイト

○アルピコグループ(松本電鉄系)から「白樺湖ROYAL HILL」を取得
 NIKKEI NETのニュース(9月20日付 地域経済>甲信越)によれば、アルピコグループは、約80%の株を保有する「白樺湖観光開発」の保有株式を全て、グランドレジャーが設立する子会社に譲渡するそうだ。同社は、「白樺湖ロイヤルヒルスキー場」と「白樺湖ロイヤルホテル」を経営する会社で、記事に拠れば、今シーズンからはスキー場・ホテル共に鈴木商会グループ系として運営される。

○旧プリンス系2ヶ所の運営も
 (株)グランドレジャー・(株)ホテル&リゾートマネジメントのサイトには、新たに「函館七飯スノーパーク」「表万座スノーパーク」が加わっている。
この2スキー場は、プリンスホテルからシティグループ・プリンシパル・インベストメンツ・ジャパン(株)に譲渡され、07-08シーズンからウィンターガーデンリゾーツ(株)の運営と告知されていた。
鈴木商会グループに再譲渡されたのか、単なる運営の受託かは不明だ。

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2007.09.15

【ニュース】事業者の動き

このところ更新が滞っており、申し訳ないm(_ _)m

さて、本ブログでは索道業界のちょっとしたニュースは、右側に表示される「索道ニュース」で扱ってきたが、本文記事の更新もままならないところで、サイドバーの更新だけ続くのもおかしな話であるし、「索道ニュース」では詳報も書ききれないので、本文でもニュース的話題を扱うように変える。

取り敢えず「索道ニュース」ネタとして仕入れていた事業者に関するニュースをまとめて紹介しよう。

○奥志賀高原が長野電鉄から分離

皇太子ご一家御用達スキー場として知られている奥志賀高原リゾート事業が、長野電鉄から野村ホールディングス系の投融資会社ユニファイド・パートナーズに譲渡されることが2007年5月11日付で発表された。
株式会社長電パークリゾート(2004年9月1日付で長野電鉄から独立)経営だった奥志賀高原ホテルや電鉄直営だった索道事業などの奥志賀高原事業が、7月に設立した(株)奥志賀高原リゾートに譲渡され、同社の株式をユニファイド・パートナーズに譲渡することで事業譲渡が完了した。
 ユニファイド・パートナーズは、2005年に竜王観光を傘下に収めており、両者を運営することで相乗効果を期待している。奥志賀高原を「数年かけて高級感のある長期滞在・通年型リゾートに作り替えていく」(※1)としており、竜王山と焼額山を結ぶトレッキングコースの整備も構想にあり、両スキー場の普通索道夏山営業の活性化も期待できる。

※1 FujiSankei Business i 07/08/17

○アサヒテングストン・ユートピアサイオトがジェイ・マウンテンズ・グループに?

ジェイ・マウンテンズ・グループのサイトによれば、2007年7月19日付けで「ユートピアサイオト」および「アサヒテングストンスキー場」がグループに加わったそうだ。
1965年12月8日に芸南観光開発(株)として設立された(株)ハートレイは、1966年12月に芸南カントリークラブを開業し、1986年12月にはユートピアサイオトを開業した。1992年にハートレイと改称し、2001年には親会社が倒産したアサヒテングストンを傘下に収めた。2006年8月に穴吹工務店の傘下に入り、穴吹ヴィラサービスと合併、(株)穴吹ハートレイとなった。
同社サイトには、現時点において、事業譲渡についての記載はないが、昨シーズンからスキー場の運営は、ジェイ・マウンテンズ・グループに委託されていたにも関わらず、上述の記載があったことと、両スキー場のサイトにある冬季従業員募集要項に、昨年はあった(株)穴吹ハートレイの記載がないことを考えると、事業譲渡があったと考えるほうが自然に思われる。

※10月4日付中国新聞記事(1週間で削除のはず)で「買収されたことが3日わかった」そうです。穴吹工務店系となった自体が買収の結果なので「スキー場の買収が中国地方でも活発化してきた」も含め、ちょっと情けない記事ではありますが、売却の事実を掴んできた努力に免じて許しましょう。
記事掲載の情報をご提供いただいた、まつーらさん、どうもありがとうございました。
2007/10/9加筆


○ホワイトピアたかす運営のトーカイ開発民事再生手続き開始申し立て

ホワイトピアたかすの他、2ゴルフ場を運営するトーカイ開発(株)は、2007年8月31日付で名古屋地方裁判所に民事再生手続き開始の申し立てを行い、事実上の倒産となった。直接の引き金は、ゴルフ場預託金債務返還の目途がたたない事である。スキー場・ゴルフ場共に営業は継続される。
同社の親会社は、リネン類などのリースレンタル事業を中心として堅実な業績を残す(株)トーカイ(名証2部上場)で、ゴルフ事業については、すでにスポンサー企業が決まっており、親会社の支援を受けた上で最終的に事業を譲渡する見込みである。スキー場事業も来年には譲渡先を探すと報じられている。

執筆日:2007年9月15日
修正日:2007年10月27日
 
ジェイ・マウンテンズ・グループの社名表記訂正と公式サイトリンク

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